奥多摩尾根歩き
大岳山北石尾根、大岳山北石尾根北支稜、枠木沢右岸尾根

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枠木沢右岸尾根下降点→(45分)枠木沢と名前不明の沢との出合→(10分)大岳山北石尾根北支稜取付→大岳山北石尾根北支稜→(1時間10分)大岳山北石尾根合流点→大岳山北石尾根→(25分)海沢探勝路→(35分)海沢園地→林道海沢線→林道大楢線→大楢峠→林道越沢線→(1時間35分)[GOAL]JR青梅線鳩ノ巣駅


枠木沢右岸尾根の下降点は枯れた笹でさっぱりわかりませんでした。テキトーに笹に突入。枠木沢に降りられたはいいけれど、大岳山北石尾根北稜の下端を探して枠木沢を下っていくも壺の見えない滝の落口で立ち往生。ちょっと引き返して岩稜の横っ腹から取付きました。
いくつも連続する岩峰はできるだけ直登、ダメそうなのは巻き道へ、の臨機応変作戦だったんですが、巻き道がない岩峰もあるわけで。

枠木沢右岸尾根はこのあたりです。笹で尾根の姿がさっぱりわかりません。いちばん高い場所から
枯れた笹をバリバリバリと掻き分けていくと尾根の形が見えましたこれが枠木沢右岸尾根のはず。
岩がちな尾根を下ってきて
下ります。そこそこの急降下ですが、予想に反してしっかりした尾根道がつづきます。
それほど、というかちっともデンジャラス感はないんですが20mほどロープが張られていました。
歩きやすい尾根道です。
尾根の左に鉄板が埋もれかけていたのでなんとなく気になって回り込んでみました。「ユース仲間の山」(左)と「日本ボーイスカウト東京連盟」(右)のサインでした。元々ここにあるのか、どこからか飛ばされたり転がったりしてここに落ち着いたのかは不明。
植林から雑木の急降下になりました。
920m圏の分岐です。左へ。
登ってきた大岳山北石尾根とこれから登る大岳山北石尾根北稜の合流点がちらりと見えました。ってこの写真じゃさっぱりわかりませんね。
モノレールと白いネットに覆われた枠木沢のワサビ田が見えてきました。ワサビ田を避けてモノレールをまたぎ、枠木沢と名前のわからない沢の出合に降ります。
名前のわからない涸れ沢の上流。モノレールが横切っています。
枠木沢の上流。奥にワサビ田が広がっています。
大岳山北石尾根北稜の下端を探して枠木沢の左岸を下ります。
左手上に大岳山北石尾根北稜の稜線が見えます。
大岩の横をすり抜けて下流に向かいます。
林道みたいなワサビ田跡を歩きます。
だんだん左右から岩壁が迫ってきました。
V字形にギュッと絞られた枠木沢の流れがフッと消えています。近寄れませんが滝の落ち口に違いありません。この先には進めません。引き返します。
※帰宅後調べてみたんですがおそらく枠木大滝という滝の落ち口です。右岸の岩壁をトラバース(山腹水平移動)する沢登りの記録を読みました。命知らず、としか言いようがありません。
ちょっと引き返して赤帽黒杭が設置されていて意味ありげな朽ちかけた木柱が立っているここから大岳山北石尾根北稜に取付くことにしました。見た目はとんでもない傾斜だったんですが写真だとそうでもないみたい。実際に取付いてみるとその中間ぐらいでした。
這い上がってきて
這い上がります。木立の向こうの怪しげな陰の正体は
尾根上に立つと判明。あの岩峰でした。とりあえず背を向けて
大岳山北石尾根北の下端に歩いてみました。よくわかりません。ここを登ってくることができるのでしょうか。
背を向けて最初の岩峰に取付きます。正面突破できそうです。巻き道があるのかどうかは確認しませんでした。
登ってきたんですが、ルーツファインディング(登攀を支持する木の根を探ること)は必至です。幸い、頑丈な木の根っこは豊富で手がかり足がかりに困りませんでした。
ここは小さな岩峰です。左へ回り込んで巻きます。
次なる岩峰は登れそうにありません。
左に回り込んで
巻き道らしき道はまだつづいているようでしたが、ここを這い上がります。
這い上がってきて、ルーツファインディングで軍手がかなりのダメージを受けました。
よじ登ります。
倒木って手がかり足がかりになってヒトに優しいことが圧倒的に多いと思います。倒木をつかみ、越え、
登ってきても
岩峰はやみません。
右手の手前に登ってきた大岳山北石尾根、奥は大岳山から北西に鋸山に下っている尾根。なんかを眺めながらちょっと休憩。だんだん岩峰を這い上がる恐怖感は薄れてきたような気がします。
甘いです。こんな岩峰を見上げると恐怖心はぶり返します。
左に巻き道があります。
ずんずんたどります。
左手下に枠木沢右岸尾根を下っているときに見えていたワサビ田を覆う白いネットです。うーん、登るばかりで水平距離はちっとも進んでいません。
巻き道はまだつづいていましたが、あの中央上に向かって稜線をめざします。
這い上がってきました。根っこがごく少ない斜面です。とんでもなく難儀しました。腹這いになって肘でずり上がったり、今回のルートでいちばんツラかったです。
巻いてきた岩峰を振り返って。あんなのかりに登れたとしてどう下るのでしょう。
振り返ってヤセ尾根を登ります。
そろそろ最後の岩峰のはずです。でもこれは無理っぽい。2段めまでは想像できるけどその先はどう登れるのかさっぱり見当がつきません。
ということで左の巻き道に活路を見いだせるかどうか。岩肌に沿ってゆるく登っていき
くみしやすそうな斜面をよじ登ります。
稜線に復帰。
まだ岩峰はありました。小物(失礼)は巻こうと思ったんですが、ここが最後の岩峰でしょう。せっかくだから岩に取付きます。
岩の切れ目を這い上がり、
また這い上がり、
岩峰のてっぺんに立ちました。
海沢のずーっと奥に長沢背稜(ながさわはいりょう 都県境尾根)が横たわっています。
振り返って平坦な尾根をちょっと歩くと大岳山北石尾根との合流点です。これにて大岳山北石尾根北稜はおしまいとします。
大岳山北石尾根の過酷な下りに備えて靴紐を締め直してチェーンスパイクを履きます。日が傾いてきました。
大岳山北石尾根を下ります。
登ってきた尾根ですが下りはまったく違う光景です。
840m圏で雑木から植林へ。本格的な急降下が始まります。
左手下にワサビ田の白いネットが見えます。810m圏です。どう見ても登ってきた右の尾根より左の尾根のほうが傾斜はおだやかです。
左へ下っていきます。楽ちんです。
モノレールを越え、
海沢右岸の踏み跡を下っていくとワサビ田のフェンスで行き止まりです。
対岸に探勝路らしい道らしいものが見えます。
ワサビ田からの放水です。しぶきが凍っててらてらと水飴みたいに光っていました。対岸に渡り、
登り、探勝路に立ちました。
対岸に大岳山北石尾根の取付がちらりと見えました。
探勝路をてくてくと
下り、
海沢園地の東屋です。杖やチェーンスパイクをザックに押し込みます。
大楢林道経由で鳩ノ巣駅に下山することにしました。舗装された海沢林道をじんわりじんわり登っていきます。
658mの標高点を見上げながらヘアピンカーブを曲がります。
ここから大楢林道です。
冬の斜陽に照らされる鳩ノ巣城山。
大楢峠に到着。右に下る道へ。
ひたすら植林内の道を下ります。ひたすらです。繰り返しますがひたすらです。朽ちた木の階段なんかがあったりすんですが、とにかくひたすらです。
広大な集落跡を過ぎ、
林道(越沢線)が見えてきました。
立山の「雪の大谷」みたいな(行ったことないけど)ゾーンを歩きます。
現代のノミ跡を通過します。
夕刻です。
この木立の向こう、越沢の対岸に越沢バットレスと越沢アルペンルートが見えているはずです。
なぜかベンチが設置されています。越沢側の木が育つ前は越沢バットレスなんかが見えたのかもしれません。
右手下に「鳩ノ巣ガーデンキャンプ場」のゲートが見えてきました。奥のブルーシートから林道をはなれ、
山道を下り、東屋でちょっと休憩。
鳩ノ巣駅に向かいます。LED照明がまぶしいくらいです。
坂下登山口観光トイレを過ぎると右へ。集落を抜け、
雲仙橋を渡り、大橋屋で缶ビールを購入。
鳩ノ巣駅に着くと上り電車は出たばかり。なんとなくトイレにいったり星の数を数えたり(これはウソ)、駅舎でうだうだして跨線橋から奥多摩方面を眺めています。電車が来るまで撮影を待とうかとも思ったんですが風が冷たいので上り線のベンチに退散。
山の神様、地下者の皆様、きょうもありがとうございました。大岳山の北面を勝手気ままに歩かせていただいました。シンドく楽しく、無我夢中のうちに終わった尾根歩きでした。また、よろしくお願いします。