奥多摩尾根歩き
大星沢右岸尾根、ハチザス沢ノ頭東尾根

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今回は大星沢右岸尾根(おおぼしざわうがんおね)を登り、ハチザス沢ノ頭東尾根を下りました。前々回(南沢尾根扁盃川二股中間尾根槇寄山南尾根)は扁盃川の堰堤に杖を忘れてしまい前回は電車の乗り換えで失敗したおかげ(初沢川左岸尾根初沢川右岸尾根で歩けなかった尾根です。
大星沢右岸尾根笹尾根の大沢山(大沢ノ頭)からほぼ真南に大星沢の右岸を下って鶴川に没する手前で鶴川と並行する小さな尾根にぶつかっています。
ハチザス沢ノ頭東尾根は大沢山のちょっと南のハチザス沢ノ頭からほぼ東にだーっと三頭沢(?南秋川?)まで下っている尾根です。以前に下ったことがあります(クマに会った三頭山中尾根を登り、ハチザス沢ノ頭東尾根を下りました)
名前はどちらもテキトーです。
コース JR中央本線上野原駅→[START]原バス停→(15分)大星沢右岸尾根取付→大星沢右岸尾根→(3時間5分)大沢山(大沢ノ頭)→(10分)ハチザス沢ノ頭→ハチザス沢ノ頭東尾根→(1時間35分)奥多摩周遊道路→松坂屋酒店→(30分)[GOAL]仲の平バス停→JR五日市線武蔵五日市駅
(5時間35分)
歩いた日 2024年3月17日(日)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR中央本線上野原駅→[START]原バス停→(15分)大星沢右岸尾根取付→大星沢右岸尾根→(3時間5分)大沢山(大沢ノ頭)


ちょろちょろ水の流れる小さな沢沿いを歩き、取付を探しました。
笹尾根の支尾根は闇雲に歩き回っていますが、南面の尾根はボブスレーのコースみたいに丸く抉れた道がついている印象が強いです。枯れた枝木が溜まったくの字くの字のコースを歩くのはツラいです。幸い、大星沢右岸尾根にボブスレーのコースはありませんでした。グッドです。大茅尾根と合流してからは岩も出現する、この山域ではちょっと珍しい尾根でした。

おはようございます。上野原駅から飯尾(いいお)行きのバスに乗って原バス停で降りました。原バス停は駅から50分ほど、46番目のバス停です(終点の飯尾は50番目)。山に囲まれているけれど丁寧に耕された畑がバーンと広がる明るい山村にポトリと落ちるように立ちました。空っぽになったバスが走り去ります。
立派な木造建物と渾然一体となったバス停。軒先を借りてザックから杖やタオル、軍手を引っ張り出し、ヤッケを脱いで押し込んで準備完了。ポカポカ陽気です。
バスを追いかけるように畑に挟まれた道をゆるく下っていくと大星沢にぶつかります。右へ。かつて大星沢左岸尾根を登ったときと同じ道順です。
すぐに大星沢に架かる経年劣化の激しい木橋が見えてきました。地形図の破線(徒歩道)だと思います(多分、違います)。
踏板を打ち付けている錆びた釘の頭をたどってそろりそろりと渡ります。
破線のある大星沢の右岸に流れ込んでいる支流を探します。踏み跡なの? みたいな踏み跡があるにはあります。
奥に橋らしいものが見えてきました。
橋? な橋ですが、地形図の破線はどうやらここのようです。大星沢を渡るのが早すぎました。ただ、どちらの橋が渡りやすいのかは繊細な判定が必要です。
ちょっとした藪を抜け、
ぐっと乗り上げてぐっと下ると
めざす支流にたどり着きました。と書きましたが、地形図からは谷地形だということしかわからず、水の流れている沢があることは現場で初めて知りました。
左岸にしっかり踏まれた道がありました。破線に違いありません。たどります。
支流の支流にぶつかりました。支流に降り、
支流同士の出合に立ちました。大星沢右岸尾根の最下端です。そこそこ苦労すると思っていたんですが、短くて楽しいアプローチでした。ここから取付きます。
笹薮の中に薄い踏み跡があります。
グググと登っていくと右手からそこそこしっかりした道が登ってきました。支流の支流をちょっとさかのぼるとこの道への登り口があるのでしょう。
登ってきて
登ります。「ゲッ、ボブスレーのコースが始まるのか」と思わせる微妙な凹みのある尾根道です。
尾根の左右に道が分かれます。ここは尾根上一択。
左手はそこそこ切れ落ちていて右手は畑の跡のようです。灌木や枯れ草が日に照らされていました。
炭窯跡を通過し、
畑跡が終わると急登です。どうやらコースはつくられてないようです。
尾根の左側にトタン板が木に引っかかっています。細い鉄棒も何本か刺さっています。とても小屋を建てられる傾斜じゃありません。
さらに登っていくと左手下に散らばったトタン板が何枚か見えました。どうやら小屋の建材ではなく、尾根の巻道に沿って設置されていたようです。
ビシッとした急勾配を登ってきて
ビシッと続きます。
振り返ったらとんがった山が見えました。
空を完全に隠すかなりキビシい勾配になりました。標高760m圏(以降「標高」は省略)です。
顎から汗が落ちてちょっとびっくりしました。今年初です。
空が広がっています。
空に着くと倒木がばらばらと横たわっていました。860m圏です。
左手が植林から雑木になって奥に大茅尾根がちょろっと見えました。
すぐに両側が雑木になり、
左から登ってきた尾根と900m圏で合流。
平坦な尾根歩きが続きます。
バスを降りた原の集落が見えました。
赤テープや境界見出標、赤帽黒杭でちょっと賑やかな909mの標高点あたりを通過します。もちろん、ウェルカムドリンクの1杯もあるわけはなく、
また植林に囲まれました。自前のほうじ茶をグビリと飲み、
空に向かって登ります。
空の先はこんな感じで尾根が続き、
尾根の真ん中に口をひん曲げた木が立っていて
尾根が崩れていて
ちょっと失敗した火焔型土器みたいな木を過ぎ、
960mあたりから石がばらばらとした急登になりました。
右手の手前に大星沢左岸尾根、奥に笹尾根が見えます。
道すがら。先ほど正午の放送が里から流れ登ってきたんですがあまりに短くてびっくりしました。なんの曲かわかりませんでした。ウルトライントロクイズみたいです。
大茅尾根が近づいてきました。大茅尾根と合流すれば大沢山まであと少しです。
じんわりじんわり登っていきます。
登ってきて
左から登ってきた大茅尾根と合流。1230m圏です。
北面に雪が残っていました。
合流してすぐに1237mの標高点です。「大茅」の山名板が木にぶら下がっていました。
あのてっぺんで左右から登ってきた尾根と合流し、
左にくっと曲がります。1240m圏です。大沢山が見えてきました。
大沢山の
山頂直下の急登です。
岩場があったりもします。
ピークです。やられました。偽ピークでした。大沢山はあれです。
また岩がちになって
尾根上に岩がどん、
どん、と現れます。
右手の笹尾根から笑い声や話し声が聞こえてきます。
今度こそ山頂直下の急登です。
またまた岩場もあって
登ってきて
大沢山の山頂(1482mの標高点)に到着。これにて大星沢右岸尾根はおしまいです。
登ってきた大星沢右岸尾根大茅尾根)。
富士山の稜線がちょっと見えました。
次はハチザス沢ノ頭東尾根です。まずは笹尾根をちょっと南下し、ハチザス沢ノ頭をめざします。