奥多摩尾根歩き
山ビコ尾根、江戸小屋尾根、サス沢右岸尾根

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今回は山ビコ尾根、江戸小屋尾根(えどごやおね)を登り、サス沢右岸尾根を下りました。
うーん、どこを歩こうか、と悩んでいたところ『奥多摩 登山詳細図(西編)2017』(吉備人出版 以降、『詳細図』)に「山ビコ尾根」という小さな文字を見つけました。素敵な名前です。ただその尾根の場所はなんとも説明し難いです。下の地図を参照してください。
山ビコ尾根から標高を上げ、850mあたりで江戸小屋尾根(『詳細図』の104)に合流します。九竜(重)山(くりゅうさん)、江戸小屋山を経て江戸小屋尾根のてっぺん鞘口山(さいぐちやま)へ。続いてクロノ尾山から御前山(ごぜんやま)、惣岳山(そうがくさん)を経てサス沢山の手前1020m圏のピークからシダクラ沢左岸尾根へ。852m標高点からサス沢右岸尾根に移り、多摩川に架かる道所橋(どうどころばし)を尾根歩きの終点とするルートです。サス沢右岸尾根はテキトーな名付けです。

コース [START]JR青梅線奥多摩駅→(20分)山ビコ尾根取付き→山ビコ尾根→(1時間50分)江戸小屋尾根→(1時間30分)鞘口山→(1時間10分)御前山→大ブナ尾根→(1時間)1010m圏ピーク→サス沢右岸尾根→(1時間40分)道所橋→奥多摩むかし道→(40分)[GOAL]境橋バス停→JR青梅線奥多摩駅
(7時間10分)
歩いた日 2021年12月11日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

[START]JR青梅線奥多摩駅→(20分)山ビコ尾根取付き→山ビコ尾根→(1時間50分)江戸小屋尾根→(1時間30分)鞘口山


山ビコ尾根は藪と植林が交互に現れて、林道を横断すると2宇の祠、岩場の急登が印象的な尾根。江戸小屋尾根はおだやかな尾根やヤセ尾根のそこそこキビシいアップダウンが繰り返される長ーい尾根でした。大伐採地からの眺めは抜群でした。

おはようございます。きょうは奥多摩駅から歩きはじめます。天気は滅茶苦茶いいんですがお日柄は悪く赤口(しゃっこう しゃっく じゃっく じゃっこう せきぐち)です。仏滅は「物事が終わる日」だけれども赤口は「すべてが消滅する日」らしいです。おっそろしい日です。そういえば乗っていた電車が遅れて青梅発奥多摩行きの電車を1本逃すハメに。JR某駅で合流した奥多摩のトップガンMさんは予定していた小菅行きのバスに乗れず、「奥多摩駅近辺の気になっている場所を調べてみます」と途中まで同行することに。
弁天橋です。蛇行する多摩川にまあまあ沿っている青梅街道を奥多摩湖に向かって歩いています。左の靴底が剥がれかかったので登山靴を新調しました。おニューの登山靴です。いきなり靴底が赤口したりしないよね、などと思いながらてくてく歩きます。山ビコ尾根から合流する江戸小屋尾根が病院の向こうに見えています。
檜村橋(ひむらばし)を渡ります。白飛び気味の中央の尾根が目指す山ビコ尾根です。
冷たそうな流れです。
橋詰バス停を過ぎてすぐの橋詰トンネル手前を右折し、二又の左の道へ。山ビコ尾根の下端に向かって回り込んでいきます。
左手が山ビコ尾根なんですが、できるだけ下端を探ります。
道が右にグキッと曲がる地点の階段から山ビコ尾根に取り付きます。これより先は完全に人様んちです。ここでMさんは引き返していきました。
階段を登りました。Mさんは別れ際に「藪ですねえ」と見たまんまを言ってたんですが、なにか深い意味があるのでしょうか。ないですよね。
多摩川の対岸に境集落と橋梁が見えました。
強烈な藪です。この植物はなんという名前でしょう。枯れているのか枯れているフリをしているのか、顔にあたってポキポキ折れたりビシッと弾かれたり、なかなかやっかいです。右手はずっと下の方を多摩川が流れ、
左手には藪に埋もれた祠が建っていました。
左から登ってきた道と合流すると藪はがくんと薄くなったんですが、すぐに
植林帯に突入します。
こんな尾根道になりました。
伐採地に出ました。前方に林道が見えます。
伐採地からの眺め。奥に本仁田(ほにたやま)、大休場尾根(おおやすんばおね)、ゴンザス尾根なんかが見えました。
林道との合流点に馬頭観音が立っていました。
林道を横断し、目の前の「岩おこし」みたいに粒がそろった石垣につくられた階段を登ります。
東京都交通局の多摩川送電線9号という鉄塔にぶつかりました。
左(東)方向。
右方向。小河内(おごうち)ダムが見えました。下る予定のサス沢右岸尾根が見えていると思うんですがどれなのかわかりません。
鉄塔を過ぎ、ポキバキの尾根道です。
ややヤセの岩がちな尾根を登ったりもします。
590m圏から御前山(ごぜんやま)。
藪と植林が交互にやってきて、ポキバキの急登にあえいでいると
でっかいヒノキの根元に2宇の祠が建っていました。620m圏です。
狛犬でしょうか。愛くるしい表情で祠を守っています。
右は口を開けていて左は閉じていて、阿形(あぎょう)と吽形(うんぎょう)のように見えます。
祠や狛犬たちは真北を向いていました。山ビコ尾根に取り付いた橋詰地区の方向です。同じ方向を向いてジョージアカフェラテを飲みながら小休止します。
ポキバキの藪を潜るように登ってくると
縄文時代の櫓? みたいな謎の構造物を通過します。
植林を背負った尾根が右から登ってきて合流します。
右から登ってきた尾根をほんのちょっぴり下って680mの標高点と思われる場所に立ち寄りました。なにもなく、なにも起こりません。
引き返してなだらかな尾根道を進みます。
720mあたりで岩ゴツのヤセ尾根になりました。
登ってきて
登ります。デンジャラス感はありません。
続いて尾根を塞ぐ大岩がバーンと現れました。
左に踏み跡らしきものがのびています。たどります。
できるだけ早く尾根に復帰したいのでテキトーなところで斜上します。
もう少しです。
這い上がってきて尾根に乗りました。
尾根の向こう側。落ちてもどこかに引っかかりそうですが試す気にはなれません。
尾根を這い上がります。
鉄の支柱が立っていました。役割は謎。つかむと安全確保にバッチリです。
這い上がります。
這い上がってきて
尾根は幅広になってきました。
左から登ってきた尾根に吸い込まれていく、はっきりしたトラバース(山腹水平移動)道にぶつかりました。植林を背負っているのは江戸小屋尾根です。「奥多摩駅」と書かれた道標が江戸小屋尾根の方向を指しています。850mあたりです。
合流点あたりは赤テープがあちらこちらにぶら下がっています。
江戸小屋尾根を見下ろしたところ。これにて山ビコ尾根はおしまいです。短いけれど藪あり祠あり岩尾根ありの面白い尾根でした。
ここからは江戸小屋尾根です。江戸小屋尾根を歩くのは2度目で前回とそれほど変化はなかったのでさらりと通過します。
920m圏の伐採地からの眺め。右(西)側が開けています。ダムや奥多摩湖、湖を見下ろしている倉戸山(くらとやま)、手前にはシダクラ尾根なんかが見えます。
九竜(重)山(くりゅうざん など)という重厚な名前ですがいまひとつメリハリのないピークを通過します。954mの標高点です。
ピークから下り、880mあたりで広大な伐採地に出ました。右側の北から東がドバーンと開けています。
伐採地のてっぺん、尾根上をずーっと歩きます。
登ってきて
伐採地はおしまい。
江戸小屋山のピーク(970m圏)を通過します。江戸小屋尾根の名を冠してはいますが九竜山と同じく地味なピークです。
一方、顕派手にとんがったピークを見せつけているのは鋸山(のこぎりやま)です。鋸尾根が左へ奥多摩駅に向かって下っています。
江戸小屋山のピークから少し下ってすぐ、できたてっぽいビシッとして美しい作業道にぶつかりました。
左方向。
右方向。うーん、どこに行くのでしょう。
作業道を横断して尾根の続くを歩きます。
1090mあたりでまた作業道を横断します。こちらの作業道はそこそこ古そうです。左右にロープが張られていました。
登ってきて
鞘口山(さいぐちやま 1142m標高点)に到着。これにて江戸小屋尾根はおしまいです。ベンチで男性ハイカーがご飯を食べていました。挨拶をしてジョージアカフェラテを飲みながら小休止。靴底やタオルに軍手などなど、まだ赤口に会っていないことを確認しました。