今回は入沢右岸尾根を登り、マタド沢左岸尾根を下りました。前回の「マンナリ沢左岸尾根、ダイコン沢左岸尾根」同様、いずれも檜原村の背骨みたいな浅間(せんげん)尾根から南に下っている尾根です。沢の名前は『奥多摩』(宮内敏雄 昭和刊行会 昭和19 国立国会図書館蔵 )の「甲武相国境山稜その二」(98ページ)によりますが、尾根の名前はテキトーです。
入沢右岸尾根は檜原村上川乗あたりで南秋川の左岸に流れ込んでいる入沢という沢の右岸を浅間尾根の入沢山までせり上がっている尾根です。
マタド沢左岸尾根は浅間尾根の東端に近い701m標高点から檜原村柏木野あたりで南秋川の左岸に流れ込んでいるマタド沢という沢の左岸を南に下っている尾根です。
※「標高」は省略しています。

入沢右岸尾根、マタド沢左岸尾根
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| ■コース | JR五日市線武蔵五日市駅→[START]上川乗バス停→(5分)入沢右岸尾根取付→入沢右岸尾根→(2時間50分)入沢山→浅間尾根→松生山→払沢ノ峰→内蔵ノ助山→(1時間25分)701m標高点→マタド沢左岸尾根→(50分)またどはし(檜原街道)→(5分)[GOAL]柏木野バス停→JR五日市線武蔵五日市駅 (5時間15分) |
| ■歩いた日 | 2025年12月13日(土) |
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。
■JJR五日市線武蔵五日市駅→[START]上川乗バス停→(5分)入沢右岸尾根取付→入沢右岸尾根→(2時間50分)入沢山
入沢右岸尾根は檜原街道からほぼダイレクトに取付くことができました。
初っ端は植林内のキッツい急登だったけれども、471m標高点のピークに登り詰めた先は半植半雑のヤセ気味の尾根がゆるやかに登ったり下ったりを繰り返します。
楽しい尾根ですが、ややヤセ尾根が終わったとたんにザレッザレッの蟻地獄みたいな急登が始まり、踏んでも踏んでも高度は上がりません。ちょっぴり岩稜あったりもして、そんなこんなの芸達者な尾根です。
最上部はマンナリ沢左岸尾根と合流しててっぺんの入沢山に着きます。
おはようございます。武蔵五日市駅前から数馬行きバスに乗り上川乗(かみかわのり)バス停で降車しました。対向車線の待合所で手ぬぐいを首に巻き、杖を伸ばし、軍手をはめ、檜原街道を引き返します。
引き返して5分足らず、Googleマップのストリートビューで当たりを付けていた取付点に到着。擁壁の坂道を上り、
お墓の横から入沢右岸尾根に取付きます。
すんごい傾斜を登ってきて
ややゆるやかになって
登り詰めると471mの標高点です。とくになにもございません。落ち葉が厚いです。ザックを降ろし、チェーンスパイクを履き、ダブルカフェラテをぐびぐびと飲みました。
標高点から先はぐっと絞られ平坦な尾根がつづきます。
マンナリ沢左岸尾根の703m標高点が朝日に照らされています。
こんなヤセ尾根がつづく素敵な尾根です。
左はタル沢、右は入沢に降りていく(多分)道が尾根を横断します。
地形図ではわからない小ピークからの降下です。いくつも小ピークを登っては下って少しずつ高度を上げていきます。
尾根上にはそこそこしっかりした道というか踏み跡があるんですが、
荒々しい
岩稜もあって
直登はできずに危なっかしいテラスをたどって
登ってきたりもします。
岩稜を通過するとちょっとキツい登りです。
右手に浅間尾根の松生山(まつばえやま)が見えます。
ややヤセ尾根がつづきます。
639mの標高点あたりを通過します。なにもございません。
尾根は広がってきました。
すごく広がりました。640m圏です。
キツい勾配になりました。
登ってきて
這うように登ります。
落ち葉を掃いた下は絵に描いたようなザレです。岩が細かく砕かれたのか土が小さく固まったのか、意識せずに足を載せるとチェーンスパイクを履いていてもズーーッて滑ってしまいます。数少ない立木や倒木を手がかかりに登ります。
蟻地獄みたいな山肌ももう少しで終わりです。
登ってきて
760m圏で左から登ってきた尾根と合流し、シンドいザレ尾根は終わりました。やれやれです。
ゴニョゴニョしたログにザレ尾根の苦登が現れています。(©地理院地図)
ザレ尾根の後は平坦な尾根がつづきます。
道中。左手からマンナリ沢左岸尾根が近寄ってきます。
枯れの造形。
830m圏で予定していた寄り道をします。地形図をめいっぱい拡大してみると赤い四角の「普通建物」記号がありました。こらがいったいどんな建物なのか見てみようと思ったんです。
うろうろ探して「これかな」と思ったのがここです。建物はありません。痕跡も見当たりませんが平地だし向きは南東で日当たりはバッチグー。林道入沢線も遠くはありません。いまは平地の隅がヌタ場になっています。「うん。ここ」と自分を納得させて尾根歩きに復帰します。
※後日談 ログを確認してみると「普通建物」記号を歩いていませんでした。とほほ。位置の誤差があることは国土地理院も表明していることではあるんですが、今回の場合はどうなんでしょう。(©地理院地図)
空が広がってきました。
左から登ってきたマンナリ沢左岸尾根と合流。870mあたりです。
尾根は右にぐーっと曲がっていき、
なんともおだやかな尾根歩きです。
「多摩森林育成事業入沢都行造林地」の看板を通過します。
8時の方向に富士山が見えました。って見えてないですね。
浅間尾根の登山道にぶつかり、
すぐに「入沢山 930m」の山名板です。これにて入沢右岸尾根はおしまいとします。
北方角です。右に御前山、奥に鷹ノ巣山や雲取山が見えます。
左に御前山、右に大岳山。
南方角です。よくわかりません。
同じく。ザックを降ろしてちょっと休憩。次はマタド沢右岸を下ります。701mの下降点をめざして浅間尾根を東へずーっと歩きます。