奥多摩尾根歩き
カラ沢尾根、山ノ神尾根

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今回はカラ沢尾根を登り、山ノ神尾根を下りました。いずれも石尾根の支尾根で、石尾根の北を流れる日原川(にっぱらがわ)に向かって北東に下っています。
カラ沢尾根のてっぺんはカラ沢の頭、山ノ神尾根のてっぺんは狩倉山(かりくらやま)。2つのてっぺんの間には将門馬場(まさかどばんば)というピークらしくないピークと六ッ石山(むついしやま)というビシッとしたピークがあります。
カラ沢尾根を登るのは2度め、山ノ神尾根は1度登ったことはありますが下るのは初めてです(前回の記録はこちら→カラ沢尾根 山ノ神尾根)。 カラ沢尾根、山ノ神尾根ともにルートは地形図に記載はなく、『奥多摩 登山詳細図(西編)』(吉備人出版 以降、『詳細図』)にカラ沢尾根は名前だけ、山ノ神尾根はルートが紹介されています。ただし、今回は山ノ神尾根の下部を『詳細図』の小菅の集落に向かうルートではなく、尾根に忠実に下ってみることにしました。が、妙なことになってしいました。
コース JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→(40分)カラ沢尾根取付→カラ沢尾根→(3時間50分)カラ沢の頭→石尾根→将門馬場→六ッ石山→(45分)狩倉山→山ノ神尾根→(2時間30分)林道→(35分)[GOAL]大沢バス停→JR青梅線奥多摩駅
(8時間20分)
歩いた日 2022年3月20日(日)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→(40分)カラ沢尾根取付→カラ沢尾根→(3時間50分)カラ沢の頭


カラ沢尾根 カラ沢尾根は取付までにカラ沢右岸ののっぺり道のトラバース(山腹水平移動)があって一苦労。尾根に乗ったら乗ったでゴッツい岩場を何度かかわしたり急登にあえいだりでヤセ尾根だけれども骨太な尾根から幅広の尾根になったり、歩きごたえのある長い尾根でした。

おはようございます。東日原バス停です。先週は都心に久しぶりに雨らしい雨が振りました。奥多摩はどうだったんでしょう。
バス停前のバスが転回するためのコンクリートの広場から。これから登るカラ沢尾根が目の前に見えます。奥はタル沢尾根。白いモヤモヤはレンズの汚れです。
首にタオル、手にゴム手袋と軍手の2重手袋、杖を伸ばしてバス停前というか改修されたトイレの真ん前の階段を降ります。強力なバネで引き戻されて大きな音を立てていたドアはなくなったんでしょうか。
そんなことはともかく、階段を降りきって左へ。この先は右へ。
手すりのある坂を下ります。
カラ沢尾根が近づいてきます。
掲示板や立て看板を過ぎ、
こんな道を日原川に向かって少しずつ下っていきます。
正面奥はカラ沢。その右(左岸)がカラ沢尾根の下端です。あわよくば下端から取付こうと思っていたんですが半端ない勾配です。あきらめました。
日原橋を渡ります。
橋を渡り左へ2、3分歩いた氷川漁協の「禁猟区(だったかな)」の看板の先の
ここからくの字くの字で
登ります。とはいっても獣道っぽい道があみだくじみたいにあちらこちらにのびています。くじだけに当たり外れがあるわけで、
ハズレだったような気がする道をヒーコラと登ってきて
タル沢尾根の伐採地跡に出ます。タル沢尾根の横っ腹を登ってきたことになります。
ちょうど「カラサワ入口」と印字された紙が巻きつけられた黄帽黒杭と赤帽黒杭にぶつかりました。
トラバースして右のタル沢尾根を乗越し、
おそらく日原でいちばん知名度の高いブルーシートから
カラ沢右岸の道に回り込んでいきます。
対岸のカラ沢尾根。
滑ったらあのロープをつかむ、と目の端でロープを確認しながら
短いけれどちょっと怖い崩落地を越え、
濡れた岩や水分をたっぷり含んだ苔で滑りやすい大きな段差は1本の鉄筋(切り替え画像)で大助かりでした。振り返って撮影。
渡れない橋は崩落したザレた山肌を歩き、
カラ沢がかなり近づいて赤テープがありました。前回はここからカラ沢を渡り、そのままカラ沢尾根に取付きました。無謀でした。
今回はさらに上流に向かいますが、路肩がなで肩というかなくなってしまい、のっぺり道になったのでカラ沢に降ります。
上流方向を見上げます。取付けそうな場所は見当たりません。
とりあえず左岸に渡り、上流に向かいます。大岩の下を通過します。
大岩を過ぎてすぐ、あの鞍部を目指すことにしてテキトーに斜面を登ります。
左手に赤テープ発見。
近寄るともっと上流から登ってきたはっきりした踏み跡がありました。戻るように斜上しています。たどります。
登ってきて
ようやくカラ沢尾根に乗ります。標高670mあたりです(以降、「標高」は記しません)。
尾根の向こうには日原の集落が見えます。
ヤセた岩稜です。ペットボトルに詰めてきたほうじ茶を一口飲んで登ります。
登ってきて
次はこんな岩。直登は無理。
右側はもっと無理。
ということで左しか進めないんですが、ラッキーなことにちゃんと踏み跡らしきものが続いています。
回り込み中。ここからは登れません。もう少し回り込んで
登ってきました。
岩のてっぺんから西から東へ。西の景色。
ちょっと右へ。
ちょっと右へ。
東の景色。
次の岩です。直登は無理です。
右。無理です。嫌です。
左へ回り込みます。
ここから登れそう(確か前回はここから登ったような)ですが、
さらに巻きます。
さらに巻いてみます。
ここなら楽ちんそう。鉄材が横たわっているのが見えます。
登ってきて
尾根上に復帰しました。
かつて伐った木をがんがん運び出したに違いない遺物を通過します。
テキスト。テキスト。
730mあたりです。岩稜はおしまいでしょうか。
左にはタル沢尾根がすぐそこに見えます。
また岩です。激ヤセ尾根です。
760mあたりのポコリとしたピークを越えます。
ポコリからは日原川の上流方向と
下流方向がよくでもないけどそこそこ眺められました。ほうじ茶を一口飲みます。
右が激しく切れ落ちているというかえぐれているヤセ尾根を歩きます(切り替え画像は通過して振り返って)。
ヤセた岩稜がえんえんと続きます。
岩場をへつるように巻きます。
790mあたりの大崩落地を右に見ながら通過します。バス停から見えていました。
登ってきて
グネっとした場所通過します。
手前にタル沢尾根、奥にはあとで下る山ノ神尾根が見えています。
もう少し登って、タル沢尾根と稜線部分だけの山ノ神尾根、奥に本仁田山(ほにたやま)が見えます。
左右から尾根が登ってきて合流しながら高度を上げて行きます。900mあたりからヒノキの植林に覆われました。
小屋跡を通過します。かなり大きな小屋だったんじゃないでしょうか。仕事終わりの一杯が二杯に、三杯、四杯、五杯。混ぜてほしいものです。
小屋跡から10分ほど登りました。タワ尾根がずーんと長沢背稜(ながさわはいりょう)に向かっています。
手前の木と遠くの木の間にガシッとはまっている間伐された木を通過します。
1010m圏。尾根はダラ~ンと広がりました。ヤセていた岩稜がウソのようですが本当です。テキトーに登ります。
1040m圏の原っぱみたいな場所を通過しました。
あちらあたりから登ってきて
登ります。1140m圏で尾根の形がはっきりしてきました。
また岩がちになりましたが、
すぐに終了。
1229mの標高点あたりを通過します。とくになにがあるわけではありません。そういえばカラ沢尾根はそこそこ長い尾根ですが標高点はここにしかありません。西隣のネズミサス尾根や東隣のタル沢尾根はひとつもありません。だからどーした、って言われてもこちらが聞きたいです。
あぁ、日付が入った。
登ってきて
尾根はほぼ雑木に覆われました。右手にネズミサス尾根が見えます。
ネズミサス尾根との合流点に向かってそこそこの急登です。
雲の薄いところから陽がさしました。
気づけばネズミサス尾根との合流点は過ぎていました。振り返って、右が登ってきた涸れ沢尾根で左がネズミサス尾根です。
きょう初めて見た標石。1430mあたりです。背景は鷹ノ巣山。
こんなピークをひとつ越え、
ふたつ
越えてくると
カラ沢尾根のてっぺん、カラ沢の頭に到着です。
カラ沢尾根方面にはロープが張られています。
カラ沢の頭から北の景色。いちばん奥に長沢背稜。
カラ沢の頭から東の景色。本仁田山の方向です。
カラ沢の頭から南の景色。いちばん奥は奥多摩湖の向こう、笹尾根(ささおね)だと思います。
カラ沢の頭から西の景色。石尾根がのびています。これにてカラ沢尾根はおしまいです。
次は山ノ神尾根を下ります。下端部を『詳細図』のルートではなく、尾根をまっすぐ下るというちっちゃい野心を胸にカラ沢の頭を後にしたのでした。