奥多摩尾根歩き
カマクラ谷尾根、ジゴク谷尾根

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今回はカマクラ谷尾根を登り、ジゴク谷尾根を下りました。どちらの尾根もてっぺんは丹波山村の鹿倉山(ししくらやま 丹波山村)のちょっと北にある標高1257m圏です。シロヨシ山という山のピークかもしれませんがよくわかりません。
カマクラ谷尾根の下端は保之瀬集落の東のはずれあたりで丹波川に没しています。カマクラ谷の左岸尾根なのでカマクラ谷尾根と名付けました。テキトーです。
ジゴク谷尾根の下端は保之瀬集落の東のはずれのはずれで丹波川に没しています。ジゴク谷の左岸尾根です。これまたテキトーな名付けです。
ふたつの尾根の位置関係はカマクラ谷の左岸と右岸で、前回に下ったマメトチ窪尾根の東隣がカマクラ谷尾根、その東隣がジゴク谷尾根、ということになります。ってしつこいような気がしますが、まっ、一応。谷の名前はいずれも『奥多摩 登山詳細図(西編)』(吉備人出版)によります。
コース JR青梅線奥多摩駅→[START]保之瀬バス停→保之瀬集落→(20分)カマクラ谷尾根取付→カマクラ谷尾根→(2時間10分)1257m標高点(シロヨシ山?)→ジゴク谷尾根→(1時間40分)ジゴク谷尾根下端→(20分)保之瀬集落→[GOAL]丹波バス停→JR青梅線奥多摩駅
(4時間30分足すブラブラ約2時間)
歩いた日 2022年6月12日(日)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線奥多摩駅→[START]保之瀬バス停→保之瀬集落→(20分)カマクラ谷尾根取付→カマクラ谷尾根→(2時間10分)1257m標高点(シロヨシ山?)


カマクラ谷尾根は前回に歩いたマメトチ窪尾根の東隣の尾根です。取付までのアプローチに不安がありましたが意外とすんなりカマクラ谷尾根にたどり着きました。カマクラ谷尾根は急登に急登が続き、まだ続きました。1082mの標高点を過ぎるとようやく楽ちんな尾根歩きに。と思ったらてっぺんちかくになるとまた急登。けれども新緑にまみれにまみれての尾根歩きは痛快、爽快そのものでした。

おはようございます。奥多摩駅から丹波行きのバスに乗って保之瀬バス停で降りました。バスは写真のほぼ中央を走り去っています。
柔らかい大きなくの字くの字で保之瀬集落までグググググーッと下っていきます。『奥多摩 それを繞る山と渓と』(田島勝太郎 著 山と渓谷社 昭和10年)には保之瀬集落について「國志には鵬ノ背の文字を使つてある。かうなると名は如何にもエラさうであるが、気の毒な位恵まれぬ場所だ。冬の間は正午頃になって漸く太陽を見、三時頃には既に日影となって仕舞ふ。左岸の高い道から見下ろした冬の景色は誠に寒さうである。左岸は南向きで現に村のある所よりも余程暖かく、日も亦長く當るのであるが、耕地の少ない山村の常として、最良の場所を畑地に捧げて、人は寒い場所に住んでゐる。然も出来る所のものは栗、玉蜀黍か豆に過ぎぬ。蠶の安い今日誠にミジメなものだ。」(264ページ)と書かれています。まるで恨みでもあるかのような書きっぷりです。保之瀬で財布でも落としたんでしょうか。保之瀬を慰めるわけではないけれど、この著者は皮肉っぽい記述があちらこちらで見かけられます。こんな書き方はザラです。
中央とその奥の尾根がこれから登るカマクラ谷尾根と下るジゴク谷尾根です。多分。
丹波川に架かる下保ノ瀬橋を渡ります。
丹波川の下流方向。梅雨らしくなんとなく重々しい流れです。
橋を渡って道なりに進み、集落へは入らずに左に戻るように登る坂道へ。
ガードレールやフェンスやトラロープに守られたしっかりした道が続きます。マメトチ窪尾根を歩いたときは右の道から下ってきました。
どんどん進むと集落から離れた人家が見えてきました。手入れされた畑も斜面に広がっています。
小さな橋で
マメトチ窪を渡ります。地形図に5つ並んだ堰堤のいちばん下の堰堤が見えました。
左下に人家や畑を見ながら進みます。あの伐採地と植林の境がカマクラ谷尾根です。
なんなくすんなり取付くことができてちょっと拍子抜けです。
道は丹波川沿いに続いています。ジゴク谷尾根を下ってこの道の先に着地できればバッチグーです。
これはカマクラ谷尾根の下方。なだらかに下って丹波川にひたっています。
登ります。古い石組みが残っていたり崩れていたりするちょっと荒っぽい場所を通過します。
そーとーな勾配を登ってきて
登ります。左右から小尾根がにじり寄ってきます。
ヘビが通過します。
左右からの尾根と合流し、雑木に囲まれた尾根になりました。急登は変わらずです。
新緑にまみれながら
登ってきて
登ります。
標高900m(以降、「標高」を省略します)あたりで急登に岩が混じり、
すぐに岩は消え、急登は残り、
山肌はザレ気味になってズルッとなりやくなって
取っ手みたいな木の根っこは大助かりです。
1010mあたりで左右から登ってきた子尾根と合流。アセビが目立つようになりました。
合流してすぐ、尾根はヤセ気味に。
またまた左右から登ってきた尾根と合流するとさっぱりした雰囲気になってとてもなだらかになりました。1070m圏です。
1082mの標高点を通過します。なんというか、あっさりした標高点です。
標高点を過ぎると尾根はブワッと広がりました。おだやかな尾根道が続きます。
寝床跡なのかヌタ場跡なのかを通過します。
あの上で空が広がっています。稜線は近そうですが急登再びです。
登ってきて
登ります。稜線はちっとも近くありませんでした。テキトーなくの字くの字で登ります。
登ってきて
ようやく鹿倉山(ししくらやま)に続く稜線上の林道に出ました。
林道を左(東)へ進み、途中から林道をはずれて1257mの標高点(シロヨシ山?)に続く尾根に移ります。
すぐに1257mの標高点に到着。これにてカマクラ谷尾根はおしまいです。シロヨシ山の山名板などは見当たりません。先週もここに立ったんですが、それらしきものはないように思います。切り替え画像は前出の『奥多摩 それを繞る山と渓と』に掲載されている地図です。うーむ。これで位置特定は無理。
ザックを降ろし、ペットボトルに詰めてきたほうじ茶を飲みながら休憩します。低めの気温に汗がスーッと引いていきます。下るジゴク谷尾根はあちらの方向です。尾根をグッと睨んで気合を入れたいところですが見えるのはヤブばかり。いまひとつ気勢が上がりません。