奥多摩尾根歩き
高水三山バリの旅(沼沢尾根、横見沢左岸尾根、高水山南尾根、岩茸石山南尾根)

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今回は高水三山(たかみずさんざん)バリの旅です。高水山、岩茸石山(いわたけいしやま)、惣岳山(そうがくさん)の高水三山をできるだけバリ尾根で結ぼうという山行です。もちろん、バリはインドネシアのバリ島ではありません。高水三山とバリ旅行の記録、そんなわけはありません。バリエーションルートのバリです。いつもは定義がよくわからないのでバリという言葉をほぼまったく使っていないんですが、今回は、まっ、語呂がいいので使います。
高水三山の山頂は半径750mの円内に収まり、山頂を直線で結んだ長さは3.7km。狭い範囲にギュッと仲良く並んだ3座の尾根をゴニョゴニョ歩かせてもらいます。
登る尾根は沼沢尾根(ぬまさわおね)と高水山南尾根。横見沢左岸尾根(よこみさわさがんおね)と岩茸石山南尾根を下ります。沼沢尾根の名前とルートは『奥多摩 登山詳細図(東編)』(吉備人出版)に紹介されていますが、あとの尾根はテキトーな名付けです。地形図には高水山南尾根の上4分の1に、横見沢左岸尾根の全ルートに破線(徒歩道)があり、岩茸石山南尾根はなにもありません。いずれも道標などが整備されている一般的な登山道ではありません。
現地集合のJR川井駅から「高水三山バリの旅」お一人様御一行の出発です。

コース [START]JR青梅線川井駅→沼沢尾根→(1時間30分)710m圏ピーク→(20分)惣岳山→平溝尾根→(20分)横見沢左岸尾根→(30分)平溝林道→(5分)高水山南尾根取付→高水山南尾根→(1時間10分)高水山→関東ふれあいの道→(25分)岩茸石山→岩茸石山南尾根→(1時間)平溝林道→平溝通り→青梅街道やどこかわからない道→(3時間)[GOAL]JR青梅線青梅駅
(8時間20分)
歩いた日 2022年1月29日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

[START]JR青梅線川井駅→沼沢尾根→(1時間30分)710m圏ピーク→(20分)惣岳山→平溝尾根→(20分)横見沢左岸尾根→(30分)平溝林道


沼沢尾根はほぼ川井駅直結の尾根で、駅そばの沼沢川右岸を北東へせり上がり、600mあたりで東へカクっと曲がって惣岳山と岩茸石山を結ぶ稜線の710m圏をピークにしています。序盤は植林帯ですが鉄塔を過ぎたあたりから左半分が雑木の明るい尾根歩きに。急登1、ちょっぴり急登2、なだらかな尾根道7という印象です。
横見沢左岸尾根は惣岳山から平溝尾根(ひらみぞおね)を少し下って610mあたりから平溝川に向かって北東に下っている尾根です。伐採地のへりをなぞる開放感あふれる尾根歩きから植林の中の急降下へ。最後は拍子抜けするほどすんなり林道へ降りることができました。

おはようございます。川井駅に現地集合です。全員そろったところで出発します。
プラットホームで振り向くと沼沢尾根です。
改札を出て右へすぐのとてもきれいな川井駅前観光トイレを借りれば、そこはもうほぼ沼沢尾根の上で、トイレが取付といえば取付です。
トイレからもう少し先に進んだこの階段を登ります。さらにもう少し先の沼沢川沿いを歩くルートもありますが、今回はこの階段から。
畑の間を進みます。
テキトーに登り、右手の稜線をめざします。
すぐに川沿いから登ってきた道と合流し、
尾根道へ。そこそこの急登から
植林内へ。尾根道はなだらかになったり
岩が混じってきて
小さなくの字くの字でキツい勾配を登っていきます。
登ってくると
新秩父線No.34鉄塔が立っていました。
倒れたススキでできた道をたどります。
右(南東)が少し開けていました。
鉄塔をくぐるとまた急登です。尾根は大きなくの字形になっています。
くの字の曲がり角です。登ってきて
登り、
510m圏でとてもおだやかな尾根道になり、同時に植林と雑木の境い目を歩くようになりました。
北の方角に展望があります。右のピークは棒ノ折山(ぼうのおれやま 棒ノ嶺)でしょうか。長沢背稜(ながさわはいりょう)が奥にずーっとのびています。
心地よい尾根歩きが続きます。
ちょっとした岩が尾根上に乗ったりもしています。シウマイ弁当の黒ゴマみたいなアクセントです。
ダーッと下ってダーッと登ります。
登ってきて
600m圏です。体感ではそれほどではありませんが、尾根はここでグッと右に曲がります。ついでにグッと操作を間違って写真に日付が入ってしまいました。しばらくまったく気付きません。
グッと下ります。
平坦な尾根道になりました。おだやかな尾根道が多い尾根です。
620m圏。空がポカリと開けた場所を通過します。
グーッと登ると
ガーッと下り、というところで日付に気付いて解除し、
大岩を右に巻きます。
空が広がってきました。
登ってきて
710m圏のピークに到着。これにて沼沢尾根はおしまいです。赤帽黒杭が刺さっていました(写真中央)。 ペットボトルに詰めてきたほうじ茶を飲みながら休憩します。2、3分も歩けば馬仏山(まぼとけやま 723m)の山頂ですが行きません。今回のバリの旅にそのオプションはありません。
さて、と惣岳山に向かいます。右は登ってきた沼沢尾根です。左の小尾根を下り、登山道に合流します。
東面が伐採されていてめちゃくちゃ景色がいいです。
切り株にすっかりなじんでいるんですが、手前の碑には「馬供養塔」と彫られていて、馬仏山の由来だと聞いたことがあります。
平溝川の下流方向。
正面奥が惣岳山です。うーむ、この写真中央の薄ぼんやりした光はなんとかならないものでしょうか。光とレンズの具合かと思っていたんですが、ひょっとしてゴミかもしれません。掃除機で吸ってみます
岩場を登ってきました。710m圏から下って惣岳山の先で平溝尾根に移るまではバリの旅ではなく、「関東ふれあいの道」の一部で、ふれあいの旅です。これはオプションではなく、バリの旅に込みです。
惣岳山の山頂に到着。青渭神社(あおいじんじゃ)です。山頂からの展望はほとんどありません。
道標は指していませんが、
東へ向かうはっきりした道を下ります。地形図の破線です。
すぐに惣岳山を巻く登山道と合流。左に岩茸石山、右に高水山です。これから下る岩茸石山南尾根も、登る高水山南尾根もはっきり見えています。真ん中のピークは740m圏で、ごっつい感じで下っている尾根はバラクボ沢右岸尾根です。
沢井駅方面に向かいます。
この尾根はかつて登った玉指沢左岸尾根(たまざすさわさがんおね)です。
すぐに平溝尾根への分岐です。沢井駅方面の登山道は右へ。690m圏です。
平溝尾根はこんな感じで始まります。
踏み跡をたどって尾根を下りますが、この尾根は平溝尾根ではありません。
尾根を横断するしっかりした道を左へ
あちらの稜線が平溝尾根です。地形図には本来の平溝尾根上に破線が2本記載されていますが、どうやら道はなくなっているようです。
平溝尾根に乗りました。藪がちです。
3本のスギ(だったかな)の横に立つと
伐採地上からの展望がドンと広がります。植林と伐採の境い目がこれから下る横見沢左岸尾根です。正面には高水山と登る予定の高水山南尾根がすぐそこに見えています。
右には平溝尾根がずーっと続いています。ほうじ茶を一口、二口飲んで横見沢左岸尾根を下ります。
下ってきて
下ります。右下の横見沢から水の流れる音が聞こえているような気がしますが風の音なのか草木の揺れる音なのかはっきりしません。
横見沢の対岸にぽつりぽつり白い塊が見えます。流れ出た水が凍っているのでしょう。
下ります。
下ってきて伐採地は終わり、
植林の中に入っていきます。
かなりの急降下です。写真ではわかりませんが530m圏の分岐です。横見沢寄りの右の尾根を下りましたが、地形図の破線は左の尾根から右の窪地を下って右の尾根に合流しています。
下ってきて
下ります。枝打ちされた枝葉で足元はふかふかです。
祠なんかが建っていそうな大木の隙間を覗いてみましたがなにもありませんでした。
下ってきて大木を見上げます。うーん、かつてはなにかがあったに違いありません。
横見沢です。かなり荒れています。
下ってきて
もう少しで林道らしき道です。
あちらから下ってきて平溝林道に降りました。これにて横三沢左岸尾根はおしまいです。
次は高水山南尾根で高水山を目指します。