奥多摩尾根歩き
大星沢左岸尾根、槇寄山南西尾根、田和尾根

(1/2)


今回は大星沢左岸尾根(おおぼしざわさがんおね)を登り、槇寄山南西尾根(まきよせやまなんせいおね)を下り、田和尾根(たわおね)を登り、数馬峠(かずまとうげ 上平尾根)から檜原村温泉センターへ下りました。
個々の尾根がどこにあるのかは下の地図を見ていただくとして、大ざっぱに書くと笹尾根(ささおね)の南面を行ったり来たり行ったりして、最後に北面を下って温泉センターへ、というルートです。
大星沢左岸尾根取り付きまでの山里歩き、山梨県道のバス停巡礼からの田和尾根取り付きまでの山里歩き、温泉センターへの着地ルート探しなどのオプションも楽しい尾根歩きになりました。
コース JR中央本線上野原駅→[START]原バス停→(20分)大星沢左岸尾根→(1時間30分)笹尾根1155m→(10分)槇寄山→西原峠(さいはらとうげ)→槇寄山南西尾根→(1時間)郷原(上野原丹波山線)→(40分)田和(上野原丹波山線)→田和尾根→(1時間30分)田和峠→(20分)数馬峠(上平峠)→[GOAL](1時間)檜原村温泉センター 数馬の湯→JR五日市線武蔵五日市駅
歩いた日 2019年11月2日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

[START]原バス停→(20分)大星沢左岸尾根→(1時間30分)笹尾根1155m→(10分)槇寄山→西原峠→槇寄山南西尾根→(1時間)郷原(上野原丹波山線)→(40分)田和(上野原丹波山線)


大星沢左岸尾根は中盤に地図にないボブスレーのコースみたいな林道? が出現。槇寄山南西尾根は歩きやすい道がズーッと続きます。

おはようございます。上野原駅から富士急バスの鶴峠行きに乗り、原バス停で降りました。県道から外れて最初のバス停が郷原(ごうばら)で、その次が原です。ほぼ満席のバスが走り去っていきます。
三角形の山が見えます。帰宅後に調べましたがどうしても特定できません。おそらく909mのピークです。
バス停のある謎の建物。公民館でしょうか。
謎の建物の軒下を借りて身支度し、出発です。バスを追うように進みます。田園風景の奥に笹尾根が横たわっています。
突き当たりを右へ。水車があるようです。
大星沢の対岸に水車がありました。
残念。動いていませんでした。
大星沢を渡ります。渡ってすぐ左に三頭山荘(みとうやまそう)があります。
大星沢(左)とカンボーメ沢の出合い。ここが大星沢左岸尾根の下端です。
大星沢をまた渡ります。堰堤を通過します。
柿を通過します。
えっ! どう、注意すればいいんでしょう。罠には印かなんかあるんでしょうか。
先に進みます。
629mの標高点を示す標柱が立っていました。
その横に「風神」と彫られた碑。
その奥に祠と碑がありました。
あの正面の尾根が大星沢左岸尾根です。左奥は笹尾根の三頭山でしょうか。
謎のオブジェ。「はらたいら」なら3,000点。
アズキや芋がらが干されていました。
このあたりから取り付けそうです。右の道は原地区最上部の民家に続いています。
左の屋根は炭焼き小屋です。ここにも罠の注意があります。
炭焼き小屋の向かいから尾根に取り付きます。ここにもイノシシの罠の注意があります。鉄線に足を引っかけると矢が飛んできたり、落とし穴に竹槍が仕込まれていたり、ビーーンって枝に逆さ吊りになったりするんでしょうか。ちょっとというか、そーとービビります。罠の邪魔にならないよう、入山させていただきます。
こんなところを登っていきます。
よじ登ると、
こんな尾根になりました。
右上にグーッと登っていきます。
そこそこ急登です。
石がゴロゴロしたりします。
そーとーな勾配を登ってきて、と撮影して振り向こうとしたとき、視線を感じました。
シカがジーッとこちらを眺めていました。こちらが気恥ずかしくなるくらいジーッと眺められました。若いオスです。
見つめ合っていてもしょうがないので先に進みます。急登は止みません。
登ってきて、と撮影しようとしたとき、驚いたことに先ほどの彼がジーッとこちらを見上げていました。動画を撮ろうとすると向きを変え、数秒で姿を消してしまいました。動画はNGだったのかもしれません。これは彼がいなくなった後の登ってきた尾根。
ちょっと荒れたところを通過します。
荒れたところに高い木がシューッと立っていました。枯れている?
800mあたりです。突然、左下から林道なのか伐採した木を滑らす道なのか、しっかりした道が登ってきました。地形図にはない道です。取り付きで離れた道をドンドン進むとここに来るのでしょうか。道はできるだけ無視して尾根筋を辿ります。
登ってきて、
登ります。
道に縫われながら尾根筋を歩きます。
「1」ですが、「2」以降は見かけませんでした。
枝打ち地帯に突入。
ここで林道みたいな道が消滅しました。
ザラッとした質感のなだらかな尾根が続きます。
1050mあたりからの急登です。
ズザリズザリと登ってきて、
登ります。
空が大きく見えてきました。
作業道を横切り、
もう一踏ん張りすると笹尾根の稜線に到着です。おおよそ1155mです。
あちらから登ってきました。
こちらは三頭山方向。これにて大星沢左岸尾根はおしまいです。
わたくしはこちらの槇寄山に向かいます。
いい雰囲気です。が、いま、ちょっと道探し中。すぐ近くにあるはずの笹尾根の登山道が見つかりません。尾根筋を歩いたりグーッと下がったり。この後、左手に道標が見えて登山道に立つことができました。
道中。
槇寄山山頂に到着。三頭三角点があります。標高1188.16m、基準点名は千軒平。千軒平? 山頂には単独が2人、2人組が1組いました。ガスバーナーを前に気難しげな顔で腕組みしているオジサンが面白かったです(失礼!)。
南方向が開けています。
富士山がフンワリと浮かんでいました。
先に進みます。下るとすぐに西原峠です。
左に立つ道標の「西原方面」、右に立つ道標の「山梨県 郷原」に進みます。右後ろにグーッと戻る方向です。
こんな道です。
トラバース道が続き、
尾根に乗りました。
スポーンという感じ。1070m圏です。
西原地区が一望できます。上端中央やや左から左下に向けてちょっぴり写っているのは以前に歩いた坪山東尾根です。もうちょっとカメラを上に向ければ以前登った坪山が写っていたはずです。いまそのときの記録を見てみると今回よりマシな写真を撮っていました(切り替え画像)。ついでに書いておくと実際の風景はもっとドーーンという開放感も解放感もあります。
で、こちらはその坪山東尾根を歩いたときに、坪山東尾根から県道を経由して登った槇寄山南尾根です。槇寄山南西尾根と槇寄せ南尾根の分岐点がスポーンという感じのビューポイントになっています。水を飲んで出発します。
こんな歩きやすい道が続きます。
木立の向こうにさきほど登った大星沢左岸尾根が見えています。
快調に下ります。
直角に曲がった枝。何年も前、旧中山道を歩いたとき、山道でこのように直角に曲がった枝には神様(天狗も)が座ると信じられていて木こりは近寄らなかったという案内板を読んだ記憶があるけれど、どこだったかな。
『奥多摩情話「つね泣き峠」の由来』の案内板がありました。「つね泣き峠」はヌカザス尾根(三頭山)にある峠。急坂で泣かされる難所ですが、坊さんとの愛欲に溺れたおつねは朝帰りに失敗して奉公先の主人に叱られると泣いたということです。まっ、自業自得です。
ちょっと座り心地はよくないかも。
モリモリモリッとした根。ブナ。かな。
丸く凹んだ道。笹尾根の支尾根はこういう道が多いのでしょうか。
道中。
ちょっと展望のある場所。
くの字くの字を無視してテキトーに下ったりもします。
右から下ってきました。左は大星沢左岸尾根に取り付いた原への道のようですが、地面に置かれた赤白道標には「行き止まり」と書かれています。地形図にない道です。
素直に原方面とは反対のこちらに進みます。
大きな崩落地を横目で見ながら通過。
竹林の端を歩いて行くと、
イノシシ除けの扉がありました。あっ、そーいえばイノシシの罠のこと忘れてた。シカに会ったあたりからかな。
アディオス! イノシシの防止扉!
郷原の集落が見えてきました。
「水道に至る」。水道ってなんなんでしょう、と、
ちょっと登ってみるとこんな施設がありました。まだ踏み跡は続いていたのでその先に「あぁ、なるほど! これが水道か」というようななにかがあるのかもしれません。
民家の間を下っていきます。
舗装道路に出ました。
あれは大星沢左岸尾根かな。
道路脇にあった馬頭観音なんかの碑群。宝珠寺(ほうしゅじ)のすぐ近くなのでてっきり宝珠寺に関連するものかと思っていたんですが、近在の石仏なんかを集めて安置した場所じゃないかとも思えます。右端の大きな碑は「萬霊寺」と彫られているように見えますし。まっ、それはともかく、宝珠寺はおつねと相愛になった坊さん香蘭が在籍していたお寺です。
郷原バス停に到着。
石垣の上には馬頭観音が並んでいました。
アディオス! 槇寄山南西尾根! いまひとつどれか自信がありません。目が泳ぎます。ここからは道路をひたすら歩き、田和バス停を目指します。
上野原市立西原小学校の「学校前」です。ここから山梨県道18号上野原丹波山線に出ます。
クマもヒトの子も。
「下城河原」。このあたり、鶴川の河原が広いです。下城ってなんでしょう。
「所」が欠けた「西原出張所」。上野原市の行政機関がこの右奥にあります。
「阿寺沢入口」。わたくしの背中側に鶴川に下る道がズーッとあって、鶴川を渡り、さらにズンズンいくと阿寺沢の集落があります。
一見さんにはまず読めない「扁盃」を通過します。
「たわざか」は「田和坂」でしょうか。確かに長ーい坂の途中にありました。
郷原から約40分で「田和」に到着。ここからそこの坂道を登り、田和尾根を目指します。擁壁にへばりつくように石仏がずらりと並んでいます。