奥多摩尾根歩き
日陰指尾根、タル沢尾根

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久々の尾根歩きです。約2か月半のブランクを経て復活だ! なんて気負う気持ちはちっともなく、ちゃんと歩けるだろうか、無理をせずしんどくなったら即退散、両足首いっぺんに捻挫とかしないだろうか、虫垂炎にならないだろうか(いや、これはない。もう切ったから)、痛風の発作が襲ってこないだろうか、天気があまりよくないけど雷がドッカンドカン落ちてこないだろうか、などなど思い煩うことが次から次へ湧いてきて、出発前からそこそこ腰が引けながらの奥多摩だ。
今回の尾根歩きは日陰指尾根(ひかげざすおね)とタル沢尾根。どちらも『山と高原地図』にも地形図にもルートの表記はない。ふふふ、いわゆるバリエーションルートですね。ここを歩きます。「えっ、大丈夫?」と思われた方は、わたくしの登山偏差値をなぜか正しく把握していますね。
確かに久々の尾根歩きでこのルートはしんどかった。思いもしない岩登りもあったし、道迷いもしちゃいました。
日陰指尾根は石尾根(いしおね)上の狩倉山(かりくらやま)から東北東に下る尾根で、下端は大沢バス停あたりになる。今回は大沢バス停から日陰指尾根を登り、石尾根をすこし鷹ノ巣山方向へ歩いて将門馬場(まさかどばんば)へ。将門馬場(まさかどばんば)から北東へ延びるタル沢尾根を下り、東日原バス停を目指すというルートです。全体のコースタイムは7時間30分になると計算。実際は8時間でした。相変わらずヨミは甘いけれど、長いブランクを考えれば、まあ、まあまあ、といった感想です。
コース JR青梅線奥多摩駅→[スタート]大沢バス停→(10分)日陰指尾根(の下の方)→(4時間)狩倉山→石尾根→(40分)将門馬場→タル沢尾根→(3時間)[ゴール]東日原バス停→倉沢バス停→JR青梅線奥多摩駅
歩いた日 2015年9月5日
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線奥多摩駅→大沢バス停→日陰指尾根


日陰指尾根はちょっとした崖登りもある急登だらけの尾根でした。

おはようございます。奥多摩駅前のバス停です。東日原行きを待っています。まず、川乗橋まで行く臨時バスが運行されました。たくさん乗りました。わたくしは大沢までですから、この臨時バスに乗ってもよかったんですが、なんとなくぐずぐずして通常便の東日原行きのバスに乗り込みました。
大沢バス停で降りました。降りたのはわたくし一人。そうですよね、みなさんはほとんどが川乗橋より先に行くんですものね。降りるため前ドアに向かって、足下の荷物をよけながらよたよた歩いたんですが、車内の雰囲気はなんかちょっとイラッとした感じでした。「はんっ? なんで臨時便に乗らんかったんや、このオヤジ。わしら着くの遅うなるやろ」みたいな。ひらたく言えば、白い目で見られてるみたいな。けど白い目、つまり白目では何も見えないですよね。黒いところじゃないと見えないですよね。ま、いいか。
たくさんの白い目を乗せたバスは橋を渡っていきましたが、わたくしは橋の手前を左へ。車道を歩きます。
こんな車道です。以前、山ノ神尾根を登ったときにも歩いています。
5分ほど経過。何だかもう息が切れてきました。どうもペースがつかめない。
ヘアピンカーブを2つほど過ぎてわたくしの黒い目(しつこい)はカーブミラーを捉えました。このガードレールの末端から日陰指尾根を目指します。
しつこいほどテープが巻かれています。
はかない踏み跡がある右方向へ進んでみる。2、3分は右下に車道を見ながらゆるゆると登っていたけれど、ちっとも高度を稼げません。意を決して、左に向きを変え急登です。
木の根に生えた苔にシカらいしい足跡が残っていました。
道はあるようなないような。植林帯のなかを適当に高みを目指します。めちゃくちゃ急登です。
ムカデ。
同じヤツ。
何だか前方が明るくなってきました。
こぢんまりした伐採地でした。左端を登ります。
で、すぐさま植林帯に戻ります。
謎の遺構を発見。左方向が何となく尾根筋っぽいのでそちらに歩いてみます。
よっしゃ! 尾根歩きらしくなってきました。
赤テープが巻かれた細い枝がまるでゴールのようにアーチを作っていました。が、まだまだこれからです!
道中。
急登が続きます。
やっぱり急登が続きます。
尾根筋をできるだけはずさないように歩きます。
岩の小山が出現。ここは左へ巻いて難なくいなせた。
そのすぐ後、より大きな岩山が出現。
近寄ってみるとこんな感じ。わたくしの技量では正面突破は無理。左か右へ巻きたいけれどこれといった踏み跡はない。で、何となく楽そうな右へ。
左手の画面が切れたところに岩山があります。とりあえすこの方向に進み、適当な所で左へ登る算段です。
プロトレックによると標高は842m。まっ、精度はプラマイ30mという使用感ですが。
岩山を右へ回り込み中です。
そこそこ急な斜面をトラバースしていきます。
で、左手に登りやすそうな斜面を発見。ここを登ります。
ハチの巣がありました。小さな穴いくつかあってハエみたいなハチがしきりに出入りしていました。わたくしはプーさんではないので巣穴は無視して、というか無視してくれるようにお願いしながら横を通り過ぎました。
右方向から登ってきました。ここから滑り落ちたらたいへんです。
逆くの字型に左へ方向を変え、岩山のてっぺんを目指します。
岩山のてっぺんから腕を伸ばして下の方を撮影してみました。なんだかわかりませんね。
木立の向こうの山を撮ったつもりの写真。
キノコ。シロオニタケでしょうか。
またもや岩山出現。巻道はなさそうなんで正面やや左からよじ登ることにしました。
岩山直下から上方を見上げたところ。ここから登ります。
途中で振り返ってみた写真。こう見るとなんでもない坂ですね。う〜ん、そうだったかな。けっこう大変な思いをして登ったんですけど。
で、見上げてみる。まだ先は長い。こっちはちょっと迫力ありますね。そうです、気分的にはこの写真の2割ましくらいの迫力のある岩登りというか崖登りでした。
岩山のてっぺんから腕を伸ばして下の方を撮影してみました。う〜ん、なんかね違うんだよね。もっとこう荒々しくて厳しいものがあったような。そうでもなかったのかな。標高は1021mを指していました。
尾根歩きは続きます。
キノコ。
まだまだ尾根歩きは続きます。左右から尾根が寄ってきています。
城壁みたいなものが見えます。
左からやってきた尾根です。
尾根の上は尖った岩がいくつも突き刺さったようで、水晶の結晶を思い出す雰囲気。
で、この尾根を右に進みます。歩いているときは実は、まったく予想していなかったルートなので?マーク乱立だったのですが、帰宅して地形図を見ると確かに岩場を示すボコボコの線が東西に走っているですよね。やるじゃないか地形図、ダメじゃないかわたくし。
水晶帯は短い距離で終了。しばらく歩くとまたもや城壁みたいな隆起が見えてきました。
ここは城壁の裾を右へ右へと巻きます。
そこそこ登りました! という写真のはずだけどいまひとつそのやった感が見られないショット。