奥多摩尾根歩き
ヨコスズ窪右岸尾根、ヨコスズ窪左岸尾根

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ヨコスズ尾根→(45分)道間違い→ヨコスズ窪左岸尾根→(1時間)カロー谷経路→(50分)かろう橋→(45分)[GOAL]東日原バス停→JR青梅線奥多摩駅


ヨコスズ窪左岸尾根右岸尾根とひとつの谷を挟んだだけなのにずいぶんと雰囲気が違いました。崩落地の縁から土石流の荒々しさが見えたかと思うと草原のような尾根が続きます。しつこく尾根下端をめざしていると滝の落ち口の上に出て意味なく得した気分になりました。

ヨコスズ尾根を南へ下ります。登山道には降りずに稜線上をたどり、
1388mの標高点に寄ってみました。とくになにもありません。立ち飲み屋がオープンしていた、とかそんなことはなく、進む方向がまるでわからなくなってあわてただけでした。
あの上からこっちへ転がってきたわけだね。ふむ、ふむ。
登山道と合流します。
この標石あたりからヨコスズ窪左岸尾根の下降点を探しながら下り、
ここから下りました。左端の木に白いビニール紐が巻かれています。
キビシい急降下ですが、いい雰囲気の尾根です。
作業道を横断します。1250mあたりです。ヨコスズ窪の崩落前は右岸尾根で横断した道がここまでつながっていたのかな、と思い、スマホGPSで標高を見てみました。驚きました。まったくぜんぜん違う尾根を下っていました。カロー谷の反対側を下っていました。
引き返します。デジャブ? と思ったんですが何度も尾根間違いをしているのでたんなるいつかの記憶なのでしょう。急登です。しんどいです。
ヨコスズ尾根の稜線に戻りました。
稜線を越え、登山道を横切り、目を大皿にして左岸尾根を探すと少し上方に見つかりました。トラバース(山腹水平移動)し、
ヨコスズ窪左岸尾根に立つことができました。
草原のような尾根が続きます。
1200m圏の分岐です。右へ。左は煙窪の右岸を下っていく尾根です。
いい雰囲気です。
まだ草原は続きます。右岸尾根とは尾根相がまったく違います。
1130m圏で尾根は右にグーッと曲がります。
曲がると草原は消え、水の音が聞こえることに気づきました。
土石流の始まりのひとつが見え、
雪庇のような縁から崩落を覗き込んでみました。
ヨコスズ窪。細い流れが地表を侵食し、また深い谷をつくるに違いありません。
ひーひー喘ぎながら登ったヨコスズ窪右岸尾根
1040m圏でちょっと思案。経木小屋下ノ滝の落ち口あたりに降りる算段でしたが、地形図をよーく見ると等高線がぴったりくっついている場所が1か所あるじゃないですか。これはデンジャラス。左の支尾根を下ることにしました。
すぐに植林の中のとんでもない急降下です。右岸尾根と同じく植林帯は薄く、
浮き石だらけでガレた急斜面を雑木につかまりながら下ってきて
下ります。
慎重に下っていくと水の音はじょじょにじょじょに大きくなってきます。
940m圏でヨコスズ尾根西面水平歩道を横断します。
旧日原小学校まで続いているらしい。
水平歩道を越えると尾根はヤセてきました。
経木小屋下ノ滝が見えてきました。
すぐ右下にカロー谷経路があるんですがそのまま尾根を進んでみます。どんどんヤセてきます。
尾根の突端に出ました。左の木の束の向こうが尾根の突端です。右に忠三滝の落ち口が見えています。これにてヨコスズ窪左岸尾根はおしまいです。
カロー谷経路に降り、来たルートで下山することにしました。忠三滝の落ち口のちょっと上流を渡渉します。
忠三滝。
対岸に煙窪が流れ込んでいるんじゃないかと思われる場所。葉っぱが落ちた季節なら見通せるのでしょうか。ひときわ大きな水の音がします。煙窪の名前は出合にかかる滝から立ちのぼる水煙からきているらしい。
丸太の通せん坊の向こうがはやり気になるので
ちょっと先の小尾根を回り込むあたりまで行ってみました。薄ーい道みたいなものがのびていて、石積みも見えました(写真中央やや上の草が生えているところ)。古い道だと思います。通れなくなったので高巻きする道がつくられたのでしょうか。引き返します。
水道施設が見えてきました。
黒いネットに挟まれるようにして歩きます。
かろう橋に戻りました。チェーンスパイクを脱ぎ、杖や軍手をザックにしまいました。
東日原バス停まで歩きます。稲村岩の向こうに日が傾きます。
東日原バス停に到着。誰もいません。
ヨコスズ窪を挟んだ2つの尾根はぜんぜん似てなくて面白かったです。谷はいったい何年たてば再生するのでしょう。尾根は海に洗われるまでいったいどれくらいそこにあり続けるのでしょう。尾根を気ままにテキトーに歩き回ることができるまで生きられるのかな。すっかり冷たくなった『風に吹かれて』バスを待つのでした。
山の神様、地権者の皆様、きょうもありがとうございました。また、よろしくお願いします。