奥多摩尾根歩き
カラ沢尾根、石尾根

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今回はカラ沢尾根を登り、石尾根を下りました。
カラ沢尾根石尾根の城山と将門馬場(まさかどばんば)の間にあるカラ沢ノ頭から北東に下って日原川とカラ沢の出合に落ち込んでいる尾根です。自身の記録を見るとこれまでカラ沢尾根をちゃんと登ったのは2回、途中を登ったのが1回。今回で4回めになるわけで、ちょっと考えました。「同じルートを歩いてもねぇ」。ということでひねり出した案が「尾根の最下端、日原川とカラ沢の出合からの取付こう」、です。(過去の記録のひとつがこちら→カラ沢尾根
通常のカラ沢尾根のルートは、「タル沢尾根に乗る→カラ沢に降りる→対岸のカラ沢尾根の横っ腹に取付く→カラ沢尾根に乗る」だと思うんですが、古い地図には日原川とカラ沢の出合あたりを横切る道が記載されています。現在の日原橋の70〜80mほど上流に橋が架かっていてそこからの道がずーっと下流に向かってつづいています。この古道をたどればたやすくカラ沢尾根の下端に取付けるんではないか、という目論見です。浅墓でした。
石尾根はとにかく長い尾根でとてもメジャーな尾根です(多分)。あっさりした記録にとどめました。
コース JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→日原川橋→(40分)カラ沢尾根取付→カラ沢尾根→(4時間50分)カラ沢ノ頭→石尾根→(2時間30分)[GOAL]JR青梅線奥多摩駅
(8時間)
歩いた日 2025年6月7日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→日原川橋→(40分)カラ沢尾根取付→カラ沢尾根


東日原バス停を出発して日原川とカラ沢の出合へ、そして岩峰がつづくカラ沢尾根の前半のページです。
結論からというと古道は見つからず。川原に降りてカラ沢出合に近づくことに計画変更です。ほんの数m下の川原に降りるのに数か月の寿命が縮まったと思います。
ようやく取付いたカラ沢尾根は「どうするの」みたいな岩峰が連続します。しのいでしのいで岩峰のてっぺんに立つと「ふー」って声が出る景色が待ち構えていて、、、。

おはようございます。ツバメがビュンビュン飛び交う奥多摩駅前から東日原行きのバスに乗りました。ぎっしり満員です。94.7%が川乗橋バス停で下車。
東日原バス停に到着です。
手ぬぐいと軍手をザックから出し、杖は出さずの準正装で東日原バス停の真ん前の階段を降り、左へぐーっと曲がっていきます。
視線を上げると正面にめざすカラ沢尾根、奥にタル沢尾根が見えます。
草ボーボーの道から日原川沿いの道へ。
危なっかしい足場板の桟道を渡ります。
このあたりに旧日原橋が架かっていたはずですがわかりません。
日原橋を渡ります。揺れます。ちょっと「ヒーッ」ってなります。
タル沢尾根カラ沢尾根へは左へつづく道をたどりますが、橋の突き当りに古道の痕跡を探します。踏み跡らしきものはあるんですがヒトというよりは獣のような。少し左へ歩いて古道らしきものを探したんですが見つからず。戻ってここを登って道を探します。
(上)1980年代後半の地図。(下)現在の地理院地図。丸囲み部分の橋の位置が異なっています。古い地図ではカラ沢出合より日原川の上流側、いまは下流側に架かっています。この古い地図の破線をたどってカラ沢出合にアプローチしようという魂胆です。
登ってきました。石灯籠のように見えるのはかつての水位観測所らしい。いまは完全に川の流れの中に孤立しています。
「これって道?」「違うよね」「いや、でも道に見えなくもないな」などと自問自答しながら崖を回り込んでいきます。
そして小さな谷で道はあっけなく消失。早々に古道をたどる計画は頓挫です。
しようがないので日原川に降りてカラ沢出合をめざすことにします。
谷を埋めた土砂に足を取られまくって下ってきました。土砂に乗るまでもそーとーデンジャラスで肝は5、6度冷えたはず。
川原を歩いてきて
カラ沢出合に到着。文字通りの涸れ沢です。深く切れ込んだ谷が右岸のタル沢尾根と左岸のカラ沢尾根を峻別しています。
カラ沢の左岸、この尾根がめざすカラ沢尾根です。いい面構えです。
さらに上流へ歩いてみたんですが橋の痕跡も古道の痕跡も見つかりませんでした。戻ってきてちょっと休憩。いよいよカラ沢尾根に取付きます。
かなりの急勾配を登ってくると
すぐに尾根をばーんとふさぐ岩崖にぶつかります。じっくり観察。右の岩の切れ目を登ったんですが
切れ目は通れないくらい狭くなるし切れ目のすべすべの岩はほぼ垂直だし、で途中で断念。ダメ元で右に大きく回り込んでいくと
なんとか岩崖の上に這い上がることができました。崖の根元からここまで20分ほどかかりました。
今度は岩崖というよりは岩峰という言葉がふさわしいトンガリ岩が尾根をふさぎます。600m圏です。左は切れ落ちています。右へ。
回り込んできました。振り返って。
岩峰の横っ腹です。這い上がります。
岩峰のてっぺんに立ちました。いや厳密にはてっぺんではありません。あんなとこ立てません。そんなことはともかく心地よい景色です。岩峰の高さは35mほど。けっこう高いです。
日原集落の背後にヨコスズ尾根、左端に稲村岩、その奥にタワ尾根。ペットボトルに詰めてきたほうじ茶を一口飲んで先に進みます。
左はちょっと無理。
右に下っていきます。
回り込み、
登ってきて尾根上に復帰。振り返ると3本の剣先が並んでいました。
振り返るともう1本。この岩峰は4本の剣先の集合体でした。4剣岩峰です。
4本めの剣を越えるとまたまた岩峰です。もう驚きません。
左はちょっと怖いので右へ。
右はもっと怖いのでやっぱり左へ。
この写真だとまるでわかりませんがほぼ垂直の下降です。ほんの2m足らずですが怖いのなんのって。
鞍部に降りると左からそこそこしっかりした踏み跡が登ってきました。650m圏です。
なんとなくフツーの尾根になった風情です。
鞍部でまた左から登ってきた踏み跡と合流。660mあたりです。ここには赤テープがありました。いわゆる通常ルートとの合流点でしょうか。
フツーの尾根じゃないような気がします。
なんか違う。左へ回り込み、
テキトーに這い上がります。
登り詰めると「待ってろ岩峰」と呼ばれているらしい岩峰のてっぺんです。名前の由来はわかりません。690m圏です。東日原バス停で奥多摩駅行きのがバスが発車を待っています。バス停近くの駐車場はほぼ満車です。
ほうじ茶をごくりと飲みます。失礼ながら日原集落に背を向けて(前を向けたらもっと失礼?)ズリ落ちたパンツとズボンの引き上げ作業をしていたら
なにかがポトリと落ち葉の上に落ちました。ぎょっ! sマダニです。パンツかズボンにしがみついていたようです。かわいいお尻(※個人の感想です)を噛まれなくてよかった。
「待ってろ岩峰」をはなれると
すぐに次の岩峰です。
左へ回り込みます。
ちょっと戻ってきました。ここからなら登れそうです。取付いてはみたけれど無理でした。
ストック1本を通過します。
あちらから回り込んできて
這い上がります。
境界杭が刺さった岩峰のてっぺんに出ました。ハルゼミが鳴いています。