奥多摩尾根歩き
タツマの滝、モリノ窪右岸尾根、七跳尾根

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石橋の近く→モリノ窪右岸尾根の西隣の尾根→モリノ窪右岸尾根→(2時間10分)七跳尾根合流→七跳尾根→(40分)犬麦林道→小川谷林道→(2時間)[GOAL]東日原バス停→JR青梅線奥多摩駅


タツマの滝の落ち口からモリノ窪右岸尾根に取付くのは断念。かといってモリノ窪右岸尾根の下端からじかに取付くのは絶望的。なのでまず西隣の尾根に乗り、地図記号の岩崖を越えたあたりでモリノ窪右岸尾根に乗り移ることにしました。
けれども西隣の尾根を歩いているうちにモリノ窪右岸尾根のことを忘れてしまい、乗り移るのがちょっと遅くなってしまいました。モリノ窪右岸尾根はルートを探りながら岩を登ったり、モリノ窪の水の流れを聞きながら雑木に覆われたヤセ尾根をたどったり、急登だらけではあったんですが面白い尾根歩きを堪能できました。


ダダダダーと下ってくる途中、対岸の尾根上に向かって斜上している薄い踏み跡が見えました。モリノ窪右岸尾根の西隣にあたるあの尾根を登ってからモリノ窪右岸尾根に移ることにしました。そーとーな急登に見えますが、滝上からも真正面から取付けないのでしようがありません。
谷のすぐそばの大岩でしばらく休憩。ずり落ちたズボンを引き上げたり谷の水で顔を洗ったり、ピッケルをザックに付けたり杖を出したり、まさか急登にビビっている風には見えなかったはずです。
めざす尾根をグッと見据えます。
登ってきて
尾根に立ちました。急登ですが獣道らしき薄い踏み跡が小さなくの字くの字で続いています。
すぐに踏み跡はスーッという感じで消えて、登ってきて
登ります。浮石が多く、疲れます。
タツマの滝がちらりと見えました(写真ほぼ中央)。
標高1170m(以降、「標高」は省略)あたりからただの急登がとんでもない急登になりました。
1200m圏で尾根を大岩がふさぎます。大歓迎です。急登を忘れられます。
左に回り込んでみました。岩肌に体をこすりつけるようにして狭い廊下状の出っぱりをたどります。
岩を回り込んですぐに木の幹や根っこをつかむルートをとり、写真中央の凹みから這い上がってきて
ようやく尾根に復帰です。岩稜の急登は続きます。
登ってきて
登るんですが、忘れていました。そろそろモリノ窪右岸尾根に移らないとこのまま七跳尾根に合流してしまいます。
モリノ窪右岸尾根はあちらなんですが、窪地をトラバースして尾根に乗ってからの勾配がハンパなさそう。様子を見ながらそのまま登っていると、
底の抜けた一升瓶がころがっていました。そういえば左手がいつの間にかヒノキの植林になっています。山仕事のエネルギーになったのかもしれません。
一升瓶のすぐ上でそこそこしっかりした踏み跡が尾根を横断していました。左にたどってみたんですがすぐに消えてしまいました。1280mあたりです。
で、右はというとあるようなないような、ほとんどない踏み跡があって、これをたどってモリノ窪右岸尾根に移ることにしました。
トラバース中の窪地を見上げたところ。
長いトラバースです。
トラバースしてきて
あの小尾根を越えた次の尾根がモリノ窪右岸尾根のはずです。
小尾根を越えた先の窪地です。モリノ窪右岸尾根が見えていますがここをトラバースのはちょっとデンジャラス。
10mほど這い上がって、
ここなら大丈夫そう。トラバースして
やっとのことでモリノ窪右岸尾根に立ちました。モリノ窪の水音が大きく聞こえてきます。素敵なヤセ尾根です。尾根を見下ろし、
振り返って登ります。西隣の尾根と同じくこちらもかなりの急登です。
右手下にモリノ窪瀑流帯を構成するひとつの滝が見えました。1340mあたりです。
登ってきて
勾配はややゆるんだりもするんですが、
急登がぶり返し、煩悩を落として身軽になったはずの体は業を詰め込んだように重く、
あえぎながら登ってきて
登ります。
登ってきて
七跳尾根がすぐ左手見えてきました。
尾根の合流点までもうすぐなのにあの先に急登が見えています。なかなか手強いです。
登ってきて
七跳尾根に合流。これにてモリノ窪右岸尾根はおしまいです。ザックを落とすように降ろします。
この七跳尾根長沢背稜まで登り、一杯水避難小屋からヨコスズ尾根を東日原バス停まで下る、という案がふと浮かんだんですが即座に却下。もう登りたくはありません。きょうのところは登りはもう十分です。ぶらぶらとほうじ茶を飲みながら休憩します。
七跳尾根を下ります。
ドカドカドカと下ります。
モリノ窪右岸尾根が木立の向こうに見えました。
1342mの標高点あたりを通過し、
いつの間にか始まっていた黒網タイツのセクシーゾーンが終わると
道は尾根をはずれて左に下ります。遠雷が低く響いています。
植林の中を縫う小さなくの字くの字が大きなくの字くの字になって、なんだか飽きそう、などと思い始めたころに、
犬麦林道に降り、七跳尾根はおしまいです。
林道終点広場に到着。
終点広場でチェーンスパイクを脱いでほうじ茶を飲みながら休んでいると左手の七跳尾根から乳白色のカーテンが引かれてきました。サーッと移動するカーテンを写真に撮ることができました。あっという間に林道終点広場は土砂降り。カメラを腹に抱え、ザックの底から傘を引っ張り出しました。長居は無用です。林道を下ります。
犬麦谷を越えるころには小降りになり、通過したのかされたのか微妙なタイミングで出会ったヒキガエルの先の
滝上谷で雨はほとんど止み、水場で顔をあらい、水を手で受けて飲み、
林道いっぱいの水たまりや
崩落地を越え、
水量をグンと増した小川谷を見下ろし、
東日原のバス停に着いたとたんにまた土砂降りです。バス停の屋根の下で20人ほどが寄り添ってバスを待ちました。
実は今回の尾根歩きは『奥多摩尾根歩き』の読者からいただいたメールがきかっけです。メールには奥秩父の小森川という清流やその奥にある丸神の滝の画像・映像が添付されていて「あぁ、滝を見たい」と激しく思ったのでした。
山の神様、地権者の皆様、メールをお送りいただいたDさん、きょうもありがとうございました。引き続き、よろしくお願いします。