奥多摩尾根歩き
榧ノ木尾根1462m標高点東尾根、藤巻沢右岸尾根

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今回は榧ノ木尾根(かやのきおね)1462m標高点東尾根を登り、藤巻沢右岸尾根を下りました。どちらも水根沢右岸の尾根で榧ノ木尾根東面の支尾根です。テキトーな名付けです。
水根沢右岸の尾根はいくつか歩いたことがあるんですが、今回はこれまで歩けていない尾根を拾ってあーだこーだとルートを考えました。けれどもそんな目論見は残りすぎた残雪に打ち砕かれ、4つの尾根を歩くはずが2つになってしまいました。
手がかり足がかりを雪に隠され岩崖から撤退し、チェーンスパイクにくっつくソフトボール大の雪団子を蹴り飛ばしながら急登にあえぎ、西風にあおられながら凍えた軍手を汗のにじむ額におしあて「あー、しんど」とかつぶやいて歩いていると、なんだかとても晴れやかな気分になるのは不思議です。
コース JR青梅線奥多摩駅→[START]水根バス停→水根沢林道→榧ノ木尾沢左岸尾根撤退→(3時間30分)榧ノ木尾根1462m標高点東尾根取付→榧ノ木尾根1462m標高点東尾根→(1時間)1462m標高点→榧ノ木尾根→(1時間10分)藤巻沢右岸尾根下降点(1250m標高点)→藤巻沢右岸尾根→(1時間20分)水根沢右岸中腹道→水根集落→(40分)[GOAL]水根バス停→JR青梅線奥多摩駅
(7時間40分)
歩いた日 2023年2月13日(日)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線奥多摩駅→[START]滝のり沢停→水根沢林道→榧ノ木尾沢左岸尾根撤退→(3時間30分)榧ノ木尾根1462m標高点東尾根取付→榧ノ木尾根1462m標高点東尾根→(1時間)1462m標高点


榧ノ木尾根1462m標高点東尾根は名前は長いけれど短い尾根です。短いけれどそれなりの緩急があったりするんですが左手に雑木が見えてくるともうすぐてっぺんです。短いからと30分ほどのコースタイムを考えていたんですが、雪に足を取られたり体力不足だったりで1時間かかってしまいました。そこそこ苦労して登ったんですが、正直なところ、前半のハイライトは榧ノ木尾根1462m標高点東尾根より撤退した榧ノ木尾沢右岸尾根(テキトーな名付け)でした。

おはようございます。奥多摩駅前から小菅の湯行きバスに乗り、滝のり沢バス停で降りました。朝日に照らされて奥多摩湖に向かうバスを見届け(る必要はないんですが)、
道路の反対側の坂道を登り、
水根新道という道を歩き、
小さな滝を越え、
「奥多摩むかし道」に合流し、左の奥多摩湖方面へ。
「青目立不動尊(あおめだちふどうそん)休み処」の裏なのか横なのかの道を通り、「水根林道」の道標で左に折れると、
日陰にどさっと雪が積もっていました。
民家の屋根越しに奥多摩湖がちらりと見え、
林道水根沢線(以降、林道)のゲートです。
林道をてくてく歩き、車はここまで、の地点に到着。ゲートから約20分でした。ザックから杖と軍手を引っ張り出して準備完了。先に進みます。
すぐに崩落地を高巻き、
こんな道を歩きます。
思わず撮ってしまいました。
『八つ墓村』? 水根沢に向かって下る道にロープが張られていました。整備された立派な道です。
桟道や木橋をいくつか渡りますが、滑りそうでかなり緊張します。
榛ノ木沢(はんのきさわ)を渡ります。
水根沢の小さいけれどきれいな滝が見えると、
すぐにワサビ田跡を左手に見ながら大堀沢(おおほりさわ)に架かった木橋を渡ります。いや、見ながら渡るとかなり危険です。足元を見るのが吉。
橋を渡って少し先で振り返っての撮影。実は榧ノ木尾根1462m標高点東尾根を登ったあと、この榧ノ木尾沢左岸尾根を下る計画でした。けれども、うーん、ここを下ってくるのはいかがなものか、雪がなければなんとかなるかも、うーん、林道を先に進みながら
榧ノ木尾沢左岸尾根を観察します。これは榧ノ木尾沢左岸尾根の支尾根にあたる尾根。うーん、雪がついた急勾配の山肌に腰がぐーんと引けます。
さらに支尾根を回り込みます。うーむ。
岩崖を登ったとしてあのとんがった大岩をいなすことはできるのか、などと思いながらゆっくり歩いていると
林道は木橋で水根沢の対岸に渡ります。んっ、この正面ならなんとかなりそう。下るのはやはり怖そうだけれども登るのならなんとかなるんじゃないか、ということで計画を変更。榧ノ木尾根1462m標高点東尾根はやめにして榧ノ木尾沢左岸尾根を登ることにしました。
木橋を渡り、とんがった大岩を越えたあたりをめざして取付きます。苔のついた石のガレ場でしょうか。慎重に足場を選べばズリズリと滑ることはありません。
ただ、落ち葉の厚い場所はよく滑ります。登ってきて
登ります。
右下から登ってきて、急勾配を避け、左に曲がって尾根に立ちました。残ながらとんがった大岩を越えられませんでした。
尾根の反対側。足がすくみます。この後、ヤセた岩稜を登り、とんがった大岩を回り込むことはできたんですが、尾根に復帰しようとしたところでどうにもこうにも手がかり足がかりを見つけらませんでした。残念無念。撤退します。写真を撮る余裕は心身ともにいっさいありませんでした。
撤退中。振り返って。ぐーっと右に回り込んでいったんですが尾根に乗ることはできませんでした。正面の岩を右回りに登ったほうが楽だったかもしれません。
木橋までもうすぐです。
予定通り榧ノ木尾根1462m標高点東尾根を登ることにします。時間(50分ほど)と体力(そこそこ)をかなり使ってしまいました。とほほ。林道を先に進みます。
水根沢はずいぶん低くなり、三本欅ノ沢(さんぼんけやきのさわ)の上流に向かって左へぐーっと入り込み、
三本欅ノ沢に架かる木橋を渡ります。
林道を登ってくると
名前のわからない沢を渡り中。
くの字くの字でぐんぐん高度を上げていきます。
めざす榧ノ木尾根1462m標高点東尾根が見えてきました。
標高1250m圏(以降、「標高」は省略)の榧ノ木尾根1462m標高点東尾根の上には小屋が建ち、道標の「鷹ノ巣山」がビシッと小屋を指していました。
榧ノ木尾根1462m標高点東尾根は小屋の裏にのびています。今さら、のような気がしないでもありませんが小屋の前でチェーンスパイクを履き、出発します。
登ってきて
登ります。茫とした地形で尾根の形は判然としません。傾斜はそれほどキツくないんですが雪に足を取られながら
もぞっ、もぞっと登ってきて
短い尾根ながら、あのポコリとしたピークで右から登ってきた尾根と合流するという小技を見せたりもします。
傾斜がじんわりキツくなっているのか足腰の疲労なのか、体の移動速度がやけに遅く感じます。チェーンスパイクにくっつく雪玉もやっかいです。
雪玉を蹴り飛ばしながら登ってきて
左手が雑木になって明るい雰囲気なると力が湧いてくるような気がしなくもなく、
大岩を横目で見ながら通過すると
青い空が弧を描いて見えるようになりました。
登ってきて
榧ノ木尾根に立ちました。左手に道標が見えます。
この道標のあたりが標高点1462mのようです。これにて榧ノ木尾根1462m標高点東尾根はおしまいです。
標高点1462mの到着予定時刻を1時間20分ほど超えています。予想以上の雪だし、さて、と思いわずらうことなく、当初の計画では4つめの尾根だった藤巻沢右岸尾根を下って今回はおしまい、とすることにしました。1250mの標高点をめざして榧ノ木尾根を奥多摩湖に向かって下ります。