今回はタツマの滝(大滝)を見学し、モリノ窪右岸尾根を登り、七跳尾根(ななはねおね)を下りました。
タツマの滝は日原の深部、犬麦谷の上流にかかる滝で3段50mの奥多摩屈指の大滝らしい。犬麦谷は下流部で小川谷林道が横切り、上流部で犬麦林道がもう一度横切ります。犬麦林道から犬麦谷沿いを登ってタツマの滝をめざしました。
タツマの滝を眺めながら溜まりに溜まった煩悩を流し落とす、というのが今回の大眼目だったんですが、「けれどもまぁ、せっかくだから尾根のひとつも歩いてみようじゃないか」と欲丸出しでタツマの滝の上流で右岸の尾根(モリノ窪右岸尾根)を登ろうとしたんですが、これがなかなかキビシくも面白い尾根歩きになってしまいました。

タツマの滝、モリノ窪右岸尾根、七跳尾根
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■コース | JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→林道小川谷線→(2時間10分)小川谷林道終点広場→林道犬麦線→(20分)石橋→犬麦谷→(25分)タツマの滝→(20分)石橋の近く→モリノ窪右岸尾根の西隣の尾根→モリノ窪右岸尾根→(2時間10分)七跳尾根合流→七跳尾根→(40分)犬麦林道→小川谷林道→(2時間)[GOAL]東日原バス停→JR青梅線奥多摩駅 (8時間5分) |
■歩いた日 | 2023年8月26日(土) |
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。
■JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→林道小川谷線→(2時間10分)小川谷林道終点広場→林道犬麦線→(20分)石橋→犬麦谷→(25分)タツマの滝→(20分)石橋の近く
タツマの滝は犬麦谷に架かる石橋からアプローチしました。グズグズのガレガレの左岸を歩き、とんがった小さい岩稜の右側の急斜面をヒーコラと登り、岩稜を越えるといきなり目の前にでっかい滝が流れ落ちていました。




犬麦をウィキペディアで調べてみると「イヌムギは、ありふれたイネ科の雑草の一つ」との説明。なんだか失礼な物言いだけど確かによく見かける草ではあります。そんな「ありふれた」草を谷の名前にするなんてちょっと不思議です。なにか隠された大きな陰謀があるのかもしれません。
「犬麦谷には終戦後まで5~6軒の家があった。日当たりのよい温かい場所で炭焼きやワサビつくり、箸つくり等が営まれていた。犬麦とは、植物の名前」(『多摩川源流部の沢・尾根・淵・滝・小字等の地名と由来に関する調査研究』―奥多摩編― 中村文明 財団法人 とうきゅう環境浄化財団 2006)という記述もありました。陰謀はなく、たんにテキトーな名付けだったのかもしれません。違ったらごめんなさい。










タツマの滝といえば犬麦谷、と思っていたんですがどうやら雲行きが怪しい状況です。これからはタツマの滝といえばモリノ窪、ということを胸の内に秘めて暮らしていこうと思います。






タツマとは「猟場」の意味らしいです。左岸の中尾根にタツマがある(あった)ことからタツマの滝という名前がついたという記述がありました(『山 十一月号 第188号』真鍋健一 68ページ 朋文堂 1951)。同記事には「垂直一〇〇米を思はせる井戸の底のようなゴルジュの奥に、僅かに開いた天の一角から、黒い岩を這うように落下する、目測五〇米の直瀑が頭上を壓する壮観に身ぶるいする。日原全渓谷中、水量こそ少ないがこれほどの落差を持つ滝は他にはない。環境といい、これを取巻く岩壁といい、まことに比類のない幽瀑である」という表現もあり、わたくしの下手な写真なんかよりよっぽど滝の迫力が伝わってきます。
小さな岩稜の横を登ってきて岩稜から首を出したら大きな滝が眼前に現れました。




一段上からの滝。さらにもう少し登ってみたんですが、





