奥多摩尾根歩き
大栗尾根、カロー谷

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今回は大栗尾根(おおぐりおね)を登り、ハンギョウ尾根をちょっぴり下り、カロー大滝を見てカロー谷沿いの巡視道を下りました。
次はどの尾根を歩こうかと悩んでいたんですが、去年(2021年)の春頃だったかもっと前だったか、奥多摩のトップガンMさんが電車内で「カロー谷が大変なことになっている」とおっしゃっていたことをふと思い出しました。よし、行ってみようと広げた『奥多摩 登山詳細図(西編)』(吉備人出版 2017 以降、『詳細図』)で目についたのが大栗尾根。てっぺんは長沢背稜(ながさわはいりょう)の七跳山(ななはねやま)と天目山(てんもくざん 三ツドッケ)の中間あたりにある大栗山(大栗ノ頭 滝上谷ノ頭 たきうえたにのあたま)というピークで、南東に下って日原川に没しています。ずいぶん前に歩いたときはできるだけ下端から登ろうと、林道小川谷線(以降、小川谷林道)石垣にもたれかかった倒木を手がかりに取付きましたが、今回は七跳尾根から秩父へ長沢背稜またぎをしたときに見かけた、新造された木の階段で大栗尾根の横っ腹から取付いてみることにしました。『詳細図』に記載されているルートです。
大栗ノ頭からは長沢背稜を東へ進み、ハンギョウノ頭からハンギョウ尾根を下り、途中から東面の巡視道をたどってカロー大滝を見物。カロー大滝からは谷沿いの巡視道で小川谷林道のかろう橋を目指します。「大変なこと」を自分の目で確かめる尾根歩きに出発です。
※東日原バス停を出発してから大栗尾根の取付(木の階段)までのログは取り忘れました。
コース JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→小川谷林道→(1時間35分)大栗尾根取付(横っ腹の木の階段)→大栗尾根→(2時間45分)大栗山→長沢背稜→ハナド岩→(25分)ハンギョウノ頭→ハンギョウ尾根→(25分)東面の巡視道→(40分)カロー大滝→ヨコスズ尾根西面水平道→煙窪→谷沿いの巡視道→(1時間50分)かろう橋→小川谷林道→(45分)[GOAL]東日原バス停→JR青梅線奥多摩駅
(8時間25分)
歩いた日 2022年4月9日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→小川谷林道→(1時間35分)大栗尾根取付(横っ腹の木の階段)→大栗尾根→(2時間45分)大栗山→長沢背稜→ハナド岩→(25分)ハンギョウノ頭


大栗尾根 大栗尾根をグーッと回り込んで木の階段から大栗尾根の横っ腹に取付きました。朽ちて崩れていた階段がか新造されています。十中八九、ハイカーのためではないと思いますが、ありがたいことです。大栗尾根を特徴づけるのは尾根をバーンを塞ぐ岩稜でしょう。急登にあえいで岩稜の根本に立つと視界いっぱいに岩肌が広がります。このあたりは安全第一、このあたりはちょっとチャレンジ、などと思いながら登れる、ほどほどのデンジャラスさです。うーん、けれども下端部のヤセ尾根も大栗尾根の醍醐味だと思います。木の階段はそのヤセ尾根をちょうど巻いてしまいます。ちょっともったいない気がしないでもありません。

おはようございます。東日原バス停です。
日原街道を小川谷林道を目指して歩きます。稲村岩(いなむらいわ)はきょうもニョッキリです。
小川谷橋(おがわだにばし)を渡り右折。一石山神社(いっせきやまじんじゃ)の下、日原鍾乳洞の上を通過し、日原燕岩洞門(にっぱらつばめいわどうもん)くぐり、洞に石像が並ぶ籠岩(かごいわ)が途切れたら日原林道の入り口です。車両通行止のロープが張られています。
ゲートをくぐります。
小川谷とカロー谷の出合に架かるかろう橋を渡ります。予定通りに歩ければここに戻ってきます。
ハンギョウ尾根の主尾根の下端近くにあるモノレールの始点駅です。
滝上谷橋(たきうえたにはし)を渡ります。正面は大栗尾根下端部の東側です。
で、今回は大栗尾根を回り込んでグーッと北上してこの木の階段から大栗尾根の西面にある何本かの支尾根のひとつに取付きます。バス停から1時間35分かかりました。
大きなくの字くの字で支尾根を乗り越しながらじわりじわり高度を上げていきます。
標高970m圏(以降、「標高は省略」)の分岐です。折り返して登っていく道は主尾根から離れていきそうなので直進する道に進みます。
そこそこのっぺりした道や
かなりのっぺりした道を歩きます。
左に折り返す道を見送り、
正面の主尾根を目指します。
薄い踏み跡を登ってきて
大栗尾根に立ちました。1040m圏です。
ちょっと登るとすぐに道が尾根を回り込んでいます。
尾根の左側。この写真ではわかりづらいですが上下に道は分かれています。先ほど見送った道はどちらかとつながっているのでしょうか。
右側。ペットボトルに詰めてきたほうじ茶を飲んで
尾根歩き再開です。
かなりの急登を登ってきて
やっぱりかなりの急登を登ります。
1170m圏からそーとーな急登です。
直登はツラいので薄い踏み跡をたどったりもします。
登ってきて
1270m圏で左から登ってきた尾根と合流します。
左手には七跳尾根(ななはねおね)が見えます。
尾根と合流してから左手カラマツ(多分)、右手ヒノキになり。尾根はずいぶん明るくなりました。
登れば登るほど勾配はキツくなります。
あえぎながら登ってきて
1368mの標高点あたりです。左から登ってきた尾根と合流します。
大きな木。根本に杖を立てかけています。
右手にハナド岩らしきものが見えました。写真中央上、稜線のちょっと下のちっちゃなドーム状のでっぱりです。
ややヤセのおだやかな尾根が続きます。
右手にこれから下るハンギョウ尾根が見えます。
1400mあたりからきょういちばんの急登が始まりました。尾根相もガラリと変わり、
ひーこらと登ってきて
見上げるような、と言うか見上げる岩場です。左から
右まで、尾根をビシッと塞いでいます。
左に巻道があるようですが岩場のっぺりトラバース(山腹水平移動)になったら怖いので、
巻道ではなく、あの岩の隙間を登ることにしました。赤テープが見えます。
登ってきて、ちょっとした踊り場。
あの下から登ってきました。誤操作で日付が入ってしまいました。しばらくまったく気づきません。
これはなにを言おうとして撮ったんでしょう。こんなところを岩や木や根っこにつかまりながら登ります、ということでしょうか。
登ってきて
ちょっと下の踏み跡に降り、
岩の凹みを這い上がります。
這い上がってきて
踏み跡は尾根下に続いていますが、たどるのはやめ、
テキトーに尾根上を目指して登ってきて、
1460m圏で尾根に復帰しました。
岩がちなヤセ尾根です。
岩を登って
下り、また登って
あの先に空にくっつく急登が見えています。
登ってきて
長沢背稜の登山道にぶつかりました。そのまま尾根を登ります。
長沢背稜に立ちました。薄く雪が残っています。
ちょっと西に進んだポコリとした1591mの標高点あたりに大栗山の山名版がありました。これにて大栗尾根はおしまいです。展望はあまりありません。ほうじ茶を飲んでハンギョウ尾根に向かいます。
長沢背稜を東へ進み、すぐの分岐は右へ。
下ってきて登山道と合流。てくてくと進み、
ハナド岩に立ち寄りました。岩に立って右手のすぐそこには登ってきた大栗尾根が見え、
ほぼ正面にはタワ尾根が横たわっていて、こちらに向かって四間小屋尾根(しけんごやおね)や材木小屋尾根(ざいもくごやおね)が下ってきて、
左手の手前にこれから下るハンギョウ尾根、その向こうに右から左へ小川谷に没するタワ尾根、左から右へ小川谷に没するヨコスズ尾根、遠くの稜線は石尾根で薄く雪をかぶった鷹ノ巣山なんかが見えます。
もう一度、大栗尾根と
ハンギョウ尾根をグッと見据え、ほうじ茶をグビリと飲んで出発します。
長沢背稜を東へ10分足らず。ハンギョウ尾根の降下点に到着。ロープが張られていました。
ハンギョウ尾根のてっぺんハンギョウノ頭はすぐそこですが立ち寄らず、ハンギョウ尾根に侵入。いよいよ次のステージはカロー谷です。