
万六ノ頭北尾根、湯場ノ尾根
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■万六ノ頭→笹尾根→(40分)湯場ノ頭→湯場ノ尾根→(1時間30分)小坂志林道→湯場ノ沢(泉源)→(1時間)[GOAL]笹平バス停→JR五日市線武蔵五日市駅
湯場ノ尾根の序盤は地形図にない林道がまとわりつきます。下るにつれ尾根は痩せ、冒険チックな様相が強まっていきました。
下山後に湯場ノ沢を少し遡って湯場の名前の由来になった泉源に立ち寄ってみました。秘湯中の秘湯です。
湯場ノ頭をめざして万六尾根を南下します。
万六尾根の北方をちらりと眺め、
文字通り南下です。笹尾根に向かって登るはずなんですがちっとも登りません。ゆるゆると下ってばかりです。
登りがあるとなんだかちょっと安心です。
道中。
ドラム缶4本、いや5本だったかなを右手に見て
湯場ノ尾根の下降点ですが、湯場ノ頭をめざして先に進みます。
左手下に林道を見ながら歩くとすぐに
湯場ノ頭に到着。927mの標高点が設定されています。
丸太に座り、羊羹とほうじ茶を喫食します。静かです。ぶらぶらします。意味なく両手を突き上げたり振り回したりします。
湯場ノ頭を辞し、引き返してきました。あのてっぺんが湯場ノ尾根の下降点です。
湯場ノ尾根です。920m圏から下ります。
ゆる〜く下ってくると
すぐに林道が近寄ってきました。林道小坂志(こざかし)林線です。地形図には記載されていません。どうやら小坂志林道は延伸を重ね、枝道も多いようです。
林道は何度か尾根にタッチアンドゴーで去っていきます。
道中。
ひたすら尾根筋をたどります。
800m圏の分岐は右へ。
相変わらず何度も地形図にない林道が尾根に接してきます。
744mの標高点あたりを通過します。なにもございません。
道中。
尾根らしい尾根の尾根歩きもあります。
右上からくーっと曲がりながら下ってきて
林道の曲がり角の頂点から尾根を下ります。
尾根と林道の段差が激しかった場所。640m圏です。写真右のほうに移動して林道に降りました。ここが林道と接した最後でした。
尾根をずんずん下っていきます。
600m圏の微妙な分岐です。右へ。
道中。
雑木の明るい尾根から
尾根相はがらりと変わり、アセビに覆われたヤセ尾根になりました。
この先はどう見ても切れ落ちています。進路をスマホGPSで確認します。間違っていました。
右手の尾根に移ります。510m圏です。
獣もヒトもよく間違えるのでしょう。踏み跡がついています。
下ってきて
下ります。デンジャラス感が増しているようなそうでもないような、なんともいえない雰囲気です。
小坂志川の水の音が聞こえはじめたというのにぐぐぐぐーっと登ります。
ポコリとしたピークです。
左か
右か。右です。
左は走馬灯の高速回転必至です。
右も危ういです。
右手下に小坂志川の水面がちらりと見えます。
林道も見えてきました。
踏み跡が左右にあるようなないような。茅丸(かやまる)北尾根の最下端部で左か右かの選択で右を選んでエラい目にあったことを思い出します。ここは右。右で押します。ギャンブラーです。
下ってきました。正解、なのかな?
まっ、いいです。林道はすぐそこです。
ちなみに左はこちら。似たようなものかも。
小坂志林道に立ちました。これにて湯場ノ尾根はおしまいです。
林道を檜原街道に向かいますが、
その前に湯場ノ沢に立ち寄ります。橋の袂から右岸に降ります。
湯場ノ沢を遡って4、5分、右に大きく曲がったところにめざす湯船がありました。以下、『桧原村史 東京都西多摩郡』(桧原村 1981.3. 国立国会図書館蔵)の84ページからの引用です。
◯小坂志川の支流、湯場の沢
湯場の沢へ五〇メートルほど入った左手(沢の右岸)、洪水時には水没するくらいの川べりの岩へ、四〇センチほどの不整円形の湯壺が掘ってあったが、福生市居住で岡部寛という奇特な方がその上へ湯槽を造った。周辺地所有者である下川乗の井上行雄へは、他意はないからと断っておられるという。
「文久二年 万人講中 熊野大権現 戌五月吉日 柏木野 世話人 久左衛門」と記した石碑がある。 一二〇年近く前に「講」組織さえ作られていたように、古くから利用されていたことがわかる。
湯船の左上、石碑が建っていた場所です。流されたのか、周辺を探してみましたが見つかりませんでした。軍手をはずして湯船に貯まった水に手をつけたら「ちべた!」。残念。温かったら素っ裸になって入ってやろうと思っていたんですが、これは無理。水面はかすかに波打っています。風のせいなのか水が湧いているのかわかりません。においをかいでも無臭です。「湯場」の由来に立てたことで満足です。引き返します。
「市道山・臼杵山」「笹平バス停」の道標を通過します。
奥から歩いてきて小坂志林道の起点です。
南秋川を笹平橋(ささたいらはし)で渡り、
檜原街道に上がると笹平(ささだいら)バス停です。ログはここで止めます。武蔵五日市駅に向かって歩くことにしました。
「檜原村天然記念物 名木第四号 檜」を見上げたり
人の顔みたいな岩を見下ろしたりして
檜原村からあきる野市へ。結局、駅まで歩きました。山の神様、地権者の皆様、きょうもありがとうございました。万六ノ頭北尾根も湯場ノ尾根もとても楽しい尾根でした。また、是非、よろしくお願いします。
万六ノ頭北尾根を登った映像です。2時間20分かかった道程が13分ほどで見られます。