奥多摩尾根歩き
坪山北尾根(西ルート)、坪山東尾根、槇寄山南尾根

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今回はまず坪山北尾根(西尾根ルート、西ルート)を登り、坪山から東へ伸びる坪山東尾根を阿寺沢(あてらざわ)まで歩きました。続いて阿寺沢から扁盃(へはい)まで車道を歩き、槇寄山南尾根(まきよせやまみなみおね)を登り、「檜原温泉センター 数馬の湯」に下りました。
坪山北尾根はテキトーな名付けです。山梨県上野原市観光協会のリーフレットでは「西尾根ルート」として紹介されています。ただ、地図を見ればわかるように、西尾根ルートはちっとも「西」ではありません。「北」に尾根が伸びているのは明かです。「西」というのはその東隣にある「東尾根ルート(岩場が多く、危険なため)」との比較から付けられた名称だと思われます。西尾根ルートとは別に坪山から西に伸びる立派な尾根があるので、ここでは混乱を恐れず、西尾根ルートという名前は使わず、坪山北尾根とします。そして、坪山から東に伸びる尾根を坪山東尾根と呼ぶことにします。ちなみに、リーフレットではこの東に伸びる尾根も含めて「びりゅう館」というそば打ち体験なんかができる観光スポットまで下るルートを西尾根コースとして紹介しています。わたくしは坪山東尾根をびりゅう館ではなく、阿寺沢という地区まで下りました。
坪山東尾根のびりゅう館と阿寺沢の分岐跡の道でルートを間違っていました。上野原駅前のバス停の案内人さんの「この道は荒廃してますよ」という言葉通り、道はあるようなないような感じで、おまけにGPSが衛星電波を拾っていないことにまったく気付かず、とんでもない時間と体力をロスしてしまいました。
なんとか阿寺沢に降り立ち、槇寄山南尾根に取り付ける扁盃までは車道歩き。槇寄山南尾根もテキトーな名付けです。『山と高原地図 奥多摩 2012年版』(昭文社)や地理院地図には登山道の記載はないのですが、『奥多摩 登山詳細図(西編)』(吉備人出版)には尾根の上部のルートがほんのちょっとだけ見えています。おそらく『山梨東部の山登山詳細図』には掲載されていると思います。
槇寄山からは大茅尾根(おおがやおね)を歩いたときと同じく、西原峠(さいはらとうげ)から仲の平へ下るルートで数馬の湯をゴールとしました。
コース JR中央本線上野原駅→[START]御岳神社前バス停→坪山北尾根→(1時間50分)坪山→坪山東尾根→(2時間10分)阿寺沢→(15分)槇寄山南尾根→(2時間30分)槇寄山→西原峠→(1時間)[GOAL]檜原温泉センター数馬の湯
歩いた日 2018年06月09日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR中央本線上野原駅→[START]御岳神社前バス停→坪山北尾根→坪山→坪山東尾根→阿寺沢


坪山北尾根はお花のコースで有名らしいですが、なかなか厳しかったです。坪山東尾根はとても歩きやすくて心地よい尾根ですが、痛恨のミス。

おはようございます。JR中央線上野原駅のバス乗り場が北口から南口にかわっていました。あの狭いスペースで大きなバスがグルングルン切り返す勇姿は見られなくなりましたが、それにしても立派なバスターミナルです。1番バス乗り場から「姫峠」行きにに行きになります。
バス乗り場の近くにいる案内の方から坪山のリーフレットや手書きの地図をいただきました。八ツ田(はった)バス停で降車するように勧められましたが、
なんとなく面白そうな御岳神社前(みたけじんじゃまえ)バス停で降りました。降りたのはわたくし一人。花の咲かないこの時期は人気がないのでしょうか。
あの橋を渡ると、
目の前が御嶽神社の鳥居です。興味のあったはずの神社の写真を撮り忘れたまま、大きな木や鳥居に覆い被さるような岩をみあげながら首に黄タオルを巻き、靴紐をビシッと締め、軍手をはめ、水を飲んであちらに向かって歩き出します。
すぐに八ツ田バス停からの道が正面から合流します。
ここでちょっと迷いました。「東ルート」ってどうよ。やっぱり止めときました。
ちょうどゴールデンウィークあたりが花の見頃のようです。[拡大](バスの時刻表は変更されています)
安全なコースのはずですが、いきなりこんな場所を通ります。
木橋を渡ります。
沢底の色は鉱物の成分が沈殿したものだそう。黄銅鉱跡がここのすぐ近くにあるはずですが、見事に見逃してしまいました。
畑跡に出ます。
テキトーに登ってきました。
道を見失いました。
右手の尾根筋を目指していると、すぐ下に道標が立っていました。カヤの中で道を間違ったようです。
尾根に乗ります。
乗りました。
想像していた尾根より厳しい雰囲気。そこそこ急登です。
明るい尾根を歩きます。
お隣、左手の東コースを眺めますが、よく見えません。
心地よいです。
花ゾーンに入っていくようです。この時期はまったく咲いていません。
花はなくても、わたくしにはとても心地よい尾根道です。
根がうねって荒々しく急坂です。
うーん、急坂ですがイイ感じです。
勾配が緩んだかと思うと、
露岩の急登が出現し、
ロープが張られたこんな所を、
必死で登ります。東コースはここよりキツいんですよね。行かなくて良かったかも。
花の山と、
尾根の荒々しさのギャップが面白いです。
東コースを眺めます。
痩せています。
950mから東方向。左端はこれから登る槇寄山のような気がします。かなりします。
先に進みます。
ロープは掴むものや植物保護のためのもの、滑落防止のためのものが混在していて、やたらと掴むとヒヤッとすることになります。
1020mあたりで南西方向を眺めると3つの山がきれいに並んで見えました。はい、それだけです。
こんなところも通過します。
右から尾根がにじり寄り、
左から東コースもにじり寄ってきました。
最後の急登が、
しばらく続き、
坪山の山頂に到着。標高は 1102.67m。三等三角点があり、基準点名は「 坪谷」。
山頂の様子。花のシーズンには、座ることができないくらいのハイカーが訪れるそうです。
北方向から右回り(1)。
北方向から右回り(2)。
北方向から右回り(3)。
北方向から右回り(4)。
北方向から右回り(5)。小さな虫やクマバチが飛び回っていました。
さて、「びりゅう館・阿寺沢方面」に向かいます。
右はわたくし言うところの「坪山西尾根」です。左へ進みます。
イイ雰囲気です。
急降下です。
この写真だとよくわかりませんが、ここに落ちてはいけません。スッという感じで切れ落ちています。
1034mのピークを通過します。特になにもありません。
下ります。
ひたすら下ります。
こんな渋めの尾根歩きも楽しめます。
995mのピークを通過します。
うねるような地形です。地図を取り出してみましたが、地形図通りなのか違うのか、よくわかりませんでした。いまだにこんなことでイイんでしょうか。
こちらは別の原因で地図読み不能。なんだか面白そうな情報が書かれているようなんですが、どうしても読めません。
970mあたりから南方向。
通せんぼです。
ロープの向こうには北に伸びる尾根に続く、しっかりした道がありました。あの尾根を下り、川沿いに御岳神社まで戻ると、ほぼまん丸く歩いたことになります。だからどうというわけではありませんが、まん丸く歩けます。
先に進みます。
940m圏のピークです。ここでスマホに入れたジオグラフィカというGPSアプリで現在地を確認してみたり、水を飲んだり、ザックを降ろして休憩しました。
道標に従って左に曲がります。
896mのピークらしき場所を通過。
ゆるい下り坂になって周囲の雰囲気がかわります。
道標がいくつも見えます。
どうやらここがびりゅう館と阿寺沢の分岐のようです。ただ、左のびりゅう館へ向かうはしっかりした道なんですが、道標の指す阿寺沢方向はごく薄い踏み跡しか見えません。そこで念のため、
びりゅう館方向にしばらく歩いてみたんですが、トラバース気味に北に向かいます。やはりあの薄い踏み跡が正解のようです。戻ってきました。
歩き始めはこんな感じです。
赤ペンキが目印になりそうなのですが、
こんな場所を歩き、
使われなくなったテレビアンテナに出くわした頃には、まったく赤ペンキを見なくなりました。
でもって尾根筋を進んでいくとどんどん傾斜がキツくなって、
さらにキツくなって、いくらなんでもこれはヘンと判断。
引き返します。もちろん、キツいです。
アンテナまで戻りました。あのアンテナの右手に伸びている、
このしっかりした道を進むことにしました。
実はこれまでGPSアプリで何度か現在位置を確認しているんですが、いつも矢じりマークは予定コースの尾根の上にビシッと乗っていました。当たり前です。940m圏のピークで休憩して以降、スマホが位置情報を取得しない設定になっていたんです。つまり、現在位置を示す矢じりマークはピタッと止まったまま。それにまったく気付かず、位置確認するたびに「おっかしいな、これで合ってるんだけどなんかヘン」と思いながら歩いていたわけです。どこを歩いてもどっちを向いても「合っている」状態だったのです。
位置情報がおかしいことにまだ気付かず、どんどん歩いて行きます。
道はごく細く、頼りないものになりましたが、
現役らしいアンテナに到着しました。ケーブルが尾根の上に伸びています。
ただ尾根はとてつもないヤセ尾根。しかも急降下です。危険です。どう考えてもおかしいです。いくら荒廃したとはいえ、こんな道が登山道なわけがありません。
スマホGPSをポケットから出し、現在位置を確認します。ここでやっと、ずっと矢じりマークが動いていないことに気付きました。位置情報を取得します。矢じりはピュッと動いて、とんでもない場所に止まりました。
それからコース修正です。また使われていないアンテナまで戻り、そのままトラバースするように進みます。そこそこしっかりした道がありました。あれが目指していた尾根筋です。
尾根に乗りました。上を見上げてみます。
こちらが下り方向。
ロスした時間を取り戻そうと、ドカドカ下ります。
崩壊した祠だと思います。
沢の音やイヌの鳴き声が聞こえだし、見下ろすと民家の屋根や車道が見えます。
やっと阿寺沢地区に着地です。ゴミ焼きの煙が漂っていました。
坪山東尾根の末端に下りてきました。