奥多摩尾根歩き
藤巻沢左岸尾根、シンナシ沢右岸尾根

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今回は藤巻沢左岸尾根(ふじまきさわさがんおね)を登り、シンナシ沢右岸尾根を下りました。
いずれも榧ノ木尾根(かやのきおね)の支尾根で、藤巻沢左岸尾根のてっぺんは1260圏のコブ、シンナシ沢右岸尾根んじょてっぺんはすぐ北の1270圏のコブあたり。東南に下って水根沢(みずねさわ)に没しています。水根はもちろん、ドラマ『駐在刑事』で元警視庁捜査一課刑事の江波敦史が駐在するあの水根駐在所の水根です。
藤巻沢左岸尾根を登るのは初めて、シンナシ沢右岸尾根を下るのは2度めです。けれどもシンナシ沢右岸尾根が2度めだと知ったのは帰宅してから。びっくりしました。まったく記憶にありませんでした。しかも前回は水根沢まで降りて対岸の水根沢林道に登っていますが、今回は水根沢に降りるのは断念して右岸の中腹道をてくてく歩いて水根集落まで戻りました。これを退化と言わずしてなんと言うのでしょう。トホホ、です。けれども、まっ、水根沢右岸中腹道をガッツリ歩けたのでそれはそれで良しとします。
コース JR青梅線奥多摩駅→[START]水根バス停→水根沢林道→(1時間)水根沢→藤巻沢左岸尾根→(2時間10分)榧ノ木尾根(1260圏のコブ)→(5分)榧ノ木尾根(1270圏のコブ)→シンナシ沢右岸尾根→(1時間20分)水根沢右岸中腹道→(1時間10分)[GOAL]奥多摩むかし道分岐→JR青梅線奥多摩駅
(5時間45分)
歩いた日 2022年4月16日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線奥多摩駅→[START]水根バス停→水根沢林道→(1時間)水根沢→藤巻沢左岸尾根→(2時間10分)榧ノ木尾根(1260圏のコブ)


藤巻沢左岸尾根 水根林道から水根沢に降りて渡渉、下端から取付きました。沢から植林に囲まれた尾根歩きが続き、910m圏で伐採地跡らしい明るい尾根に出ました。尾根上は何重もの防獣ネットに囲まれていましたが、通路(?)はつくられていて助かりました。御前山(ごぜんやま)や大岳山(おおたけさん)が見える展望の開けた場所もあります。

おはようございます。奥多摩駅です。雨がポツリポツリと落ちています。
小菅の湯行きのバスに乗り約15分、水根バス停で下車。
少し戻り、右手の奥多摩むかし道への坂道を登ります。
何を読んでいるのかニヤケ顔の二宮少年を通過します。
右に奥多摩むかし道を分け、直進。
道標の立った右の坂道へ。
山道になり、「鷹ノ巣山 七ツ石山」方面へ。水根林道ってこのあたりからでしょうか。
この先は崩落しているので高巻きます。右に登ると車の通れる水根林道の終点です。
林道の先の崩落地上を歩きます。
高巻き中。
林道に復帰。
藤巻谷左岸尾根の下端に降りられそうな踏み跡を発見。下ってみます。
急降下です。沢からくしゃみが聞こえます。キーーーンと大きく甲高い熊鈴の音も聞こえます。
釣り人がルアーを投げていました。対岸が藤巻谷左岸尾根です。
釣り人がいなくなるまでブラブラしました。と言ってもそれほど行き場所はあるわけはなく、水根沢に突き出た小尾根の先端まで歩いてみました。Googleマップに「半円の滝(水根沢)」と記載がある場所あたりです。おそるおそる見下ろすと尾根を回り込む半円を描く流れに滝がかかっているようです。
熊鈴の音が遠くなり、釣り人は釣り上がったようです。沢に降りました。
水根沢の上流。
半円の滝のある下流。
対岸の藤巻谷左岸尾根です。なんとか取付けそうです。
水根沢を渡り、
取付きます。
登り、上流に向かってちょっとトラバース(山腹水平移動)してみました。あれが半円の滝でしょうか。
登ってきて
登ります。くの字くの字で薄い踏み跡があります。
急登にあえいできて
右にゆるくカーブを描いて尾根は続きます。
岩がちなヤセ尾根の急登です。
ヒノキの植林です。
急登が続き、
標高860m(以降、「標高は省略」)あたりで水根沢右岸中腹道にぶつかりました。
右に少し進んでみると水平道と尾根を斜上する道の分岐があり、
テープには「歩道整備」と書かれていました。
ちょっと休憩し、引き続き尾根を登ります。
900m圏でまな板を傾けたような平らで幅広の勾配のキツい尾根になりました。
くの字くの字で登り、左の稜線に出ました。伐採地跡でしょうか、南方が開けています。910m圏です。いちばん奥のなだらかな尾根は大麦尾根でしょう。
ザレた急登です。
防獣ネットにぶつかりました。うーむ、ネットを回り込みながら扉なんかの入り口を探すしかないかな、
などと思いながら振り向くと雲海の向こうに御前山や大岳山が浮かんでいました。
防獣ネット問題はあっけなく解決しました。ネットの裾はワイヤーでビシッと山肌に密着しているんですが、尾根上の1区画分だけネットの裾が留められてなく、長く山肌に垂れていました。ここをめくってくぐって下ろして、蚊帳の出入りの要領で尾根上をほぼ直進することができました。布団はなく、こんなススキの原を歩いたりします。
右手に下る予定のシンナシ沢右岸尾根が見えます。
体をちっちゃくしてヒノキの幼木や雑木の壁に突っ込んでいきます。
1区画だけ留められていないネット。5、6回ほどネットをめくってくぐって下ろしました。最初はザックにネットが引っかかってカスミ網に捕らわれた鳥みたいになりましたが、くぐりながら体を反転させる技を習得してからは捕まらなくなりました。
丸太の土留めを通過します。
1030m圏。めくってくぐって下ろす場所が見つからなかったんですが、ちょっと右に移動すると「こちらです」みたいにネットの裾を持ち上げてロープで固定している場所がありました。助かりました。
晴れてきました。水根沢めがけて落ち込んでいる尾根がくっきり見えます。
1070m圏で右手にネットが迫ってきたので外に出ることにしました。
ネット沿いに登ってきて
登ります。急登です。ちいさなくの字くの字でしのぎます。
1140m圏でネットは途切れ、勾配はキツいものの心地よい場所に出ました。
雲が流れ、大きな山容を現した御前山と白い顎髭のように雲をくっつけた大岳山。
再びネット沿いを登るようになったけれど
登ってきてネットは終わり、
植林の中を歩いてくると
榧ノ木尾根に合流しました。これにて藤巻谷左岸尾根はおしまいです。
榧ノ木尾根を少し北上し、シンナシ沢右岸尾根のてっぺんを目指します。