
サルギ尾根、上高岩山北東尾根
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■尾根分岐(1067m標高点)→(20分)上高岩山→上高岩山北東尾根→(2時間30分)養沢川→林道御岳線→上養沢バス停→(45分)[GOAL]大岳鍾乳洞入口バス停→JR五日市線武蔵五日市駅
上高岩山北東尾根はサルギ尾根の上高岩山から養沢川に向かって北東に下っている尾根です。上高岩山は『奥多摩』(前出)などでは大グラミノ頭と表記されています。上高岩山北東尾根は大グラミ沢と小グラミ沢という沢に挟まれていて、前ページで書いた岩巣が地形図通りに2つありました。地形図に抜かりはありません。3つじゃなくてよかったです。
ひとつめの岩巣はデンジャラスの塊でした。切れ落ちた岩崖をほーほーの体でやっと巻き終えたと思ったら、めざす尾根とズレていて進路修正。ただトラバース(山腹水平移動)すればいい、というわけにはいかず、そうとうかなり神経だけでなく寿命をすり減らす過酷な尾根下りがつづきました。
2つめの巣は手の付けようがないというか、どうにもこうにも手足が出せませんでした。
サルギ尾根のてっぺんから登ってきたルートを引き返します。上高岩山の名前を確認。
中ノ沢ノ頭や春岩山のピークは巻きます。巻き道にも石段がつくられていました。
登山道からはずれて左のピークに向かって薄い踏み跡があります。あれが上高岩山に違いありません。
登り詰めた岩の上にパシッと横割れした山名板とひょうきんな雰囲気の山名柱がありました。1010m圏のピークです。ただ、めざす上高岩山北東尾根のてっぺんはここではありません。上高岩山からほんのちょっぴり展望台に向かって下った
このピークが上高岩山北東尾根のてっぺんです。こちらも1010m圏です。
いよいよ上高岩山北東尾根を下ります。いきなり危なっかしい急降下です。
左手は激しく切れ落ちています。足元はモミかツガかなんかの落ち葉でふかふかなんですが、それがかえって腰を引かせます。
突き出た岩は崖の突端でした。少し引き返して
尾根の右側に下り、巻くことができました。ヒヤヒヤの綱渡り状態です。
この岩塊は左へ回り込みました。
回り込んだ後ちょっと岩塊に登ってみると高岩山がどんと見え、奥は麻生山だと思います。
身を乗り出してチョックストーンを激写、のつもりだたんですがよくわかりません。自分がチョックストーンにならなくてよかったです。
下ってきて
下ります。荒々しい尾根相ですがそこそこおだやかな尾根がつづいています。
880m圏の分岐です。スマホGPSで慎重に進路を確認します。右は岩記号がモコモコ。左へ進むも
進退窮まりました。すんなり下らせてくれません。右に少し移動して勾配のゆるい窪みを見つけ、ルーツファンディング(登攀を支持する木の根を探ること)はもちろん、つかめるものはなんでもつかみ、持って生まれた以上に脚をのばして下り、
岩崖の基部に抱きつきながら回り込んできました。
落ち着いたところでスマホGPSをチェック。上高岩山北東尾根はかなり左方向です。引ける腰を無理やり押し出しながらのトラバースで進路変更します。
この先は激しく切れ落ちています。絶望です。引き返し、下りながら左に移動できそうな場所を探すことにしました。
こんな溝をじんわりじんわり下ってきたりもしました。
めざす上高岩山北東尾根はあの日に照らされている尾根です。危ういトラバースをつづけ、にじり寄っていきます。
分厚い岩崖を回り込める踏み跡というかたんに平らな場所をたどっていくとめざす稜線が見えました。助かりました。どうやら窮地を脱したようです。
急峻な岩稜からトラバースしてきて
稜線に立つと目の前に道標が立っていました。これにてようやくひとつめの岩巣をクリアです。ほっと一息つけます。ここは上高岩山から尾根を下っていた破線の上です。この写真の奥は先ほど回り込んできた岩稜と負けじ劣らずの急峻で凶相な面構えをしています。破線は岩巣を巻くルートだったみたい。まっ、地形図を見るとその通りなんですが。
しっかりした登山道はほんの20mほど歩いただけではなれ、右の尾根を下っていきます。
急降下の後になだらかな尾根が見えます。
820m圏の分岐です。左へ。
枝打ちされた枝葉が積もっているんですが薄いのでそれほど歩きづらくはありません。
鞍部を見下ろします。眼前は巨大な岩塊です。いよいよ2つめの岩巣です。ヤセ尾根からはみ出て尾根を覆っています。直登は無理。無理です。
右手は穴みたいな凹みがほぼ垂直に下っています。デンジャラスどころの騒ぎではありません。
左手。こちらもとんでもない勾配ですがくの字くの字で下れなくもなさそう。引き返したくはありません。下ります。
岩塊の向こうに高岩山が見えました。今日は岩づくしです。あちらは楽しい岩登りでした。
岩に溝がありました。登れそうな気がしたんですが、登った後に岩稜を安全に下れるのか大いに疑問です。通過します。
ここは難なく岩稜の懐に入れそうです。
登った先です。これはひとつめの岩の巣の二の舞い必至です。そうとうかなり痛めつけられるに違いありません。引き返します。
小グラミ沢の水面が見えてきました。水量は少なくかすかに水の音が聞こえてきます。
くの字くの字を刻みながら下ってきて
岩塊に沿って
回り込みます。
あちらの小尾根に移ります。
小尾根を見上げます。登るときはここから取付けそうですが、岩稜から降りられずに途方に暮れて日が暮れることになりかねません。
見下ろします。御岳林道と養沢川はもうすぐです。
御岳林道に立ちました。臨場感ある写真ですがたんに手ブレです。これにて上高岩山北東尾根はおしまいです。ザックを降ろし、チェーンスパイクをはずし、ちょっと休憩します。あとは上養沢バス停まで車道を歩くだけです。
歩き始めてすぐ、大グラミ沢が写真左奥から養沢川右岸に流れ込んでいます。養沢川の上流域は御岳沢という名前らしいけれどどこから養沢川になるのかよくわかりません。
御岳林道起点のゲートを抜けます。ゲートの向こうには御岳山に向かう林道鍾乳洞沢線が山腹を登っています。
てくてく歩きます。柿平橋(かきだいらばし)を渡ると左手に柿平遊園便所が見えてきて右手は大名子ノ頭から下ってきた尾根の下端です。上高岩山北東尾根を下った映像です。2時間30分かかった道程が11分弱で見られます。
てくてく歩きます。
かつて丸木橋があったに違いありません。そうでなければなんでこの名前が付けられたか見当がつきません。
上養沢バス停のバス折返し場に着きました。しばらく見入った案内板です。尾根の位置関係がよくわかります。バスの発車まで1時間以上ありました。じーっと待っていてもしようがないのでとりあえず歩き始めます。
出発点の養澤神社です。ログはここで停止しました。
てくてく歩き、御岳林道から約3時間、市街地まで戻ってきました。セブン-イレブンで缶ビールを購入。戸倉城山を背景に乾杯!山の神様、地権者の皆様、今日もありがとうございました。岩にまみれた尾根歩きをなんとか無事に終えることができました。シンドかったけれど楽しかったです。また、よろしくお願いします。