奥多摩尾根歩き
小怒田ノ尾根、馬頭刈尾根、光明山東尾根

(小怒田ノ尾根)


今回は小怒田ノ尾根(こぬたのおね)を登り、馬頭刈尾根(まずかりおね)から光明山東尾根(こうみょうさんおね)を下りました。
小怒田ノ尾根馬頭刈尾根の大怒田山(富士見台)をてっぺんにして南に下っています。小怒田ノ尾根を登るのは2.5回めです。1回めは尾根に巻き付く頑丈なベルトのような高黒岩に恐れをなして左手(西)の谷を越え、隣の尾根に逃げました(逃げたつもりなんですがこちらの尾根もとんでもなくデンジャラスな尾根でした)。だから勘定は0.5回。1.5回めはなんとかイメージしていた小怒田ノ尾根を歩くことができました。
馬頭刈尾根は大岳山から南東に下る長大な尾根です。下端は正直、よくわかりません。以前に馬頭刈尾根を歩いたときは『奥多摩 登山詳細図(東編)』(吉備人出版)の「馬頭刈尾根コース」にならって光明山(こうみょうさん 高明山)から南に折れて下ったんですが、今回は光明山から地形図の破線(徒歩道)をたどって東へ光明山東尾根を下ってみました。

コース JR五日市線武蔵五日市駅→[START]中里バス停→神社→(20分)小怒田ノ尾根取付→小怒田ノ尾根→高黒山→小怒田ノ尾根→(3時間10分)大怒田山(富士見台)→馬頭刈尾根→つづら岩→馬頭刈山→(2時間20分)光明山→光明山東尾根→(1時間30分)乙津集落→(2時間10分)[GOAL]JR五日市線武蔵五日市駅
(9時間30分)
歩いた日 2023年7月7日(金)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ~、そ~、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR五日市線武蔵五日市駅→[START]中里バス停→神社→(20分)小怒田ノ尾根取付→小怒田ノ尾根→高黒山→小怒田ノ尾根→(3時間10分)大怒田山(富士見台)


地形図をたどると小怒田ノ尾根の下端は中里沢という沢の左岸に沿っているように見えます。けれども小怒田ノ尾根は北秋川と千足沢の出合に立つ地蔵さんから取付くのが「通常」ルート。1.5回めは本筋の下端から取付いてみようと試みるも失敗。今回は再チャレンジです。成功はしたもののうっそうとした藪にそーとーがっつり痛めつけられました。
高黒岩の岩登りはデンジャラス感いっぱいなんですが、踏み跡がしっかりしていて前回より登りやすくなった印象です。

おはようございます。武蔵五日市駅前で藤倉行きバスを待ちます。
中里バス停で降りました。「通常」ルートはひとつ手前の千足が最寄りのバス停です。高黒山、その奥に大岳山が見えます。
バス停から少し戻り、石垣に囲まれた坂道を登っていきます。右の石段を登って取付を探ってみましたが畑を守る柵が山裾にがっちり張り巡らされていました。
さらに坂道を進みます。右手奥に鳥居が見えました。立ち寄ってみます。Googleマップには熊野神社と記載されています。
鳥居をくぐり、階段を上がっていくと2宇の祠が建っていました。
引き返し、中里沢を渡ると
道は民家で行き止まりでした。少し戻った電柱の右から小怒田ノ尾根の横っ腹に取付けそうです。小怒田ノ尾根、高黒山、奥に大岳山が見えています。
十中八九、獣道でしょう。たどると
めちゃくちゃ濃い藪に突っ込みました。
ようやくポカリとした小さな空き地に出ると北秋川沿いの集落が見えました。が、
また藪です。
花かな、と思ったら識別テープの束でした。謎です。
息苦しい藪がずーっと続いたんですが、
いきなりそこそこしかっりした道に出ました。助かりました。たどります。
藪に突入して20分強、標高380m圏(以降、「標高」は省略)で小怒田ノ尾根に乗りました。
左植林、右雑木の尾根になり、
やがてヒノキに囲まれた尾根になってゆるやかな登りが続きます。
464mの標高点あたりです。山ガールが女子会の真っ最中だった、なんてことはなく、通過します。
510mあたりから急登が始まりました。
這いつくばるような急登が続きます。
登ってきて
600mあたりで右から登ってきた「通常」ルートの尾根と合流しました。ペットボトルに詰めてきたほうじ茶を飲んでちょっと休憩。
下りだと「通常」ルートの尾根(写真左)をとらえるのは難しそう。
木によりかかっていそうで自立している大岩を通過します。
690m圏で右から登ってきた尾根と合流し、小怒田ノ尾根は左にくっと曲がり、すぐ急登が始まりました。
無事かえったのでしょうか。小さな卵の殻を通過します。
キツい急登が続きます。
750m圏。岩ゴツになってきました。小怒田ノ尾根を特徴づける尾根を帯のように取り巻く高黒岩はもうすぐです。
登ってきて
登って
登ります。
770m圏。木々の向こうに高黒岩の岩崖が見えます。
高黒岩の基部に立ちました。正面を見上げます。

高黒岩の基底部に立ってぐるりと一回り。
杖をザックと背中の間に差し、左手のそこそこはっきりした踏み跡をたどってトラバース(山腹水平移動)します。
ぐるーっと回り込んでいきます。
前方で岩崖がV字形にえぐれています。右上に登ります。
ほぼ垂直の崖ですが手がかり足がかりに困ることはありません。
ただ、落ちたら一巻どころか全巻の終わりでしょう。
登ってきて、またV字形にえぐれに近づくようにトラバースし、
右の岩崖を登ります。
登ってきて
登ります。ほうれい線を汗が伝うけれど、肝は冷えっぱなしです。
まだまだ登ります。気が抜けません。
終わりません。
登ってきて
岩肌をトラバースします。
トラバースしてきて
少し先にめちゃくちゃ景色のいい岩が突き出ていました。
富士山がうっすらと見えていました。岩に腰を降ろし、ほうじ茶を飲みます。
ようやくデンジャラスさはなくなりましたが岩ゴツの急登は続きます。
登ってきて
登り、
登ってきて
950mあたりからようやく勾配はゆるやかになりました。
明るい尾根歩きです。
大岩を回り込んだりして
てくてくと歩いていくと高黒山の山頂(976mの標高点)です。
2本めのほうじ茶を開け、「ENERGY UP スピードチャージ」をジュルっとして休憩しました。残念ながら高黒山はほとんど展望がありません。
あちらから登ってきて
大怒田山をめざします。
植林帯をしばらく歩き、
笹に囲まれた道を登っていくと
大怒田山(富士見台)の四阿が見えてきました。「この先 登山道ではありません」と印刷されたポスターが下がっていました。
富士山は見えなくなっていました。
大怒田山の山名板。1054mの標高点あたりです。これにて小怒田ノ尾根はおしまい。ほうじ茶を一口飲んで馬頭刈尾根を歩きます。