今回は笹ヶタワノ峰南尾根を登り、笹ヶタワノ峰北尾根を下りました。笹尾根の笹ヶタワノ峰で上野原市から檜原村へ乗越す尾根歩きです。名前はどちらもテキトーです。
笹ヶタワノ峰南尾根へは、JR上野原駅から富士急バスの鶴峠行きに乗り、六藤(むそうじ)バス停で降車し、アッチ沢(六ッ藤沢)という沢をずんずん700m圏まで遡って取付きました。二俣の中間尾根です。
笹ヶタワノ峰北尾根は笹ヶタワノ峰からほぼ真北に下っている水平距離420mほどのごく短い尾根です。下端は南秋川に注いでいる大楢沢の二俣分岐点です。
笹ヶタワノ峰南尾根へのアプローチ、笹ヶタワノ峰北尾根下端から檜原街道への離脱ともに沢歩きが長いルートです。まったくといっていいほど情報がないなか,ちょっと腰が引けたままの出発です。
※「標高」は省略しています。

笹ヶタワノ峰南尾根、笹ヶタワノ峰北尾根
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| ■コース | JR中央本線上野原駅→[START]六藤バス停→(5分)アッチ沢→(1時間30分)笹ヶタワノ峰南尾根取付→笹ヶタワノ峰南尾根→(1時間40分)笹ヶタワノ峰(笹尾根)→笹ヶタワノ峰北尾根→(30分)大楢沢二俣分岐→大楢沢→(1時間30分)檜原街道→松坂屋酒店→(25分)[GOAL]檜原温泉センター数馬の湯→温泉センターバス停→JR五日市線武蔵五日市駅 (5時間40分) |
| ■歩いた日 | 2025年9月6日(土) |
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。
■JR中央本線上野原駅→[START]六藤バス停→(5分)アッチ沢→(1時間30分)笹ヶタワノ峰南尾根取付→笹ヶタワノ峰南尾根→(1時間40分)笹ヶタワノ峰(笹尾根)
笹ヶタワノ峰南尾根へのアプローチはアッチ沢の左岸に踏み跡がありました。デンジャラスではないにしろ難儀なトラバース(山腹水平移動)があったりして尾根の取付までたどりつけるのか、不安なままひたすら上流へ上流へと歩いていったんですが、
かなり上流で地元の方に会ったのには驚きました。
尾根はマツとヒノキの植林に囲まれた急登が基調のガマンガマンの一途といえば一途、淡白といえば淡白、単調といえば単調な素直で実直な尾根でした。
おはようございます。「六藤」と書いて「むそうじ」と読みます。どうしてでしょう。謎です。上野原駅から鶴峠行きのバスに乗って約40分で到着。先発の小菅の湯行きが満員だったので鶴峠行きに乗ることにしたんですが、町のお祭りで使用バスの到着が遅れ、発車は15分ほど遅れました。
バスを追いかけるように進んですぐ右手の道に入ります。ゆるい坂道です。
アッチ沢の右岸を歩き、
5分足らずで沢に架かる橋です。右岸か左岸、どちらから入渓できるか探ります。
右岸には水位観測のためらしい建屋があるんですが、その先に道はなく、進めそうにありません。コンクリート(?)の渓床を透明な水がサーッと流れています。
左岸は暗がりの向こうに踏み跡がつづいているみたい。ここで手ぬぐいに軍手、杖の正装に身を固め、引き上げていた袖のシャツをおろして出発です。
すぐに堰堤です。
丸太を並べた橋を渡って堰堤に立ちました。流れの向こうに踏み跡と導水管がつづいています。
物がたくさん詰まった崩れかかった小屋から沢に降り、上流に見える堰堤に向かって沢を渡ります。
踏み跡はあるようなないような。テキトー歩き、
堰堤に立ちました。越えられそうにない滝が見えますが、とにかく近づいてみることに。ダメなら引き返して高巻くしかありません。
なんとか小さな滝を越え、
越えられそうにないと思っていた滝に着きました。まずは流木の塊を乗り越え、右手の岩をへつれば落ち口に立てそうです。まさか人生で「へつる」なんて言葉を使うとは思いもしませんでした。
つづいてこんなところや
こんなところを遡上していきます。
水際を進むことは無理。
あるようなないような踏み跡のようなそうでもないような踏み跡をたどって高巻きます。
導水管の束。1か所にこれだけの導水管を見たのは初めてです。
沢で地元の方に会いました。お互いびっくりしました。まさかこんなところで人に会うとは思いもしませんでした。庭で飼っている錦鯉の池に水が流れてこなくなったのでその手当てにきたということでした。取水口に詰まった枯葉を取り除き、沢の底に沈んだ枯葉をかき出し、岩で水流を整え、導水管をガチッと固定。大変な作業です。上流に向かう道はあるのかたずねると、道はなく、小尾根を登っていけば険しいけれども道があることはある、とのこと。礼をいって別れました。別れぎわに、一人は危ないよ、イノシシが出るよ、と心配してくれました。ありがとうございます。無事、帰宅しました。
高巻き中です。できるだけ沢からはなれたくないのでテキトーな場所で踏み跡のようなそうでもないような怪しげな踏み跡をトラバース(山腹水平動)します。錦鯉おじさんにこの沢の名前を聞けばよかた、と思ったけれど後の祭りです。アッチ沢は『山梨県東部の山 登山詳細図(東編)』(吉備人出版)の記載で『奥多摩』(宮内敏雄 昭和刊行会 昭和19)には六ッ藤沢と書かれています。ぜひ、地元での呼び名を知りたかったものです。
トラバースは頓挫。
水際に降りてきました。
崩落地にぶつかったりもします。
手作りだと思われる枡。樹脂ケースに穴を開け、入水管と出水管を差し込む、はず。
680m圏で沢幅がだんだん広がってきて
ばーんと広がりました。
歩きやすそうな右岸の平らな林床に移ります。ワサビ田跡でしょうか、人の手が入っているようです。
沢沿いの植林帯を抜け、沢に降りていくと、ようやく上流にめざす笹ヶタワノ峰南尾根が見えてきました。
アッチ沢の二俣分岐点から石積の上を歩いていくと
笹ヶタワノ峰南尾根の下端です。ザックを降ろして休憩します。
取付きます。すんごい急登で始まります。
這うように登ってきてこの岩は右へ回り込み、
急登がつづきます。
ずーっとつづきます。
820mで尾根はいきなりくびれて
すぐに広がってそこそこの急登です。そこそこではありますが、ずーっとずーっとつづきます。
左手はかつて登ったアッチ沢右岸尾根。「見るな! 感じろ」
とブルース・リーの囁きが聞こえて勾配はゆるんだ、
と思ったら飽きもせずまた急登です。
笹尾根の稜線が空を区切っています。
登ってきて
笹尾根の稜線に立ちました。「笹ヶタワノ峰 1121m」と書かれた山名板があって、右(東)にちょっと歩いて
ピークに立つとここにも「笹ヶタワノ峰 1121m」の山名板があってこれにて笹ヶタワノ峰南尾根はおしまいです。ザックを降ろして休憩します。静かです。息をとめると何も聞こえません。ココロがしんとして落ち着きます。残念ですが息をしないといけません。笹ヶタワノ峰北尾根を下ります。
六藤バス停からアッチ沢を遡り、笹尾根の笹ヶタワノ峰まで笹ヶタワノ峰南尾根を登った映像です。
