奥多摩尾根歩き
高ワラビ尾根、タワノ尾根

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伊勢岩ノ頭→(1時間25分)巣山ノ頭→武士平分岐→タワノ尾根→(1時間20分)タワノネ→(5分)茶平林道→(25分)埼玉県道73号秩父上名栗線→(55分)高ワラビ尾根取付→国道の裏道→(1時間)[GOAL]西武鉄道西武秩父駅


高ワラビ尾根の巣山ノ頭直前にふたつ連続する急登というか岩場というか崖はめちゃくちゃキツく、必死に雪面にすがりつき、へばりつき、杖を横にして雪を払いのけながら這い登りました。
タワノ尾根は短い尾根ですがひたすら急降下に次ぐ急降下です。しかも分岐が多く、なかなかやっかいな尾根でした。

ややヤセ尾根を歩きます。
イイ雰囲気ですが雪は深く、足取りは重く、持ち時間は少なく、
眼前に岩がちなとんでもない急登が現れました。雪化粧で岩稜の素顔が見えません。とりあえず取付きます。
登ってきて
ルートもへったくれもありません。テキトーに直登です。いや、直登というよりは垂直登です。
激しく登ってきました。所要時間は20分ちょっと。やっと一段落、と思ったんだけれど
さらにもうひと崖。ココロが折れかかる1050m圏です。ちょっと休憩し、全身の元気の素の残滓をかき集めてココロの柱を補修し、気合を入れ直します。
あともう少しでてっぺんです。ぶ厚い雪を杖で払い落として腹ばいで這い上がります。途中で撮影する余裕はまったくありませんでした。ところで『詳細図』をちゃんと見るとこのあたりの場所に「岩場北迂回」と記載されています。雪のせいでしょうか。迂回するルートはまったく気付きませんでした。
岩場のてっぺんに立ちました。登り始めて約40分。標高差は約40m。とにかく必死に登ってきました。疲れました。
2つの岩場を越え、なんともおだやかな尾根道です。
すぐ先に「巣山ノ頭 1090m」と書かれた板が木にくくりつけられていました。
巣山ノ頭から少し下ると尾根を横切るように2本のロープが張られていて、
ロープを越えると道標が立っていました。高ワラビ尾根の直進方向は「小持山を圣て武甲山」、尾根から右に下る方向は「武士平を圣て浦山口へ」。
同じ場所に立っている柱。下ってきた高ワラビ尾根方向は「(数文字判読不能)禁止」と書かれています。ロープの所以でしょうか。
ザックを下ろし、『詳細図』のコースタイムを見ながら身の振り方を検討します。いますでに15時。小持山まで高ワラビ尾根まで歩き、武甲山の山頂に着く頃には日はとっぷり暮れそうです。残念だけどここで高ワラビ尾根を離脱。「武士平を圣て浦山口へ」のタワノ尾根という尾根を下ることに決定。激登続きに飲むことを忘れていたほうじ茶を一口二口飲んで出発します。
タワノ尾根の下り始め。
下ってきて分岐は左へ
下ります。次の分岐は右へ。とんでもない急降下です。
次の分岐は左へ。分岐が矢継ぎ早に現れます。
ズーッと急降下です。
1000mあたりの分岐です。左へ。というか直進は崖です。
崖から落ちるよりましですが、こちらもとんでもない急降下です。
下ってきて
下ると
突然、道標が立っていました。尾根を左へ離れるのは「五色岩滝圣武士平」、タワノ尾根を下る方向は「武士平を圣浦山口」、登る方向は「小持山を圣武甲山」。下ります。
急降下は続き、
勢い余って踏み出せばアウトな岩の上です。
こんな感じ。870m圏です。左に大きく巻く踏み跡がありました。
大巻き中。尾根に戻ります。ロープが張られていました。
タワノ尾根に復帰し、
850m圏で勾配はずいぶんゆるやかになりました。
830m圏の分岐です。左へ。ここでようやく写真入日付が入っていることに気付き、解除。
820mあたりの分岐は右へ。
やっぱり急降下です。
左が雑木になりました。
790m圏の分岐です。左右どちらに下っても地形図の破線にぶつかりそうですが踏み跡(雪の凹み)のはっきりしている左へ下ります。
またまたまたヒューッと急降下です。
下ってきて
植林に入り、下ります。すぐ先の分岐は右へ。740mあたりです。
下ってきて
道標と馬頭観音のある道に降りました。ここがタワノネ(720mあたり)という峠のようです。これにて急降下でできたタワノ尾根はおしまいです。
峠道を「有坂・茶平に至る」方向に歩きます。
歩きやすい道です。
さよなら! タワノ尾根! 日が傾いてきました。
こんなロゴの清涼飲料水があったような。渡れる気がしません。渡る気がしません。沢(有坂沢)に降りて対岸へ。
分岐です。
下る「茶平に至る」方向を選択。林道の終点みたいな雰囲気です。茶平林道でしょうか。
対岸の雪面を石ころや枯れ枝が細いシュプールを描いています。
堰堤の上を渡ります。
林道をてくてく歩きます。ここまで下ってくればもういつ日が沈んでも大丈夫です。
どうしたのでしょう。轍が千々に乱れています。
秩父さくら湖が見えてきて
林道は終わり、県道73号秩父上名栗線に合流します。獅子頭の絵が書かれた寄国土(ゆすくど いすくど)トンネルをくぐります。
さくら湖の右岸を歩きます。
さくら湖に突き出した旧浦山公民館を通過します。
道明(みちあかり)トンネルをくぐります。トンネル内はフツーに暗かったです。
後台(ごだい)トンネルをくぐります。
赤石(あかいし)トンネルをくぐります。なぜか照明は赤くないです。
左に両神山、右に指ハートの形をした二子山(ふたごやま)が小さく見えています。あとはわかりません。
高ワラビ尾根の横っ腹に取付いた石段を通過します。
ショートカットした駐車場を左に見ながらそのまま県道を進みます。
県道から裏道に入ってここは久保商店(あるいは久保商店やきとりハウス)という昭和すぎる商店です。まん防で店内での飲食はできませんでした。缶ビール、地酒の秩父酒造の武甲カップ、矢尾商店の秩父錦カップを購入。店を出ると月が高く光っていました。
影森今井屋というこれまた昭和というかディープなお店を通過します。看板に「アド街 テレ玉 旅サラダ テレビ東京出演」と書かれていました。何屋さんなのかよくわかりませんが、秩父名物のみそポテトなんかを売るお惣菜屋さんかな。
なんじゃこれ? 同感です。が、思い出しました。これは右に秩父線影森駅、左上に武甲山がでっかくボァーンとうっすらと見えていたのを撮影したものです。この後も西武鉄道西武秩父駅を目指して夜道を歩き、ちちぶ(ラビュー)48号でカップ酒をチビリチビリ飲みながら帰宅しました。
山の神様、地権者の皆様、きょうもありがとうございました。ほろ苦い結果に終わりましたが、また来ます。こんごともよろしくお願いします。
無積雪期の高ワラビ尾根を登った記録はこちらです