奥多摩尾根歩き
ショーノ沢左岸尾根、槇寄山北東尾根、南谷沢左岸尾根、丸塚沢左岸尾根

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南橋の近く→農道南沢線→(10分)南谷沢左岸尾根取付→南谷沢左岸尾根→(1時間)槇寄山北東尾根の1150m圏→(30分)槇寄山→(10分)1150m圏の小ピーク→丸塚沢左岸尾根→(30分)ハチザス沢丸塚沢出合→ハチザス沢→(1時間5分)蜂巣沢橋→(15分)[GOAL]仲の平バス停→JR五日市線武蔵五日市駅


南谷沢左岸尾根:農道南沢線から取付きました。てっぺんは槇寄山北東尾根の1150m圏。このあたりの山域は植林がメインですが、南谷沢左岸尾根は右や左に葉っぱの落ちた雑木が続く明るい尾根で、序盤と中盤にそこそこの急登があったけれど総じておだやかな尾根でした。
丸塚沢左岸尾根:槇寄山を北へちょっと、笹尾根の1150m圏の小ピークからハチザス沢と丸塚沢という沢の出合に下っている短い尾根です。出合近くはそこそこ冒険チックでした。ハチザス沢沿いを「大丈夫か?」と思いながら下っていきました。あまり大丈夫じゃありませんでした。

道路を登っていきます。
先ほど立った擁壁です。左ではなく、ほんのちょっぴり右へ行けばコの字の鉄棒でできた階段がありました。とほほ。
集落を歩きます。
檜原村の温泉設備を通過します。
槇寄山北東尾根を下っている途中で右手に見えた伐採地を眺めながら歩いていくと
農道南沢線へ直進します。A型バリケードを抜けると
すぐに南谷沢左岸尾根です。右奥から名前のわからない小さな沢が流れています。真正面に取付くのはちょっと大変そう。
沢の左岸に踏み跡が続いています。とりあえずたどってみて左の南谷沢左岸尾根の横っ腹に取付くことにしました。
すぐに上を歩ける小さな導管があって
薄い踏み跡が稜線に向かって登っています。
沢の右岸にしっかりした踏み跡が続いています。どこに行くのでしょう。
南谷沢左岸尾根に乗りました。農道の見える下方です。振り向いて
そのまま尾根上を歩こうと思ったんですが勾配がキツいので尾根を回り込んでみると
手すりが設置されていました。けれどもいくら手すりがあってもあの傾斜を登りたくはありません。ちょっと引き返して
薄い踏み跡を登っていきます。
尾根上に復帰するとGPS測位点の赤杭が刺さっていました。
右から登ってきた幅広道と合流し、
小さなくの字くの字で尾根を細かく分断しながら登っていきます。このあたりの山域はボブスレーコースが基本のようです。
840m圏でびよーんと波打った地形になりました。
びよーんを過ぎると左手が雑木になり、カラフルな尾根相になり、
枯れ葉をズサズサと踏み、砕き、登ってくると
880mあたりで右から登ってきた尾根と合流すると今度は右手が雑木になり、少し先で植林を背負って左から登ってきた尾根と合流。
930m圏で左右から登ってきた尾根と合流し、
とぐろを巻いたワイヤーロープを通過します。
右手の木立の向こうに先ほど下った槇寄山北東尾根が見えています。その向こうのショーノ沢左岸尾根は、わかりません。
尾根はぐーっと曲がり、
ボブスレーコースに降りて登り返し、
槇寄山北東尾根の1050m圏に到着。これにて南谷沢左岸尾根はおしまいです。
次は丸塚沢左岸尾根です。まずは槇寄山をめざします。
律儀に尾根上を歩いていたんですが、今回のルート外だということに気付き、登山道をたどることにしました。楽ちんです。
西原峠(さいはらとうげ)に到着。
ちょっと登ると槇寄山の山頂です。三等三角点があります。標高は1188.16m、基準点名は千軒平。んー、千軒平ってなんなんでしょう。
富士山。
丸塚沢左岸尾根をめざします。
すぐにタラーンとした地形の向こうに丸塚沢左岸尾根が見えてきました。
1150m圏のピークです。ここから丸塚沢左岸尾根を下ります。
とらえどころのない地形で尾根の形がはっきりしません。テキトーに下っていきます。
テキトーすぎました。右手に谷地形が見えてきたんで、んっ、と思ってスマホGPSを確認してみると
左のあちらが下りたい丸塚沢左岸尾根でした。危ないところでした。
トラバースしてきて丸塚沢左岸尾根に乗りました。
丸塚沢左岸尾根の上のほう。
下ります。
1050m圏の分岐です。地形図ではそこそこはっきりした分岐ですが現場ではほぼわかりません。逆のこともよくあるんですが、ここは素直にビシッと尾根筋が見えている右へ。
快適な尾根歩きです。
左手に大木が見えたので立ち寄ってみました。根もとに杖を立てかけています。
かつて歩いた石原小屋窪右岸尾根を傾いてきた太陽が照らしています。
尾根はヤセてきてホネガイみたいな切り株を通過すると
急降下です。尾根はますますヤセて左からハチザス沢、右から丸塚沢の水の音が聞こえてきます。
下ります。直進しても下れそうですがなんとも微妙。
右手の丸塚沢に下っていく薄い踏み跡をたどることにしました。
丸塚沢に降りて、下って
出合に立ちました。正面が丸塚沢左岸尾根の下端です。これにて丸塚沢左岸尾根はおしまいです。

ハチザス沢と丸塚沢の出合からハチザス沢右岸を少し歩きます。
右岸にも左岸にも道らしきものは見当たりません。
より平坦な左岸を歩くことにしました。どうやらワサビ田跡のようです。こんな山奥の沢に丸塚沢という名前が付けられたのはワサビ生産の都合上、名前がないと不便だったのでしょう。ホンマか?
左岸の山腹に登っていく踏み跡があったのでたどってみたのはいいけれど
こんな荒ぶれたトラバースになったりして
ついに踏み跡は完全に消失。水線を歩いたほうがよかったんじゃいの? などと自分に文句をたれても後の祭りです。ハチザス沢まで降りる気にはなれません。
尾根上に出ることにしました。
直登は急勾配すぎて無理。ゆるい角度で右にトラバース気味に登っていきます。
岩の切れ目にぶつかりました。切れ目の向こうに細い踏み跡が見えますがここからはとてもじゃないけれど渡れません。高巻きして
切れ目をいなし、トラバース気味の登りを続けます。あちらが明るくなってきました。
900m圏でやっとのことで尾根に乗りました。かつて下った石原小屋窪右岸尾根です。
左手にハチザス沢ノ頭東尾根の標高点1149mのピークが西日に照らされています。
もう一度、沢に降りなくてはなりません。急降下です。
ハチザス沢(右)と石原小屋窪の出合です。
出合に降りてきました。右の石原小屋窪の小さな滝の左岸を下ってきました。振り返ってハチザス沢の右岸を下っていきます。
※帰宅後の話:石原小屋窪右岸尾根の山腹を這い上がり、石原小屋窪右岸尾根を経て再びハチザス沢に降りるまでの550mくらいが未踏になりました。この未踏部分と丸塚沢出合より上流のハチザス沢をいつかきっと歩いてみよう、とゆるく誓うのでした。
※その後の話:過去の記録を調べてみると篶ヶ窪の出合から石原小屋窪右岸尾根の山腹を這い上がった地点まで歩いたことがありました。よって未踏部分は丸塚沢出合より上流ということになります。って誰も気にしていないんでしょうが訂正します。
左岸に糸ようじの糸を歩くほうが安全そうな木橋が架かっています。橋の先に踏み跡も見えますがとてもじゃないけれどあの橋を渡る気にはなれません。
少し下流を渡渉し、
山腹に取付き、踏み跡をつかまえて
たどります。
糸ようじ橋よりは頑丈そうな桟道を登り、
かつて登ったことのある石原小屋窪左岸尾根に立ちました。この下には滝と現役なのか退役しているのかわからない水道施設があります。たいへんな思いをして登ってきた記憶があります。
あとは登山道を下るだけです。
以前も見た宙吊りの木は吊られたままでした。
ワサビ田跡を越えます。この先の道はとてもわかりづらいですが濃いめの踏み跡を選びながらテキトーに歩いていくとなんとなくしっかりした道を歩くようになって
奥多摩周遊道路やハチザス沢が見えてきて
蜂巣沢橋(はちのすさわはし)に着きます。
道路を渡って反対側から。今回は橋のたもとからたもとまでのゴニョゴニョ歩きでした。
九頭竜橋でショーノ沢左岸尾根を下ってきた団体ハイカーに会いました。数馬バス停で一緒に降りた方たちです。ハチザス沢をたどって石原小屋窪左岸尾根を登って笹尾根を経由(これは想像)してショーノ沢左岸尾根を下ったそう。みなさんは数馬バス停でバス待ち。わたくしは先に進み松坂屋酒店で缶ビール購入。「檜原村温泉センター数馬の湯」に寄るつもりだったんだけれど仲の平バス停のベンチで荷物をまとめているとちょうどバスがきたんで乗車。増便でした。団体ハイカーがドサッと乗っていると思ったら乗客はわたくし一人。みなさんは定期便に乗ったのでしょう。
山の神様、地権者の皆様、きょうもありがとうございます。ショーノ沢左岸尾根は「へっ? お湯の水割り?」って思うくらいあっさりした尾根歩きでした。「この先もこんな感じなのかな」と思っていたら歩きごたえはだんだん濃くなってきて、ウイスキーの焼酎割りみたいになってきて、締めのビールをおいしくいただくことができました。短時間ですが、楽しい尾根歩きでした。また、よろしくお願いします。