奥多摩尾根歩き
黒山南尾根、仙岳尾根

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今回は黒山南東尾根を登り、都県境尾根長沢背稜を経て仙岳(せんがく)尾根を下りました。
黒山南東尾根は歩く水平距離440m、標高差140mのごくごくミニサイズの尾根です。こんな尾根にわざわざ名前を付ける? などという意見もあるのはよくわかりますが、まっ、それはそれ。名前を付けないと話を進めづらくてしようがありません。そんな黒山南東尾根のてっぺんは都県境尾根の黒山、下端はゆるく登ってきた常盤林道がくねっと曲がって舗装からダートに変わるあたり。常盤林道の途中から沢沿いの地形図の破線(徒歩道)をたどる予定です。
仙岳尾根長沢背稜の槇ノ尾山からほぼ真北に下って有間川に没している尾根です。歩くのは4度めですが、幸か不幸かほとんど記憶にありません。まっさらな気分で尾根歩きが楽しめます。ははは。
黒山南東尾根の取付までの3時間強、軍畑(いくさばた)駅からかなり舗装道路を歩きます。前回のカラ沢尾根のキビシい岩峰と石尾根の長ーい下りで体がなんだか右に2、3度ほど傾いた気がしてなりません。平坦な道を歩いて体のバランスの調子をみてみたいという目論見があり、久々に温泉に入りたいという欲もあり、そんなこんなの尾根歩きの出発です。
※「標高」は省略しています。
コース [START]軍畑駅→下畑軍畑線→成木街道→都道202号線→(1時間50分)林道常盤線→(1時間20分)黒山南尾根取付→黒山南尾根→(35分)黒山→権次入峠→(35分)棒ノ折山→(15分)槇ノ尾山→仙岳尾根→(1時間20分)名栗湖南岸道路→有間の湧水→有間ダム→(1時間5分)[GOAL]さわらびの湯→ノーラの里・さわらびの湯バス停→西武鉄道池袋線飯能駅
(7時間)
歩いた日 2025年6月17日(火)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

[START]軍畑駅→下畑軍畑線→成木街道→都道202号線→(1時間50分)林道常盤線→(1時間20分)黒山南尾根取付→黒山南尾根→(35分)黒山


黒山南東尾根は常盤林道のどん詰まりから取付きました。取付までのアプローチは常盤林道を途中ではなれ、地形図の破線(徒歩道)をたどる短いけれどそこそこ冒険チックな沢歩きでした。
尾根の初っ端はヒノキの植林に囲まれたとんでもない急登でした。尾根相はヒノキからアセビの幼木の密なぼーぼーにチェンジするもキッツい急登はやまず。
都県境尾根に合流してようやく容赦のない急登は終わり、粛々と黒山の山頂に向かうのでした。

おはようございます。軍畑駅の改札口です。改札口を出て左へ。踏切を渡って右に坂道を下り、埼玉県道・東京都道193号下畑軍畑線を左へてくてくてくと歩きます。嫌っというほど歩きます。
高水山なんかへの登山口に向かう平溝通りを分け、
青梅丘陵ハイキングコースの終点(始点)を過ぎ、榎木(えのき)峠を越えます。
白岩上之橋(しらいわかみのはし)の手前を左に
ゆる~く登ってきて
舗装が終わると同時に山の中に入ります。
「高水山→」方向へ。直進方向は鎖が張られています。
禁断の道へ。詳しい写真は掲載しません。
子鹿に会いました。脚を怪我しているようです。親鹿は見当たりません。よたよたと前を歩いていたんですがやがてうずくまって通り過ぎるわたくしを大きな目で見上げていました。
峠の小さな石祠。
禁断の道から成木(なりき)街道(東京都道・埼玉県道53号青梅秩父線)へ。すぐに成木街道とわかれ、「行き止まり」方向の都道202号線へ進み、
上成木バス停を過ぎて都道202号線と常盤林道の分岐です。
都道沿いの公衆電話とトイレ。どちらも現役です。都道202号線(左)はここから名坂(なさか)沢沿いに登っていき岩茸石山(いわたけいしやま)直下の名坂峠を越えて奥多摩町の大丹波地区から大丹波川沿いに下って青梅線川井駅までつづいています。半分くらいは登山道です。
電話横のベンチでちょっと休憩し、常盤橋(ときわはし)を渡り、常盤林道へ。ワラビに埋もれそうな廃車を過ぎたり、
末端価格不明の怪しい白い粉ゾーンを歩いたりもします。
曲がり角の分岐です。「警笛鳴らせ」の標識とカーブミラーの間に、林道からはなれていく地形図の破線が成木川に沿って上流にのびています。実は尾根歩きと同じくらい楽しみにしていたのがこの破線歩きです。
破線に踏み入ります。
すぐに分岐です。尾根に登っていく道と成木川沿いの道。川沿いに歩くと決めていました。ただ、川沿いの破線は途中で消えています。「まっ、道がなくなっても林道は近いしなんとかなるでしょ」との腹づもりです。
ザックを降ろして杖と軍手を引っ張り出します。成木川に流れ込む小さな沢で顔を洗い、首にかけていた手ぬぐいをすすぎ、正装に身を固めて出発です。
道はあるようなないような。
あるみたい。
やっぱり、ないかな。
ある、かな。
どうにもこうにも、水線に追いやられました。
水線歩きもキビシくなってきました。スマホGPSを確認するとちょうど破線の消失点あたりです。薄い踏み跡をたどって右岸を這い上がります。
這い上がってくると
林道? に出ました。林道の終点です。地形図の破線でもないし常盤林道でもありません。まっ、いいです。
平坦ですがより高みをめざして歩きます。
先ほどの林道? が回り込んできました。せっかくなのでたどります。
石積が見えてきました。常盤林道です。
「ゴール」を過ぎること
2分弱。常盤林道のゴール、終点です。
都県境尾根へ登っていく道はロープが張られて立入禁止になっていました。
ベンチで休憩します。ザックを降ろし、樋で導水されている沢の水で顔を洗い、手ぬぐいをすすぎ、固く絞って広げて2つ折にしてパンパンってやって首に巻きます。ペットボトルに詰めてきたほうじ茶を飲んでぶらぶらします。休憩終了。
林道のどん詰まりの岩の横を抜け、
成木川と名前のわからない涸れ沢の出合から黒山南東尾根に取付きます。
短い植林帯のとんでもなくキツい勾配を登ってきて草木ボーボーへの突入は右に大きく回り込んで回避。
まーまーの草木ボーボーになりました。
と思ったら今度はアセビの幼木ボーボーです。少しでも薄いボーボーを探りながら登っていきます。勾配は相変わらずのキツさです。
這うように登ってきて
780m圏で左から登ってきた小尾根と合流です。
都県境尾根はすぐそこのはず。灌木が覆う岩ゴツ尾根になりました。
長い距離ではありませんでしたが歩きづらい岩ゴツを登ってきて
820m圏で都県境尾根に立ちました。
いつの間にか都県境尾根の登山道を歩いていて
ゆる~く登っていくと
黒山の山頂に到着です。黒山なのに人っ子一人いません。これにて黒山南東尾根はおしまい。山頂には三等三角点が設置されています。標高は842.24m、基準点名は古里(こり)。
次は権次入峠、棒ノ折山(棒ノ嶺)を経て槇ノ尾山から北へ下る仙岳尾根をめざします。その前にベンチでちょっと休憩。

常磐林道をはなれた地形図の破線歩き、黒山南東尾根のダイジェスト動画です。