奥多摩尾根歩き
笙ノ岩山西尾根、松岩ノ頭西尾根

(1/2)


今回は笙ノ岩山西尾根(しょうのいわやまにしおね)を登り、松岩ノ頭西尾根(まついわのあたまにしおね)を下りました。
どちらも鳥屋戸尾根(とやどおね)の支尾根で、西側の倉沢谷(くらさわだに)に向かっています。
笙ノ岩山西尾根は笙ノ岩山をてっぺんにして倉沢谷と笙ノ岩沢の出合に落ち込んでいます。林道倉沢線(以降、倉沢林道)から出合を目指して下降し、倉沢谷を渡って笙ノ岩山西尾根に取り付くはずでしたが、うまくことは運びませんでした。
松岩ノ頭西尾根は松岩ノ頭(1268m)からシオジ窪という谷が二俣に分かれる830mあたりに下っている尾根です。下端部の急勾配をヒヤヒヤしながら下り、シオジ窪、長尾谷を渡って倉沢林道へ。倉沢林道をてくてく歩き、スタートした倉沢バス停に着いたんですが、バスの時刻まで時間があったので川乗橋バス停まで歩きました。
※倉沢谷の渡渉は『花のひかり』(komado氏)を大いに参考にさせていただきました。2つの尾根の名前も『花のひかり』によらせていただきました。ありがとうございます。

コース JR青梅線奥多摩駅→[START]倉沢バス停→倉沢林道→鳴瀬橋→(40分)笙ノ岩山西尾根取付→笙ノ岩山西尾根→(2時間35分)笙ノ岩山→(35分)松岩ノ頭→松岩ノ頭西尾根→(1時間10分)シオジ窪二俣→倉沢林道→(35分)魚留橋→倉沢林道→(40分)倉沢バス停→(35分)[GOAL]川乗橋バス停→JR青梅線奥多摩駅
(7時間)
歩いた日 2021年12月18日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線奥多摩駅→[START]倉沢バス停→倉沢林道→鳴瀬橋→(40分)笙ノ岩山西尾根取付→笙ノ岩山西尾根→(2時間35分)笙ノ岩山


倉沢谷を見下ろしながら笙ノ岩山西尾根に取り付ける場所を探し、なんとか倉沢谷を渡渉。支尾根に乗ったんですが、主尾根方向に向かってのびる薄い踏み跡(獣道?)があったんでたどってみました。主尾根の尖ったピークに立ち、尾根歩きを開始。ザレ気味のキビシい急登が続きました。

おはようございます。奥多摩駅から東日原行きのバスに乗り、倉沢バス停で降車。標識にアゲハチョウらしき幼虫がぶら下がっていました。バスに背を向け、
ちょっと戻って正面奥にのびている倉沢林道へ向かいます。
未明に降ったらしい雪が薄く残っていました。
バリケードを越えます。このタイプはA型というらしいです。横から見るとAの字に見えます。
目指す笙ノ岩山西尾根が見えてきました。まだ陽はあたっていません。
この写真ではよくわかりませんが、対岸の笙ノ岩沢です。滝になって流れ落ちています。この沢の右岸が笙ノ岩山西尾根です。
尾根の下端です。うーん、あそこを登れるのでしょうか。
尾根の下端は鳴瀬橋(なるせはし)の向かいでした。倉沢林道は倉沢谷右岸の沢や倉沢谷を5つの橋で渡っています。下流から宮下橋(みやしたはし)、八幡橋(はちまんはし)、鳴瀬橋、魚留橋(うおどめはし)、地蔵橋(じぞうはし)です。
下端を見下ろします。うーん。
見上げるとこんな感じ。うーん。立木で細部はわかりませんがなんだかおっかない雰囲気です。ここから長尾谷に降りて渡ることも下端に取り付けそうにもありません。先に進んでみます。
滝を見下ろしながら切通を通過し、
笙ノ岩山西尾根の支尾根の下端部です。ここならなんとか登れそうです。ただ長尾谷に降りられません。先に進みます。
林道側の砂防堰堤を過ぎてすぐです。ここなら谷に降りられ、渡渉できそうです。
長尾谷を渡りました。
踏み跡らしきものをたどって支尾根に向かって登ります。
支尾根に乗りました。下方です。
上方です。左下隅の白いものは軍手(多分、人差し指)です。この支尾根を登っていけば870m圏で主尾根に合流するはずです。
けれどもあやふやですが踏み跡は続いています。うまくいけば主尾根までトラバース(山腹水平移動)してそのまま主尾根を登れるかもしれません。ということで
踏み跡をたどってみました。
笙ノ岩山西尾根が見えてきました。右からグーッと登ってきて三角形のピークをつくって下っています。あんなにハッキリしているピークですが地形図からは読み取れません。あの尾根筋を登るのはキビシそうなので手前から斜上してテキトーなところで合流しようと思ったんですが、
斜上の途中でどうしてもあの三角のピークに立ってみたくなり、ここからピークを目指すことにしました。
登ってきて、崖を登るんですが、写真を撮るような余裕はこれっぽっちもなく、
ようやく三角形のてっぺん、笙ノ岩山西尾根に立ちました。630m圏です。正面に見えるのは長尾谷対岸の倉沢オキ尾根です。左からの倉沢見通尾根と合流して右の滝入ノ峰(たきいりのみね)のてっぺんでヨコスズ尾根に合流します。
倉沢谷の下流方向。あれは石尾根の六ツ石山でしょうか。UCC BLACK 無糖 Richを一口飲んで出発します。熱かったアルミ缶は冷えきっていました。
トグロを巻いた古いワイヤーを通過します。
アセビの藪をちょっと下ると急登がはじまりました。
尾根右側の笙ノ岩沢。伏流水になっているようです。
登ってきて
岩を縫うように登ります。急登です。
登ってきて
730m圏で岩混じりの急登から岩混じりなしの急登になりました。
800mあたりから振り返って見たヨコスズ尾根。
倉沢谷を渡渉してすぐの登らなかった支尾根と合流しました。870m圏です。
合流後はややヤセの尾根になりました。
ヨコスズ尾根の向こうに長沢背稜(ながさわはいりょう)が見えています。
アセビの枝に弾かれながら登ってきて
登ります。
でっかい岩の上に乗ったでっかい木です。モミかツガだと思うんですが、多分モミです。
右手は笙ノ岩沢の源頭部です。
空が広がってきました。あの木立の向こうは、
アセビの急登からの
フツーの急登でした。
右手にグイグイ登ってきている鳥屋戸尾根が見えます。もうすぐ合流します。
急登です。
笙ノ岩山のてっぺんを目指し、尾根からちょっぴり右にはずれて登ってきたんですが、これは失敗でした。
とんでもない急登かつザレた足元で、じわじわというかがんがん時間と体力を奪われます。
Richを飲みながらちょと休憩。右手に石尾根がよく見えました。笙の岩山までもう少しです。
登ってきて
笙ノ岩山の山頂です。これにて笙ノ岩山西尾根はおしまいです。取付までのなんだかんだも面白かったし、急登だらけだったけれど馴染みのある尾根をいくつも眺められました。
山頂には三等三角点があって標高は1254.78m、基準点名は北ノ沢。北ノ沢は山頂近くから東側の川乗谷に流れ落ちている谷のようです。
山頂から北方向の眺め。
山頂から東方向の眺め。
山頂から南方向の眺め。
山頂から西方向の眺め。笙ノ岩山という名前は山頂近くの岩に開いた穴を通る風が笙のように鳴るから、というようなことを「神庭尾根(かにわおね)、鳥屋戸尾根、松岩尾根」に書きました。今回も耳を澄ましましたがなにも聞こえません。ほぼ無風。静かな山頂です。
近所の地鎮祭に通りがかり、笙の生演奏を聞いたことがあります。時々、明らかにヘンな音が出て思わずつまづきそうになったりしたんですが、雅楽の音階ってあーなんでしょうか。なんか違うような気がします。事故もなく(多分)立派な家が完成したんでなによりです。山道を歩いていてあんな音が聞こえたらちょっと危険です。