奥多摩尾根歩き
黒山南尾根、仙岳尾根

(2/2)


黒山→権次入峠→(35分)棒ノ折山→(15分)槇ノ尾山→仙岳尾根→(1時間20分)名栗湖南岸道路→有間の湧水→有間ダム→(1時間5分)[GOAL]さわらびの湯→ノーラの里・さわらびの湯バス停→西武鉄道池袋線飯能駅


仙岳尾根はヘンな尾根です。てっぺんの槇の尾山から林道大名栗線までは雑木に囲まれた落ち着いたフツーの尾根なんですが、林道を横断すると雑木と植林を分けるとんでもないゴージャスな幅広の尾根がつづきます。あぜ道を歩いていてふと顔を上げると表参道だった、みたいな気分です。なんか違うけど、ちょっと近い。
けれとも、けれともです。有間渓谷観光釣場ゾーンへの着地は危なっかしくてたまったもんじゃありませんでした。

黒山の山頂を辞します。黒山なのに(以下同文)。
穏やかの尾根道のずーっと先に棒ノ折山の平らな山頂が見えます。
権次入(ごんじり)峠に到着。このあたりに標高点が設定されています。ソロハイカーがあちらとこちらのベンチに腰を下ろしていました。みなさん、カタギのように見えますが、実は、なんてこはないですよね。なにせ標高は893mです。アホなことは考えてないで棒ノ折山のの山頂をめざします。
木の根っこ階段であみだくじみたいになっています。
棒ノ折山の山頂に到着。広く平らな山頂の真ん中あたりに969mの標高点が設置されています。
奥の左に見えるとんがったピークは伊豆ヶ岳らしい。ということは先だって歩いた飯能アルプスは右にずーっと下っているあの稜線なのでしょうか。うーむ、良き景色です。
ベンチで休憩します。井村屋の「片手で食べられる小さなようかん 塩」を片手を食べながら「両手で食べる羊羹ってどれくらいの大きさなんだろう」と深い思索に入って眠くなりました。寝るわけにはいけません。まだまだ先があります。
棒ノ折山の山頂を辞します。長沢背稜を歩き、槇ノ尾山をめざします。
棒ノ折山北東尾根への下降点を通過します。来るたびに道ははっきりくっきりしてきているように思います。
道中。新緑というよりはもう深緑です。
棒ノ折山からぐんぐん下ってきたんですがじんわりじんわり登りに転じて
槇ノ尾山の山頂に到着です。
仙岳尾根を下ります。仙岳尾根カタギ尾根という別名があります。そうです。そうなんです。権次入尾根の標高点の標高と呼応しているんです。すばらしいことです。
雑木に囲まれた尾根を下ります。地面は粘土質なので滑りやすくちょっと気を使います。
そこそこの急傾斜を下ってきて大きく息を吐きます。素敵な尾根道です。
会議室の隅に重ねられたパイプ椅子を思い出すサルノコシカケ。
ロープが張られたちょっとした岩場を下ってきて
見晴台への尾根にはロープが張られていて右へ。
大きくトラバース(山腹水平移動)していき、
林道(大名栗線)へ降ります。
林道を左へ1分ほどで尾根のつづきです。「登山道←」と書かれた案内板が木にくくりつけられています。
小さなくの字くの字の道を下ってくると、ばーんと道は広がりました。とてつもなく、ばーん、です。
ばーん、な道はつづきます。防火帯なのでしょうか。
ばーん、かつすごい急降下です。が、右にくの字くの字の踏み跡ができていて急降下をいなしてくれます。
ばーん、がつづきます。
この急降下には道標が立っていて右へ。
正面に見える急降下を大きく巻きます。
巻いてきた急降下を見上げます。
尾根の先にはロープが張られていて
左へ誘導されます。
きれいなくの字くの字で下ってきて
ビシッとした尾根道を歩きます。
尾根筋をはなれて右へ。
びしっとした登山道がつづいています。と、写真を撮ったんですが、
すぐそばのこの木の裏からタヌキが顔を出しました。びっくりしました。シャッターを切ったんですが姿は捉えられず。向こうもそーとーびっくりしたと思います。「ンフゴッ」って大きな威嚇の声を残して登山道をタヌキのくせに脱兎のごとく走りだしました。
姿を追っていると谷の対岸で立ち止まり、なんだかこちらをうかがっている様子。撮影できました。人懐っこいタヌキかもしれません。
タヌキを追うようにずんずん下ってきて
尾根の左右は有間渓谷観光釣場ゾーンになったようです。
先細りの尾根が途中でぼこっと削り取られていますがその先に赤テープがいくつか見えます。尾根の先端は切れ落ちているはずです。尾根をはなれる右の踏み跡を下ることにします。
有間川の川原が見えます。踏み跡はあるものの荒れているうえにとんでもない急降下です。
踏み跡は千々に乱れています。切れ落ちた尾根に向かうそこそこしっかりした踏み跡もあるんですが、
川原の見える方角のあるようなないような踏み跡をたどります。
下ってきて
下るんですが、こう見えてもすんごい急降下です。
ずりずらずらんと川原に降りてきました。仙岳尾根の着地はこんなに大変だっけ。まっ、いいです。これにて仙岳尾根はおしまいです。
下流に木橋が見えたので渡って
道路まで上がってきました。有間川の対岸から仙岳尾根を眺めます。
名栗湖の南岸道路をてくてく歩き、
「有間の湧水」でほうじ茶を割りました。
有間ダム。岩や土砂なんかでつくるロックフィルダムなので見た目は巨大な土手です。
擦り切れた靴下を狙った写真ではありません。「さわらびの湯」の風呂上がりにくつろいでいる雰囲気がそこはかとなく漂う光景、のはずです。
山の神様、地権者の皆様、きょうもありがとうございました。長い長いアプローチからの極短の黒山南東尾根、どこを歩けばいいのか迷いそうな幅広の登山道から有間川へのデンジャラスな下降、きょうも刺激的で楽しい尾根歩きでした。左後頭部が虫刺さりで熱をもって大きく腫れています。そんなことはいいんです。また、よろしくお願いします。