奥多摩尾根歩き
聖尾根、小幡尾根

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今回は遠征です。秩父の聖尾根(ひじりおね)を登り、小幡尾根(おばた?こはた? おね)を下りました。
どちらの尾根もてっぺんは熊倉山(くまくらやま)。聖尾根は北に下り三峰口駅近くの荒川に没しています。小幡尾根は北東に下って熊倉山の登山口が下端なのか、さらに城山(じょうやま)から北に下って白久(しろく)駅近くの荒川に没する地点が下端なのか、よくわかりません。今回は熊倉山の登山口まで下り、林道をたどって白久駅まで歩きました。
聖尾根はデンジャラスな崖やとんでもない急登が立ちふさがるハードな尾根のよう。先達の登攀記録がネット上にたくさんあります。ルートの状況を知り、ココロの準備をするのにおおいに参考にさせていただきました。
小幡尾根は登りと下りのコースタイムがかなり違います。なかなかの激下りのはず、などとイメージしての出発でした。
コース [START]秩父鉄道三峰口駅→三等三角点(622.64m 白久) →(2時間40分)聖光岩(725m標高点)→お聖山(802m標高点)→1165m標高点→1307m標高点→高根→三門の広場→(4時間)熊倉山→小幡尾根→996m標高点→(1時間40分)熊倉山登山口→林道熊倉線→(50分)[GOAL]秩父鉄道白久駅
(9時間10分)
歩いた日 2022年10月1日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

[START]秩父鉄道三峰口駅→三等三角点(622.64m 白久) →(2時間40分)聖光岩(725m標高点)→お聖山(802m標高点)→1165m標高点の手前


聖尾根は初っ端の急登に始まって急登が続いてようやくおだやかになったと思ったら垂直に限りなく近い崖登りがあって、そうれはもう、なかなかキビシい尾根でした。
このページは聖尾根の途中まで。崖はまだです。聖光岩やお聖山へのとんでもない急登やヤセ尾根を歩き、ボロボロのロープをつかんだりします。

おはようございます。西武池袋駅の券売機で「秩父市応援 秩父漫遊きっぷ(西武鉄道のサイトへ)」を購入しました。特典付きのお得な運賃割引切符です。てっきり鉄道会社なんかが秩父市を景気づける切符かと思っていたら秩父市が国の「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」から「鉄道観光利用促進事業」として2,230万円(『奥多摩尾根歩き』調べ)を運賃の割引や特典に対して補助するというものでした。ですので「秩父市応援 秩父漫遊きっぷ」の発売期間は令和5年の3月10日までとなってはいますが、2,230万円を使い切った時点で発売はおしまい、となるようです。(秩父線御花畑駅のベンチで撮影)
三峰口駅に着きました。左端に熊倉山、聖尾根がちょっぴり見えています。
駅のベンチでザックから杖や軍手、タオルを引っ張り出して準備完了。
駅から西(駅を出て右)に向かって3、4分ほど、ここから取付きます。聖尾根の取付はいくつかあるようですが、尾根からいちばんスッと直線的にのびているポイントにしました。右にカーブするとすぐに荒川を渡る白川橋(しらかわはし)が架かっています。
溝をまたいで森の中へ。
落石防護柵の横を抜けます。
とんでもない急登です。くの字くの字の獣道をたどります。
登ってきて
ちょっとした岩場を越えると
ザレた急登が続きます。木の根っこを手がかり足がかりにして登っていきます。
登ってきて
ザレた急登がようやく収まりました。
と思ったらまた急登になって
大岩を回り込むと
尾根上に岩がポツリポツリと並んでいました。
標高530m(以降。「標高」を省略)あたりで左から登ってきた尾根と合流。左から登ってきた尾根には黄テープ(右の細い木)がありました。こちらがメインルートなのかもしれません。
合流後はとてもおだやかな尾根だったんですがすぐに岩がちでヤセた急登になりました。急登だらけです。
とんでもない勾配です。
右側。
左側。落ちるならこちらですが、尾根の左寄りはかなり登りづらそう。右寄りを登ります。
ボロッボロの変色したトラロープが下がっていました。
登ってきて
一息つき、進むと
三等三角点です。標高は622.64m、基準点名は白久。ポツリと標石が立っています。
アセビ尾根を抜けて
大きなヒノキが立っている640m圏で左から登ってきた尾根と合流しました。
670m圏の細長いピークに荒川村の「市町村界」の杭が刺さっていました。荒川村は2005年に秩父市に合併されて秩父市荒川になっています。
細長いピークの先の分岐です。ボーッとしていると尾根形のはっきりとした右の尾根に下りそうですが、やや左が聖尾根です。
じんわりじんわり下っていきます。せっかく幾多の急登にあえいできたのにもったいないです。
派手にねじれたツタを見上げます。
大岩を巻き、
尾根によじ登ってきました。630m圏のピークです。ポッカリと空が抜けています。
ピークを越えてすぐ、左の子尾根に踏み跡があるようなないような。地形図の破線(徒歩道)あたりです。
とくに右はアウトなヤセ尾根を歩きます。
右手に聖光岩(せいこういわ 聖岩)の岩肌が見えてきました。
ここは尾根上を歩けません。左に下り、
トラバース(山腹水平移動)しているとブナの大木が覆いかぶさるように立っていました。
ロープの張られたトラバースが続きます。切れはしないと思うけれどとてもつかむ気にはなれない朽ちたロープです。今回のルートで見たほぼすべてのロープは朽ちかけか、かなり朽ちているか、朽ちて切れて木の根もとに残ったロープでした。
尾根に復帰。
聖光岩の基底部(かな?)に立ちました。木立の向こうに岩壁が見えていたんですがこの写真ではよくわかりません。
薄い踏み跡にロープが続いています。
ロープが終わる地点から踏み跡はほぼ直登です。
這い上がってきて尾根に復帰。右に
進んで
岩壁のてっぺんに立ちました。正面方向の景色です。それほど展望はありません。葉が落ちるとどうなんでしょう。
右方向です。三峰口駅の川向うあたりが見えていると思います。
引き返して尾根の続きを歩きます。空が見えてきました。
トラバースするロープが張られています。
ロープはさらにトラバースしていきますが、テキトーなところで右へ這い上がり、聖光岩のてっぺん、725mの標高点をめざします。
這い上がってきました。地形図ではまん丸いピーク圏が描かれていますが、細長いピークです。これは右(西)に進んだ岩からの景色。
右の端から戻って左へ、あそこがいちばん高い場所のようです。「聖岩」と書かれた山名板が木の枝に掛かっていました。
左端の725mの標高点と思われる岩からの眺め。左手前はこれから登るお聖山、右上に聖尾根がせり上がって熊倉山の山頂、山頂から左に勢いよく下っている小幡尾根が見えます。ゆっくりしたい場所ですが、多めに見積もっていたコースタイムを大幅に超えています。先を急ぎます。
この先はほぼ崖でそのまま尾根通しでは歩けそうにありません。引き返します。
ロープまで下ります。めちゃくちゃな急登だったぶん当たり前ですが急降下です。
土色に迷彩を施しているトラロープまで戻ってきました。のっぺり道をトラバースします。
行き止まり? と思ったら
左に危なっかしい下降点がありました。岩の隙間を下って尾根に復帰します。
尾根に復帰し、725mの標高点を見上げて尾根を歩きだすと
右から防獣ネットが登ってきました。下って
登ります。アップダウンが続きます。
登ってきて
樹間からどこかが見えました。
お聖山の山頂(750m圏)です。ビシッととんがっていました。山名板は見つからず。
ピークを越えてすぐ左へ。急降下です。
いなくなっていた防獣ネットとまた合流しました。左に下っているのは地形図の破線でしょうか。930m圏です。
やや急登から
左にグーッと曲がってフツーの急登になって
802m標高点です。そのまま直進しそうになりますが、ロープが張られています。右に下る(また下ります)尾根が聖尾根です。
また、小ピークを越えると
キビシい急降下があったりします。
かと思ったらおだやかな尾根になったり、
ポコリと飛び出した大岩を回り込んだり、
岩稜を登り、
食事の終わった小岩のテーブルを通過したりするんですが、
けれどもやはりキツい急登がメインです。
キツいです。
登ってきて
960m圏で右から登ってきた尾根と合流し、ぐっとおだやかな尾根歩きになりました。
次ページで岩と言うか崖を登り、熊倉山から小幡尾根を下ります。