奥多摩尾根歩き
大ダツ窪左岸尾根、キハダ窪右岸尾根

(大ダツ窪左岸尾根)


今回は大ダツ窪左岸尾根を登り、キハダ窪右岸尾根を下りました。どちらもハンギョウ尾根から南東に下ってカロー谷に落ち込んでいる尾根です。テキトーな名付けです。
前回の「ヨコスズ窪右岸尾根、ヨコスズ窪左岸尾根」の帰路(カロー谷経路 かろう橋まで20数分)にカロー谷にぴょんと突き出た小尾根が気になって、ちょっぴり下って引き返したときに見上げたのがキハダ窪右岸尾根の支尾根でした。てっぺんはハンギョウ尾根の標高1220m圏(以降「標高」は諸略)です。
キハダ窪右岸尾根を歩いてみようと決めたのはいいけれど、この尾根だけでは手持ち無沙汰というか足歩き無沙汰です。そこで地形図を眺めてキツそうだけれども大ダツ窪左岸尾根をピックアップ。てっぺんはハンギョウ尾根の1520m圏で下端はカロー谷と大ダツ窪の出合あたり。カロー大滝の近くです。
まずは、かろう橋からカロー谷経路をたどって大ダツ窪左岸尾根をめざします。葉っぱが風に揺れて「そろそろ紅葉なんですよ」ってささやいていました。
コース JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→林道小川谷線→(45分)かろう橋→カロー谷経路→(1時間10分)ヨコスズ窪→(2時間10分)大ダツ窪左岸尾根取付→大ダツ窪左岸尾根→(1時間30分)ハンギョウ尾根→(40分)キハダ窪右岸尾根下降点→キハダ窪右岸尾根→(40分)カロー谷経路→(20分)かろう橋→(45分)[GOAL]東日原バス停→JR青梅線奥多摩駅
(8時間)
歩いた日 2023年10月14日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→林道小川谷線→(45分)かろう橋→カロー谷経路→(1時間10分)ヨコスズ窪→(2時間10分)大ダツ窪左岸尾根取付→大ダツ窪左岸尾根→(1時間30分)ハンギョウ尾根


大ダツ窪左岸尾根はアプローチに苦労しました。現在位置を勘違いしたことが原因ですが、久々に道なき道を歩くスリリングな気分を味わえたのでまっ、良しとします。短い尾根ですがめちゃくちゃな急登があったり1250m圏に岩崖記号の不穏なモコモコ曲線があったり記号がなくても岩ゴツだったり、尾根相がくるくる変化する面白い尾根でした。

おはようございます。小川谷とカロー谷の出合に架かるかろう橋です。軍手や杖の準備をしてカロー谷経路に踏み入ります。
高巻き中(かロー谷経路の道中は前回の「ヨコスズ窪右岸尾根、ヨコスズ窪左岸尾根」が詳しいです)。
ヨコスズ尾根のなだらかな稜線。
下山予定のキハダ窪右岸尾根の下端です。こちらは支尾根です。ここか
本筋のこちらか。キツそう。迷わず支尾根を下山することに決定。
前回は左上隅に見える忠三滝の右岸にドシンと倒れた大木に沿って滝を高巻きしたんですが、今回は橋の先の大岩をよじ登るルートで高巻きます。こちらは赤テープがゆらゆらしています。
忠三滝の落ち口。
すぐに経木小屋下ノ滝が見えてきました。
滝の上流は大規模な土石流で土砂に埋まったヨコスズ窪です。奥に横たわっているのはヨコスズ尾根
ヨコスズ窪右岸尾根とヨコスズ窪とヨコスズ窪左岸尾根
土砂でせき止められたカロー谷にできた池。深いところは1mくらいありそうです。泥にはたくさんの蹄跡が入り乱れ、主の姿は見えませんでしたが水紋がふんわりと浮かんでは消えていました。少し下流の対岸にキハダ窪が流れ込んでいるはずですが確認できませんでした。
池のほとりの経木小屋跡。奥は池の架かるくの字形の3連の木橋です。
「プロテインバー シリアルチョコ」をかじりながら休憩。ほうじ茶と合うような合わないような。
木橋を渡ります。これが間違いでした。渡りたい橋はここではなく、まだまだ上流に架かっている橋(行ったことがないので架かっているのかどうかわかりません)でした。
とにかく勘違いのまま立派な道たどります。
小屋跡から30分ほど歩いてきたんですが「なんだかヘン」と思い始めます。めざす大ダツ窪尾根から正反対方向にどんどん離れています。この先で大ダツ窪尾根方向に回り込んでいく、とは思えません。小屋跡まで引き返すことにしました。
のつもりだったんですが、妖しげな道を発見。小屋跡は右下にくの字に曲がるんですが、藪に隠れかかっている道がトラバース(山腹水平移動)気味にのびています。登ってきたときは気づきませんでした。
かなりはっきりしていた道がだんだん怪しくなってきました。
トラバースを続けると大きな谷にぶつかりそうなので小尾根に取付きます。
すぐに藪尾根になりました。
藪尾根を歩いて10分ちょっと、
薄いとはいえ、まだまだ藪尾根が続きそうなので
作業道っぽい踏み跡をトラバースすることに。1040m圏です。
やがて踏み跡っぽくなってついにはただの斜面になりました。
たまらず子尾根に取付きます。
岩崖記号を下巻きするようにトラバースし、涸れ沢を渡ったりもします。
また小尾根を登ります。ここを登ればかつて歩いたことのあるハンギョウ尾根からカロー大滝につながる道にぶつかるはずです。
尾根を横切る道にぶつかりました。1160mあたりです。小尾根をいくつか越えて登って谷を渡ってようやくちょっと一息です。
大ダツ窪左岸尾根をめざします。しっかりした道が続きます。
木橋を渡り、
すぐにまた木橋を渡り、
簡素な東屋を通過し、
ビシッとした石垣に守られた道を歩き、
大ダツ窪に着きました。薄く水が流れ、軽やかな音が聞こえてきます。
大ダツ窪対岸の大ダツ窪左岸尾根です。
大ダツ窪左岸尾根の上方。
下方。
カロー大滝方向になんとなくちょっと歩き、
引き換えして大ダツ窪左岸尾根に取付きます。
登ってきてポカリと開けた狭い伐採地の上方は
灌木が茂った尾根になりました。
岩が混じってきました。
1250mあたりの岩崖記号の現場です。垂直の岩壁がバーンという岩場でなくてよかったです。
額をこするような崖を這い上がったりもしましたが、こんな岩や
こんな岩をよじ登ったり回り込んだりしていると
岩崖記号の岩場は標高差で20mほどで終わりました。傾斜のキツい尾根が続きます。
尾根の雰囲気がガラリと変わりました。1340m圏です。「もーすぐ紅葉しますよー」って葉っぱが揺れています。
大木を通過します。右下に約90cmの杖を立てかけています。
登ってきて
とんでもない急登が始まりました。
また岩崖です。デンジャラス感はありません。テキトーに登ります。
グーッと登ってきて
さらに傾斜は増し、崖登りです。
登り詰めるとヤセ尾根の上でした。右から登ってきたヤセ尾根と合流です。1410m圏です。
こちらから登ってきました。遠くにヨコスズ尾根の滝入ノ峰が見えていたと思うんですが、こんな写真しか撮れませんでした。
ヤセ尾根の下方。地形図ではちっともヤセていません。
ヤセ尾根を進みます。
また岩が現れたりしたんですが、
おだやかな尾根が続き、
登ってきて
ハンギョウ尾根の1520m圏のこんもりとした小ピークに到着。これにて短いけれどちょっぴり冒険チックだった大ダツ窪左岸尾根はおしまいです。
次はキハダ窪右岸尾根をめざします。