奥多摩尾根歩き
バケモノ山尾根、浅間尾根、スケン沢左岸尾根

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浅間嶺→(15分)人里峠→一本松→内台山→(1時間5分)数馬峠分岐→道奈良山→(40分)スケン沢左岸尾根下降点→スケン沢左岸尾根→(1時間30分)龍神の滝→檜原街道→松坂屋酒店→(20分)[GOAL]仲の平バス停→JR五日市線武蔵五日市駅


スケン沢左岸尾根は南秋川への下降点が見つからず肝を冷やしました。下端の南秋川とスケン沢の出合にかかっている「龍神の滝」という滝をめざしたんですが南秋川の水線に降りられるルート探して下流へ下流へ、あるようなないような獣道をたどり、ひたすらトラバースしました。

浅間嶺からだーっと下ってきて
石祠を通過します。ここから南に下る尾根を歩いたことがあるような気がするんですが気のせいかな。
ざっくざっくと歩きます。
昔の道らしい巻道と合流します。
伐採地に出ました。
伐採地が終わり、
883mの標高点あたりを見上げながら歩き、
人里峠(へんぼりとうげ)を通過します。小さな地蔵が立っています。
登山道は浅間尾根の北面をずーーと続いています。
落ちた桟道を高巻く新設の道からはなれ、南面が大きく伐採された尾根を戻るように登り、
911mの標高点(石宮ノ頭)に立ち寄りました。
手前はかつて歩いた一本松南尾根です。奥はいったいどこが見えているのでしょう。「ダブルカフェラテ」を飲んで登山道に戻ります。
小さな石祠を通過します。
登山道は大小の切通しを抜けながら尾根の南北を大きく縫っていきます。
馬頭観音の立つ尾根の乗越から右へ登ると
一本松の山頂です。三等基準点があります。標高は930.24m、基準点名は石宮。
929mの標高点を見上げながら通過します。
サルの手形があるという「サル石」を通過します。
馬頭観音を通過すると
すぐに数馬分岐です。ここにも馬頭観音が立っています。直進すると下山してしまうので右にぐっと登ります。
908mの標高点を見上げながら通過します。
893mの標高点あたりを通過します。内台山の山名板が木に下げられていました。
車道(白岩沢林道?)を横切り、向かいの植林の中に進みます。
古道らしい道が続きます。
数馬峠を通過します。
花を抱いた馬頭観音(だと思う)の前でちょっと休憩。この石仏は来るたびに丸みが増しています。
946mの標高点を見上げながら通過するとすぐに
スケン沢左岸尾根が見えてきました。
登山道からちょっとはなれて右の小さなピークへ登ってきました。スケン沢左岸尾根のてっぺんです。930m圏です。ずり下がったズボンを引き上げスケン沢左岸尾根を下ります。
ほぼ真南に下ります。スケン沢左岸尾根の上部は地形図の破線(徒歩道)と重なっています。登山道を横切り、
踏み跡はあるんですが、かなりの急降下です。
下ってきて勾配が落ち着くと
あまり歩かれている雰囲気はありませんがしっかりとした尾根道になりました。
830mあたり、小ピークの手前に水タンクが設置されていました。タンクに載った物置の扉は半開きで黒い靴の片方がこぼれ落ちていました。
小ピークを登ってきて
下ります。
かろうじて破線としての矜持を保っているんですが、
荒れっぱなしで諦めが顔に出てしまった場所もあります。
かと思えばこんなしっかりした尾根道になったりもします。
780mあたりで破線はスケン沢左岸尾根からはなれ、左へ下っていきます。地味なポイントですがスケン沢左岸尾根を下るうえでとても重要な分岐です。って大げさ。
どんな尾根道になるのかと思ったら意外にシュッとしています。
尾根道のちょっと左下に3基の碑がありました。760mあたりです。いちばん大きなものは立っていますが2基は倒れています。彫られた文字はどれも薄くなっていてよくわかりませんが、右端の碑に「禅定門」という文字がかろうじて読めました。戒名に使われる文字なので墓なのかもしれません。
尾根上に戻り、先に進みます。
尾根はいきなりぐっとヤセました。
藪や灌木に覆われた急降下です。これまでの尾根道とはまったく異質。ちょっとデンジャラスなにおいがしてきました。
ところどころにワイヤーが残されています。南秋川に木を落とすために使ったのかもしれません。
急降下も藪もやみません。
左手下に大きな屋根が見えてきました。Googleマップで見た「民宿数馬の里」のようです。
700m圏でそこそこしっかりした道が尾根にぶつかりました。右はスケン沢に向かってやや下っています。
左は道なのか微妙。のっぺりです。
右に下る道は惹かれるものがあったんですがそのまま尾根を下ります。
けれどもこの先はどーにもこーにも進めそうにありません。しかもめざす尾根筋より右にずれています。水の音がだんだん大きくなってきました。
左に進路変更します。
素直にトラバースできずに少し下ってトラバース、また少し下ってトラバースを続けました。
南秋川に架かる木橋がちっちゃく見えました。龍神の滝を間近に見られるように南秋川に架けられた木橋です。けれども龍神の滝へ降りられそうなルートは見つかりません。
こんなところを右往左往しながら南秋川に降りられる場所を探します。スケン沢から少しずつ離れてしまいます。
そこそこデンジャラスなトラバースが続きます。
切れ落ちっぱなしで南秋川に降りられません。
ようやく川まで降りられそうな場所が見つかりました。水線に立ってからどーなるかはまったく不明ですが、このままだと埒が明きません。
南赤川まで降りてきました。
真正面に檜原街道まで上がれる階段がありました。南秋川を渡って階段を上がっておしまい、以上。としてもいいんですが、せっかくですから龍神の滝に向かいます。
苦労してずーーっと長くトラバースしてきたと思ったんですが、尾根上から見えた木橋は意外にすぐ近くです。左岸を上流に向かいます。
大岩を乗り越えたりしながら左岸をさかのぼっていたんですがついに進めなくなって右岸に渡渉。
龍神の滝が見えました。うーむ、左岸も右岸も降りられるような場所は見つかりません。左岸の小さな雨裂を降りられそうな気がしますが勾配はそーとーです。静かな滝です。

スケン沢左岸尾根のなんとなくのまとめ動画です。
木橋から南秋川の上流。
檜原街道に上がります。
檜原街道です。自動車を入れて写真を撮ろうとしたんですがちっとも来ないので諦めました。これにてスケン沢左岸尾根はおしまいです。下山即酒。松坂屋商店に向かいます。
5分ほどで「檜原温泉センター数馬の湯」を通過します。実はそもそも今回の尾根歩きは温泉センターをゴールに設定してあーだこーだとひねり出したルートだったんですが、なんだか戦湯意欲は失せてしまいました。おまけにバス停の時刻表を見るとバッチグーなタイミングでバスがあります。
666mの標高点を過ぎ、松坂屋商店で缶ビールを買い、仲の平バス停のベンチでザックからSuicaを引っ張り出していると武蔵五日市駅行きのバスがやってきました。駅に着くと10分ほどで立川行きが出発。あれよあれよという間に消えたバケモノ山やデンジャラスな南秋川沿いのトラバースが遠くなり、「ホントにあったことだよね。あんなとこ歩いたよね。こんなとこ歩いたよね」と誰かにたずねたくなる、そんな奇妙な気分です。ちょっと酔ったかな。
酔った頭で記憶をたどるときょうは3本の尾根を歩き、10か所以上の標高点と2か所の三等三角点、3宇の祠、5体の石仏、3基の碑、1基のタンクをつなぎました。だからどーした。どこを歩いたかよりどう感じたかを大切にしたいと思うんだけれども。んー、電車の床がまぶしい。
山の神様、地権者の皆様、きょうもありがとうございました。無事に帰ることができました。また、よろしくお願いします。