奥多摩尾根歩き
カイキ尾根、鷹ノ巣山中尾根

(2/2)


小六谷・金左小屋窪出合近く→(10分)金左小屋窪左岸尾根取付→金左小屋窪左岸尾根→(2時間40分)石尾根1650m圏→水根沢林道→(2時間40分)[GOAL]奥多摩湖バス停→JR青梅線奥多摩駅


鷹ノ巣中尾根は小六谷と金左小屋窪の出合から北へ、石尾根の1650m圏までせり上がっている尾根です。古い地図に中尾根と記載されています。
本尾根かな、と取付いた尾根の前半は急峻な岩崖登り、ガレた急登、ガレザレの急登、ザレた急登。後半は尾根はばーんと広がってちょっとゆるやかな尾根歩きになったかと思ったらそーでもなく、急登が混じってキツいのなんのって。アセビが尾根を覆うようになると小ピークなんかがアクセントになるんですが消耗している身にしては余計なお世話だったりします。

鷹ノ巣山中尾根の下端は何本かに分岐していてどれが本尾根か判然としません。全ページ最後の動画のように尾根を見渡して、小六谷の下降点からほんの少し下った、岩がゴツゴツした尾根に取付くことにしました。なんとなくです。吉だったのか凶だったのか、どちらかというと凶寄りだったよーな。
岩ゴツ尾根を登ってきました。小六谷の下流方向です。あの先に金左小屋窪出合があってその先に大滝がかかっているはずです。
小六谷の上流方向です。谷沿いにワサビ田跡が続いています。前ページの古い地図に記載されている小屋はあのあたりのような気がしますがそれらしいものは見つかりませんでした。それにしてもこんな深山での生業なんて、なんかこう、ぐっとくるものがあります。
登ってきて振り返り、
浮石地獄の急登が続き、尾根に立ちふさがる岩が見えてきました。
左手のネズミサス尾根。名前のわりには堂々としたお寝姿です。じゃなくて尾根姿です。
岩を這い上がります。
こっちよりあっちがラクだったかな。どっちもどっちかな。
岩はあてにならないので木を掴んだりルーツファインディング(登攀を支持する木の根を探ること)で這い上がってきて
990m圏で手を使わなくてもなんとか登れるようになりました。
あのてっぺんで左右から登ってきた尾根と合流しそうです。キッツイい登りです。
1100m圏でそこそこしっかりした道にぶつかりました。右(西)方向。
左方向。薄い道ですがずっと目で追うことはできます。
『奥多摩の山と谷 (登山地図帳)』(奥多摩山岳会 編 山と渓谷社 昭33 153ページ)からの引用です。「鷹ノ巣谷遡行図」に「ソリ道」という記載があります。ソリは橇なのでしょう。収穫したワサビや栽培のための資材や道具、小屋の滞在に必要な物資、あるいは伐採した木なんかを運んだ道に違いありません。
本文には金左小屋窪の遡行に関して「廃径になったソリ道を乗越すと水はなくなり」とあります。今回の出発前にソリ道の痕跡だけでも見てみたい、とっても見てみたい、と強く願っていたのでした。それがこの道でしょうか。だったらめちゃくちゃうれしいんですが、うーん、確認のしようがありません。しばらく道に立っていました。
登ります。右手にカイキ尾根がはっきり見え、
左手はネズミサス尾根
振り返ると小川谷の燕岩の岩肌が見えました。
ザレ気味のやや急登が続きます。
左から登ってきた尾根と合流しました。とくになにがあるわけでもなく、左手を見るとネズミサス尾根から赤ナギ窪右岸尾根(テキトー名付け)がこちらに向かってビシッと下っています。いつか歩いてみたいんですがかなり凶相です。
キッツい登りは
1260m圏でアセビが覆うようになるとゆるみ、
左手の石尾根を見る余裕も。
右から登ってきた尾根と合流。
1355mの標高点を過ぎていました。標高点あたりを見下ろして撮影。
アセビが濃くなると尾根はさらにゆるやかになりました。
1400m圏。本日、平坦な尾根は初めてです。
広大な尾根になりました。ちょっとびっくり。
広場を歩いてきて
アセビに覆われた小ピークに取付きます。
ピークから先はまた平坦な尾根です。
1460m圏でぐにょーとした地形になり、左奥に見える尾根をめざします。
かなりの急登になりました。
斜めにぐぐぐーっと登ってきて
石尾根の稜線が見えてきました。登ります。
登ってきて
石尾根の1650m圏に到着。これにて鷹ノ巣山中尾根はおしまいです。
右手に鷹ノ巣山。姿は見えませんが人の声が聞こえてきます。山頂まで行ってみようか、と思ったか思わなかったかの刹那に却下。寄り道はなしで予定通り水根沢林道を下ることにします。
石尾根を下ります。振り返って鷹ノ巣山中尾根
すぐに石尾根をはなれて右へ。榧ノ木尾根(かやのきおね)に向かいます。
道すがら。
榧ノ木尾根をはなれて水根沢林道に向かいます。
石尾根の巻道を分けて水根沢林道へ。ひたすら下ります。とことん下ります。
小屋掛けを通過。
白化と苔で和菓子みたいな色合いの石積を通過。
道すがら。
三本欅ノ沢をぐるんと越えます。
奥の木橋で左岸へ。
道はずいぶん整備された雰囲気です。
大堀沢に架かる木橋が新品になっていました。スギが香りました。
花と水根沢。
榛ノ木沢をぐるんと回り込みます。
間伐されて鬱蒼としていた林が明るくスッキリしていました。
崩落地の高巻きです。
水道局のモノレール工事の拠点から
直進する車道ではなく、右に下って山道へ。
水根の集落に着きました。
水根バス停に着いたんですが次発まで40分ほど。奥多摩湖バス停まで登り、バスを待ちました。18時台のバスがズザーッとやってきてたくさんの行楽客やハイカーが乗り込みました。
山の神様、地権者の皆様、きょうもありがとうございました。カイキ尾根鷹ノ巣山中尾根もかなりハードな尾根歩きでしたが無事に帰ることができました。あつかましいですが、また、よろしくお願いします。