奥多摩尾根歩き
聖尾根、小幡尾根

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1165m標高点の手前→1307m標高点→高根→三門の広場→(4時間)熊倉山→小幡尾根→996m標高点→(1時間40分)熊倉山登山口→林道熊倉線→(50分)[GOAL]秩父鉄道白久駅


聖尾根の後半と小幡尾根です。
聖尾根の後半に3つの崖が断続的に現れます。いずれもロープが下がっていますが、これがちょっと古めのものやかなりそーとーめちゃくちゃ古かったり、崖そのものだけでなくロープを握るのにも神経を使います。3つめの崖はいろいろな余裕がなくて巻きました。ちょっと心残りではあります。
小幡尾根は予想通りの激しい急降下の連続でした。下り始めに道がわかりづらいところもあり、こちらもなかなかキビシい尾根でした。

アセビ尾根を抜けると
バーンと岩が尾根に立ちふさがっていました。1010mあたりです。ロープが2本垂れているのが見えます。
岩の隙間に足を突っ込んで岩の出っ張りを手足で探りながら
登ってきました。
黒黄の色がまだ残っているトラロープをつかみながら岩の角を越えました。粘土質の山肌を斜上します。
見上げるとまだまだキツい登りがたっぷり残っています。
岩の上に這い上がりました。先ほど越えた802mの標高点が見えます。
遠くの山並み。両神山はわかるんですが、かつて歩いた和名倉山なんかは見えているんでしょうか。
遠くの山並み。前の写真より少し右。
先に進みます。
1060m圏で右から登ってきた尾根と合流し、
穏やかな尾根歩きになり、
尾根はかなり広がりました。
1165mの標高点だと思われる場所を通過します。あるのは藪のみ。
ヤセと言うかとんがり気味の尾根になり、
フツーのヤセ気味の尾根になりました。聖尾根の尾根相はころころ変化します。
樹間の眺め。正面は霧藻ヶ峰という山のようです。尾根のせり上がりがグッときます。
樹間の眺め。どこが見えているのでしょう。
とんがった尾根の右下の巻道をたどっています。
尾根上はどんなふうなのか、ちょっと登ってみました。秩父盆地が一望できました。1170m圏です。尾根上は歩けそうにありません。巻道に戻ります。
ちょっとデンジャラスな下降点です。3か所くらい下れそうな場所がありましたが、「お好みでどうぞ」という雰囲気ではありません。
エネルギー不足になりそうなので岩稜の途中で「栄養ぎゅっと一食分 バランスオンminiケーキ」をかじります。これはほぼ1年もの。ザックのポケットの底の底で寝かせていました。
アセビ尾根に突入し、
SLの汽笛らしい音を聞きながらヤセ尾根を登っていくと、
1250mあたりで尾根にバンと立ちふさがる2つめの岩です。1つめに比べるとちょっと楽そう。
ここにも危なっかしい雰囲気のロープが垂れています。色の濃いロープのほうをバランスを取る程度につかんだりつかまなかったりしながら這い上がります。
登ってきて
岩に沿ってトラバースします。
足元はしっかりしています。
岩を登り終え、穏やかな尾根道をてくてく、
てくてく歩いて1307mの標高点あたりを通過します。
まだてくてく歩けます。
ロープの向こうに本日初の道標が見えてきました。高根という場所らしいです。
あらゆる方向にロープが張られています。とりあえず高みを目指します。
大きな階段状の岩を登り、
グーッとせり上がった尾根の先に
3つめの岩です。ドカーンと尾根に立ちふさがっています。J字形に垂れているロープが見えます。この岩には巻道があります。20秒ほど思案。登って登れないことはなさそうなんだけれど、時間は大丈夫か? コースタイムの超過はたまりにたまってきています。体力もかなり消耗しています。
岩の右に踏み跡がのびています。後髪を引かれるような、誰かが背中を押すような。巻きます。
巻くといってもただひたすらまっすぐ、とんでもない急登です。
巻き終え、岩の上です。絶景です。
登ってきた聖尾根です。ちょっと休憩。
おだやかな尾根歩きが続き、
ロープの張られた三門の広場と書かれた道標を通過します。
三門の広場を過ぎるとグニャグニャした地形になって尾根筋がはっきりしなくなりました。とりあえずテキトーに高みを目指します。
尾根の形がはっきりしてきてえっちらおっちら登っていくと
これまたロープの張られた熊倉山の山頂に到着です。
熊倉山の山頂には三等三角点があります。標高は1426.50m、基準点名は蝉。双耳峰とも言われる蝉笹山(せみざさやま)はすぐ南にあります。ここから先は酉谷山(とりたにやま)から熊倉尾根を下ったときに歩いたことがあります。
三角点の先の祠に黙礼。
ペットボトルに詰めてきた麦茶がなくなったのでザックの中から水入れを出して補充。ついでに『山と高原地図22 奥武蔵・秩父』(昭文社)も引っ張り出して下山路のコースタイムを確認。どうやら日没との競争になりそう。最後に熊倉山山頂を眺め、
小幡尾根を下ります。道標の「白久駅に至る (城山コース)」です。
いい雰囲気の道ですが、そーとーな急降下だらけです。
こんな道標がコース上に立っています。
ズヒャーと下って
ドヒャーと下って
こんな尾根から
空から落ちてきて突き刺さったような巨岩を通過します。
1210m圏の道標。「る」のその先、切り取られたその先のロープの先はどこに行くのでしょうか。
などと思いにふけっている場合ではなく、日は傾き、1238mの標高点をズダゴラザッザと通過します。
1220mあたり。左に地形図の破線(徒歩道)が下っている道標を通過します。
グングン下ってきたんですがこんな登りもあります。
道標ではないけれど、こんな看板がさりげなくルートを案内してくれたりもします。
下ってきて
細い木が密生した尾根になりました。
またこんな登りに出くわしてなかなかペースは上がりません。
ちょっぴりヤセ尾根になったりしながら下っていき、
996mの標高点あたりには道標が立っていました。
940m圏の道標を通過します。地形図では破線が左に下っています。それらしい踏み跡があるようなないような。
ずーっと、ゆるーい傾斜のくの字くの字で下っていきす。尾根はずいぶん広がりました。
道すがら。
くの字くの字の勾配がキツくなってきました。
「城山コースNO.13」の道標で長かったくの字くの字は終わります。
スーッとのびた尾根道を下り、
林道が見えてきました。
熊倉山登山口です。これにて小幡尾根はおしまいとします。実は、当初はここから城山を経由して白久駅に向かうつもりだったんですが、そんなことをすれば日没必至なので林道(林道熊倉線)を歩くことにしました。
白久駅まで3.5キロ。城山に向かう道を分け、
下ってきた小幡尾根を振り返り、
林道をてくてくてくてくと下ります。
熊倉林道の終点を過ぎ、「熊倉山登山口 白久(林道)コース」への道を分け、
きれいな薄い月を撮ったつもりが写ってなかったりして、
白久駅に着きました。杖をザックにしまったりマスクや切符を出したり、待合室のSLのポスターなんかをじっくり見て、自転車を持ち込める「サイクルトレイン」の時刻表を見たり、駅前広場の左右にある自動販売機を文字通り右往左往して品定めをしたり、ふと思いついて靴紐をゆるめたりしていると時間は過ぎて、
電車がやってきます。
山の神様、地権者の皆様、きょうもありがとうございました。かなりデンジャラスな場面もありましたが無事に下山できました。感謝です。また、よろしくお願いします。