奥多摩尾根歩き
クロモ山南尾根、クロモ山北尾根(下半分)

(2/2)


クロモ山→長沢背稜→(35分)クロモ山北尾根(下半分)→(35分)オハヤシ沢→(5分)有馬林道→有間渓谷観光釣場→名栗湖左岸道路→竜神の湧水→有間ダム→(1時間50分)[GOAL]さわらびの湯→ノーラ名栗・さわらびの湯バス停→西武池袋線飯能駅


クロモ山北尾根は間違いました。「しっかりした道がつづくな、ずいぶん歩かれているんだ」と思っていたら長沢背稜をひたすら東へ下っていました。
登り返すのは、体力だの気力だのを不安視する内なる審判員が赤旗(白旗?)を挙げました。蛇行する新しめの林道を尾根下りでショートカットしながらこれからどうするかを思案。初志貫徹、なのかな? クロモ山北尾根の下半分を歩くことにしました。
地形図はおとなしい雰囲気をまとっているんですが、これがまあ、とんでもない食わせものでした。

クロモ山の山頂を後にしてクロモ山南尾根を登ってきた小ピークまで引き返します。
小ピークからクロモ山北尾根の降下開始です。かなりしっかりした道がつづいています。
急降下ですが小さなくの字くの字の道が規則正しくに刻まれていて
下ってきて
下ります。しっかりした道はつづきます。
クロモ山北尾根ではないことにまだ気づいていません。
鞍部で穴に岩が吸い込まれているような不思議な地形に出くわしました。
そばに立っている「水源かん養 保安林」の看板を何気なく見てみると黒いマジックで「マヤノタル」とちっちゃく書かれていました。「水源かん養」に書体を似せたのでしょうか。『奥多摩』(宮内敏雄 昭和刊行会 昭和19 国立国会図書館)の62ページによると「厩ノタル」の発音が「マヤノタル」で、鎌倉時代の武士、畠中重忠がここで馬を飼っていたのが地名の由来らしい。こんな山奥で馬を飼うメリットがよくわかりません。
鞍部からぐーっと登り、
950m圏のピークに立つ読めない文字が彫られた標石を過ぎ、
下っていくと、尾根はそのまま下っていくんですが、左からやってきた林道の終点に出ました。地形図にはない新しそうな林道です。スマホGPSを引っ張り出し、位置を確認します。ここで尾根間違いをしていたことに気づきました。クロモ山北尾根ではなく、長沢背稜の登山道を歩いていました。北へ下っているつもりが東へ東へと棒ノ折山方面に向かっていました。とほほ、ですが、落胆していてもしようがありません。とりあえず地形図に掲載されている大名栗林道をめざして下ることにしました。
新しそうな林道の曲がり角をつなぐ尾根を下っていきます。
木の股でじっとしているヒキガエルを過ぎ、
舗装された林道が見えてきました。大名栗林道です。
すんなり林道に降りられました。決めました。クロモ山北尾根の下半分を歩くことにします。
大名栗林道を西へ歩き、
5、6分でクロモ山北尾根に着きました。左が上半分、右が下半分。
クロモ山北尾根の上半分です。大岩がちらりと見えています。
林道から土崖を登り、
クロモ山北尾根を下ります。んっ、あの先はどう見ても切れ落ちています。とりあえず下ってみます。
助かりました。本筋は右に下っていました。けれどもとんでもない急降下が
つづきます。
820m圏の分岐です。右になだらかでおだやかそうな尾根が下っていますが、より本筋っぽい北向きの直進する尾根を下ります。
急降下がつづきます。水の音が大きくなってきました。
少々デンジャラスな岩稜を下ってきたりもして
行く手の尾根は谷の空中に突き出ています。回避。右へ。
ここも回避。
ここも谷の空中に突き出ています。右へ右へとトラバースをつづけて下れそうな場所を探します。
ここも無理。下れません。
急斜面ののっぺりトラバースでさらに右へ。
小尾根を乗越すとやや傾斜のゆるい谷地形でした。ここを下ることにします。
すんごいザレです。足を踏ん張るたびに10cm〜20cmほどズザリーっと小さな滑落がつづきます。
眼下にオハヤシ沢が見えてきました。堰堤も見えます。
対岸に石積が高く積まれています。その上に道が見えます。堰堤の上流で渡渉すればあの道を歩けると思うんですがトラバースして遡る気力はありません。
ザレた急勾配をオハヤシ沢に向かって降りていきます。
右岸をゆるく下っていくとすぐに有馬林道に出ました。
あちらから下ってきました。これにてクロモ山北尾根の下半分はおしまいです。
有馬林道を下ります。
ゲートを越えて振り向いて。
落とし物ですよー。わたくしもこの後に落としてしまうんですが。
栃ノ木入沢を栃の木入橋で渡ります。
すぐ下流で右手から流れてきた有間川(オハヤシ沢がどこからか有間川になるらしい)と合流しています。ちょっと休憩してまだまだ有馬林道を歩きます。
有間川の上流方向を振り向いて。
滝の入沢に架かる滝の入橋を渡ると
左は滝の入林道です。右へ。
有間川沿いの有馬林道をひたすら歩きます。家族連れやアベックでめちゃくちゃ賑わう有間渓谷観光釣場を過ぎ、えんえんと歩きます。
名栗湖左岸(北面)の道路を歩きます。
竜神の湧水でちょっと休憩。
かつては「有間ダム湧水五泉」という5つの湧水があったんですが崩落で2つの湧水が止まり、いまは竜神の湧水、有馬の湧水、金毘羅源湧水が現役らしい。近くにあるはずの金毘羅源湧水は見つかりませんでした。草に埋もれていたのかもしれません。
さわらびの湯に到着。入口横のベンチでザックを降ろし、靴ひもをゆるめて泥をおとしたりしていていると縮めて持っていた杖の最下段のシャフトが抜け落ちていました。どこかで落としたみたい。杖を縮めたのは観光釣場あたりだったかな。探しに戻る気にはなりません。ショックですがしようがありません。軍手の落とし物に引っ張られたのかもしれません。怖!
温泉に入り、広間で缶ビールを飲みながらのんびり過ごしました。
ノーラ名栗・さわらびの湯バス停に飯能駅行きのバスがぐぉーんと転回してきました。
山の神様、地権者の皆様、きょうもありがとうございました。尾根間違いに落とし物があったんですが無事に下山できました。ありがたいことです。また、よろしくお願いします。