奥多摩尾根歩き
榧ノ木尾沢左岸尾根、大麦尾根

(1/2 榧ノ木尾沢左岸尾根)


今回は榧ノ木尾沢左岸尾根(かやのきさわさがんおね)を登り、榧ノ木尾根をだーっと南下して倉戸山(くらとやま くらどやま)を経て、大麦尾根(おおむぎおね)を下りました。いずれも水根沢右岸の尾根で榧ノ木尾根東面の支尾根にあたります。榧ノ木尾沢左岸尾根はテキトーな名付けです。
この2つの尾根は、前回(榧ノ木尾根1462m標高点東尾根藤巻沢右岸尾根)に予定していたものの予想以上の残雪にもてあそばれてしまい歩けなかった尾根です。とくに榧ノ木尾沢左岸尾根はその支尾根に取付いたはいいけれど撤退してしまった尾根で、今回はなんとしても登りたい尾根です。
大麦尾根は何度か下ったことがあるんですが、「見はらしの丘」のフェンスが改築されたという話を聞いてからは歩いていません。フェンスに扉があるとかないとか、扉の通過にはとても時間がかかるとか、行ってみないことにはわかりません。行ってみて大変な目にあってしまいました。
コース JR青梅線奥多摩駅→[START]滝のり沢バス停→水根沢林道→(1時間40分)榧ノ木尾沢左岸尾根取付→榧ノ木尾沢左岸尾根→(2時間10分)榧ノ木尾根1420m圏→(45分)倉戸山→(25分)大麦尾根下降点(950m標高点)→大麦尾根→(55分)見はらし丘→(15分)[GOAL]奥多摩湖バス停→JR青梅線奥多摩駅
(6時間10分)
歩いた日 2023年2月21日(水)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

R青梅線奥多摩駅→[START]滝のり沢バス停→水根沢林道→(1時間40分)榧ノ木尾沢左岸尾根取付→榧ノ木尾沢左岸尾根→(2時間10分)榧ノ木尾根1420m圏


榧ノ木尾沢左岸尾根の下端はあまりの勾配で取付けそうになく、支尾根から登ることにしました。雪のため撤退した前回と同じルートです。今回は雪はまったく消えていました。初っ端のちょっとした崖登りが終わるとザレてグズグズの急登が続きます。本尾根と合流するととたんにおだやかな尾根になり、晴れ渡った空を見上げたり、遠くの山並みを眺める余裕も。この山域には珍しく、最初から最後まで雑木に囲まれた尾根でした。

おはようございます。奥多摩駅前から小菅の湯行きのバスに乗り、滝のり沢バス停で降りました。バスは次の水根バス停を目指して走り去り、
バス停のスペースでバンを囲んで交通誘導の準備をするおじさんたちに混じって杖や軍手をザックから引っ張り出し、道路反対側の坂道を登ります。
水根新道という古道を登り、奥多摩むかし道に合流し、
林道水根沢線(以降、林道)のゲートに着きました。
あとで下る大麦尾根が見えているんだと思います。
車はここまで、の場所に3台の軽バンがとまっていました。林道周辺の山域で間伐や枝打ちが行われているようです。安全旗に山仕事の意気込みを感じます。
林道の雪はすっかりなくなっていました。切り替え画像は前回(2023.2.12)の同じ場所。
アシダキ沢にぐーっと入り込み、
水根沢に戻ってきて桟道を渡り、
榛ノ木沢を渡ります。
水根沢の対岸に榧ノ木尾沢らしき流れが見えました。細くて傾斜のキツい流れです。切り替え画像は精一杯の望遠での撮影。中央の水色が榧ノ木尾沢だと思います。
白飛び画像でなんだかわかりませんが榧ノ木尾沢左岸尾根が見えてきました。取付ける気がしません。
ワサビ田跡に流れ込む大堀沢を渡ります。
木橋を渡って角度を変えて榧ノ木尾沢左岸尾根を見ますがやはり取付ける気がしません。
上流に進み、前回撤退した尾根が見えてきました。
尾根を眺めながら
先に進みます。ぐるーっと回り込んで、
水根沢に架かる木橋を渡った地点から取付きます。
木橋を渡りました。杖をザックと背中の間に挟んで背負い、左の苔の生えた岩場をめざして登ります。
登ってきました。この岩の割れ目から尾根に乗れそうですがその先が読めません。
岩稜の基部に沿って登ることにしました。岩の角や立木をつかみながらの急登です。
もう少しで尾根の上です。
あちらから登ってきて尾根に乗りました。右上に木橋が見えます。
尾根の反対側。サーーーッと、あっという間に水根沢に降りられます。
大岩にぶつかりました。岩を登るか回り込むか、しばらく迷いました。登るのはちょっと怖いです。回り込むことにしました。
回り込み、最後の数mは這ってなんとか尾根に復帰。
アセビに囲まれたヤセ尾根です。
アセビのヤセ尾根はすぐ終わり、
明るくのびやかな尾根になりました。写真ではわかりませんが、そこそこの急登です。
そこそこというよりかなりの急登です。登ってきて
登ります。ゆるやかにねじれた地形になりました。上のほうで左から登ってくる榧ノ木尾沢左岸尾根の本尾根と合流しそうです。
急登なうえに足元はザラザラのズルズルです。
右手に見えた岩場のほうが楽そうなので進路変更。
岩場はすぐに終了。楽だったのか、微妙。
右から登ってくる尾根も合流しそうです。
あいかわらずの勾配を登ってきて
右にぐにゅっと曲がっていきます。
登っていくと
尾根上だったはずが左右の尾根に挟まれた谷地形になり、
標高1110m圏(以降、「標高」は省略)で左右から登ってきた尾根と合流し、ようやく榧ノ木尾沢左岸尾根を歩くことになりました。左手に榧ノ木尾根が見えます。
尾根が合流すると尾根相はガラリと変わり、
勾配もゆるみ、おだやかな尾根歩きになりました。
いい天気です。
左手の深い谷は榧ノ木尾沢です。流れは見えず音も聞こえません。
おだやかな尾根歩きが続きます。そういえば最近、「鄭衛桑間(ていえいそうかん)」という言葉を目にしました。鄭、衛、桑間は中国の春秋時代の地名で、国を滅ぼすような下品で淫靡な音楽のことをいうらしい。国を滅ぼすほどの音楽っていったいどんな音楽だったんでしょう。興味あります。聞いてみたいものです。そんな曲を鼻歌で歌ってみたいものです。どーでもいいか。
左手の榧ノ木尾根
右手の石尾根
尾根は左に心地よく曲がっていきます。

1250mあたりの尾根歩き。
1260mあたりに頭の欠けた標石が埋まっていました。榧ノ木尾沢左岸尾根で見た初めての人工物です。
右下からゆるやかに登ってきて
ゆるやかに登っていきます。
1330mあたりで左から登ってきた尾根と合流。
北面のわずかな残雪と榧ノ木山。
登ってきて、と振り返ると植林を背負った前回に登った榧ノ木尾根1462m標高点東尾根が見え、
さらに登ってきて
空がすぐ近くに広がると
榧ノ木尾根の登山道にぶつかりました。1420m圏です。榧ノ木尾沢左岸尾根2つめの標石が埋まっていました。これにて榧ノ木尾沢左岸尾根はおしまいです。
これといってすることもないのですぐに榧ノ木尾根を南下し、大麦尾根をめざします。