奥多摩尾根歩き
棒杭ノ頭南尾根、棒杭ノ頭北尾根、グミの滝

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今回は棒杭ノ頭南尾根(ぼうくいのあたまみなみおね)を登り、棒杭ノ頭北尾根を下りました。どちらもテキトーな名付けです。棒杭ノ頭で長沢背稜(ながさわはいりょう)を「こちら」から「あちら」へまたぐ、「長沢背稜またぎ」の尾根歩きです。またいだ先にはグミの滝という落差20mほどの美しく優しげな滝が流れ落ちていて、右岸に突き出た小尾根の突端から眺めることができました。
棒杭ノ頭南尾根の下端は長尾谷(ながおだに)が名前のわからない谷との出合で、日原川(にっぱらがわ)左岸の支流である倉沢谷(くらさわだに)の最上流部です。棒杭ノ頭北尾根の下端は細久保谷左俣(ほそくぼだにひだりまた シセン)が上流でさらに二俣に分かれるあたりのグミの滝の近くです。どちらの尾根も尾根歩きそのものの距離は短いんですが、情報はほぼなく、ちょっぴりドキドキハラハラの尾根歩きに出発したのです。
コース JR青梅線奥多摩駅→[START]倉沢バス停→倉沢林道→(50分)棒杭尾根取り付き→(10分)林道終点・長尾谷右岸歩道(シオジ窪出合い)→(55分)右岸歩道終点→(10分)棒杭ノ頭南尾根取付→棒杭ノ頭南尾根→(1時間50分)棒杭ノ頭→棒杭ノ頭北尾根→(1時間30分)グミの滝→(1時間)天目山林道→(1時間)県道→秩父さくら湖右岸道路→国道と秩父鉄道の間の道→(3時間20分)[GOAL]西武鉄道西武秩父駅
(10時間45分)
歩いた日 2022年4月23日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。とくに深い谷の軌跡は悲惨です。

JR青梅線奥多摩駅→[START]倉沢バス停→倉沢林道→(50分)棒杭尾根取り付き→(10分)林道終点・長尾谷右岸歩道(シオジ窪出合い)→(55分)右岸歩道終点→(10分)棒杭ノ頭南尾根取付→棒杭ノ頭南尾根→(1時間50分)棒杭ノ頭


棒杭ノ頭南尾根 林道倉沢線(以降、倉沢林道)、長尾谷右岸道を歩き、取付まで2時間以上かかりました。長尾谷と名前のわからない沢の出合に切れ落ちている下端部は岩。なんとか登れないことはなさそうだけれども、回り込んでみると岩を登りきってからの数mの下降が怖そう。ということでその岩を降りた鞍部を目指してザレた横っ腹を這い登りました。尾根は全篇ほぼ急登なんですが、岩ありヤセ、岩なしヤセ、アセビあり幅広、スコーンと明るい雑木などなどそのバリエーションは豊富でした。

おはようございます。奥多摩駅から東日原行きバスに乗り、倉沢バス停で降車しました。
少し戻り、倉沢林道に向かいます。一緒に降りたいかにもベテランといった風情のハイカーはとっとと先に行き、二度と見ることはありませんでした。
対岸の崩落地の
こちら側の大きな陥没。山側のしっかりした踏み跡をたどり、
魚留橋(うおどめはし)を渡りながら
魚留滝を見上げ、
地蔵橋(ちそうはし 多分)を渡るとすぐ
棒杭尾根への道が左に上っていきますが、長尾谷の右岸沿いに(ここから倉沢谷から長尾谷になるらしいけれどはっきりしません)直進します。
ちょっぴり荒れた雰囲気の道が続きます。
シオジ窪という谷の出合に降りる木橋を通過します。
左奥から流れ込むシオジ窪とシオジ窪左岸尾根の下端。鳥屋戸尾根(とやどおね)の松岩ノ頭(まついわのあたま)から松岩ノ頭西尾根を下ったときにここから出合に降りました。
朽ちかけた木杭に守られた道が続きます。
この先は岩が屏風状に立っていて右岸を進めません。
左岸に渡りました。
左岸に流れ込む小さな谷の上流に向かいます。
小さな谷の左岸は偶然でしょうか、岩を削ったような小道があります。
20mほど登ってきて
対岸の岩の凹みに取付き(赤テープがヒラヒラしていました)、這い上がると
しっかりした道が続いています。
が、この橋はしっかりしてなさそうなので
上流に向かう踏み跡をたどり、テキトーな場所で対岸に渡ります。
すぐに高巻きが始まり、谷から離れていきます。ここで釣り人2人と会釈を交わしました。
グーッと高巻き、
桟道を渡り、と言うか山側の土の上を歩き、
苔むした倒木や岩がごろごろした涸れ沢から道があやふやになるんですが、
これくらいの踏み跡はあって、
たどるとあんなところを歩くことになります。
こんなところです。苔を生やした岩の上の狭い道を歩きます。
下にしっかりした道が見えました。高巻きすぎたようです。移ります。
こんな土砂崩れ跡を越えると
広い河原のような場所に出ました。ここで長尾谷右岸道はおしまいです。この先で右岸は歩けなくなるのでテキトーな場所で左岸に渡ります。
2、3分で目指す棒杭ノ頭南尾根の下端です。左奥から名前のわからない谷が流れ込んでいます。ここから取付けるのか微妙。
かつて登った左又窪左岸尾根(ひだりまたくぼさがんおね)は長尾谷のもう少し上流で、あの尾根の向こう側です。
そんなことはともかく、ここから棒杭ノ頭南尾根に取付くか、おおいに迷います。この岩稜は登れなくもなさそうですが、その後がどうなるのかちょっと不気味です。
名前のわからないこの谷をさかのぼって取付き点を探してみるかな、などと思いながら
ちょっと長尾谷の上流へ歩いてみました。棒杭ノ頭南尾根の右側です。ガーッと左から岩稜を登り、ピークからバシッと右に切れ落ちているように見えます。デンジャラスです。最下端部から取付くのは却下。
その切れ落ちた鞍部で尾根に乗ることにしました。ここから取付きます。ザレた急登ですが、獣の踏み跡らしい薄い凹みがくの字くの字で見えるような見えないような。
登ります。あの左上の青空が見えているところが目指す鞍部です。
登ってきて
もう少しです。斜上します。左の岩塊が下端部からせり上がってきた岩稜の端っこです。
登ってきて
尾根に乗りました。
岩稜の端っこ。うーむ、下れたかもしれません。
ペットボトルに詰めてきたほうじ茶を一口飲んでちょっと休憩。岩がちなヤセ尾根の急登が始まります。
そーとーな急登です。
ひーこらと登ってきて
標高1080m圏(以降、「標高」は省略)で急登は一息つきました。
アセビの花が満開です。いい天気ですが夕方近くには奥多摩側も秩父側も雨の予報です。
ヤセ尾根いっぱいいっぱいに大きな倒木や雑木が詰め込められていたりもします。
1170m圏からこれまで以上と思われる急登が始まりです。
高さはないんですが、岩が尾根を覆っています。隙間を探して突破します。
岩を抜けたんですが、アセビの森のキビシい急登が続きます。
登ってきて
登ります。あの先で空が広がっています。勾配はゆるくなるのでしょうか。期待大です。
登ってきて
ヤセ尾根になりました。岩なしです。期待どおりこのあたりは平坦ですが、先の急登が見えています。トホホの1200m圏です。
花の向こうの棒杭尾根。
油断していました。アセビの森の急登が終わって完全に油断していました。岩混じりの急登が始まります。1220m圏です。
長尾谷、倉沢谷の下流方向。いちばん奥の山は御前山(ごぜんやま)っぽいですね。
雰囲気の明るいアセビの森の急登になりました。1280m圏です。
棒杭ノ頭直下の急登が始まりました。
右手の長沢背稜の蕎麦粒山(そばつぶやま)や仙元峠(せんげんとうげ)を見ながら息を整えます。
登ってきて
長沢背稜の縦走路にぶつかりました。
縦走路の左(西)。
右。
そのまま尾根の続きを登り、
棒杭ノ頭に到着。だと思ったんですが、西のあちら、
このピークに山名版がぶら下がっていました。高さは確かにこちらのほうが高いんですが、1449mの標高点は先程の地点だと思います。まっ、たいした問題ではありません。これにて棒杭ノ頭南尾根はおしまいです。取付までの谷沿い歩きやヤセた岩稜歩きは面白かったです。
さて、次は棒杭ノ頭北尾根を下りグミの滝を目指します。