奥多摩尾根歩き
オハツ窪左岸尾根、巳ノ戸尾根

(1/2)


今回はオハツ窪左岸尾根を登り、巳ノ戸尾根(みのとおね)を下りました。
オハツ窪は日原林道の八丁橋のすぐ上流で日原川の右岸に細いけれどキツい傾斜で激しい流れを注いでいます。ひょんなことからオハツ窪を知ったんですが、しばらく忘れていました。で、思い出しました。7対3くらいで尾根に取付くことすらできないんじゃないかと思っていた尾根です。けれども、現場に立ってみないことにはわからないよね、と腰が引けているのかチャレンジ精神旺盛なのか自分でもよくわからない心持ちでの出発でした。
で、タイトルどおり、なんとかオハツ窪左岸尾根を登ることができました。鷹ノ巣尾根上のオハツ窪左岸尾根のてっぺんから八丁山へ。鷹ノ巣尾根巳ノ戸尾根、どちらを下るかちょっと迷いましたが巳ノ戸尾根を選択。ヤセ尾根あり、大展望の岩稜あり、明るくのびやかな尾根歩きありの素敵な尾根でした。
コース JR青梅線奥多摩駅→[START]鍾乳洞バス停→日原林道→(30分)八丁橋→うろうろ→(20分)日原川下降点→うじうじ→(40分)オハツ窪左岸尾根取付→オハツ窪左岸尾根→(2時間50分)1270m圏ピーク→(15分)八丁山→巳ノ戸尾根→巳ノ戸橋→(1時間50分)[GOAL]東日原バス停→JR青梅線奥多摩駅
(6時間25分)
歩いた日 2022年12月8日(木)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線奥多摩駅→[START]鍾乳洞バス停→日原林道→(30分)八丁橋→うろうろ→(20分)日原川下降点→うじうじ→(40分)オハツ窪左岸尾根取付→オハツ窪左岸尾根→(2時間50分)1270m圏ピーク


オハツ窪左岸尾根はほぼ全行程が急登でした。急登というかずっと這い上がっているイメージです。たまに現れる平坦な尾根はごく短くて、すぐ先にヤセていたり岩がちだったりザレていたりズルズル滑る腐葉土だったりの急勾配が見えて、なかなかこころもからだも休まりません。けれども次から次へと変化する尾根相は面白く楽しいものでした。

おはようございます。きょうは平日なので奥多摩駅から鍾乳洞バス停まで来ました。バスは立ち客が出るほどの盛況。川乗橋バス停で20人以上が降り、東日原バス停で2人、終点の鍾乳洞バス停でわたくしひとりを降ろしたバスは小川谷橋(おがわだにばし)の向こうでぐわーんと方向転換しています。マスクをザックにしまい、軍手と杖を出して出発します。
小川谷橋を渡り左折、林道日原線へ。伊勢橋(いせはし)の水たまりが凍っていました。
日原林道をてくてく歩き、
八丁橋(はっちょうばし)を渡り、
天祖山(てんそさん)への登山道を右に分け、ゲートの脇を抜けます。
ゲートから4、5分で日原川の対岸にオハツ窪が見えてきました。オハツ窪左岸尾根が出合に没しています。日原川に降りられそうな場所を探します。
「2.5km」の標識から日原川に降りられそうです。
見上げると八丁山がニョキッと顔を出しています。
「2.5km」から降りられそうではあるんですが、もっと楽ちんなルートがないか、探してみます。
日原林道をうろうろします。
結局「2.5km」の標識に戻ってきました。ここから日原川に下ることに決定。
太いワイヤーを通過し、
あちらから下ってきて
日原川に降りました。ちょっと下流方向にオハツ窪左岸尾根の下端が見えます。あんなところは登れません。

日原林道から日原川に降り、[日原側下流→オハツ窪左岸尾根の下端→取付いた「溝」→取付かなかった崖→日原側上流]を撮影しています。
それじゃあ、あの鞍部から左の崖に取付くか、
それともその左の小さな崩落地というか溝(スラブ?)を這い上がるか。右端に前の写真の崖が見えています。どちらにしても左に登っていってオハツ窪左岸尾根の本筋に乗ることになります。とゆーか、そもそも取付く前にこの水量豊富な日原川を渡れるのか、日原川に降りてからずっと気になっていました。
上流方向。飛び石で渡渉できる場所がないか探したんですが見つかりません。渡渉するなら裸足になるしかなさそう。踏ん切りがつきません。うじうじ、逡巡、ためらい、躊躇、尻込み。水の流れを見ながら聞きながら撤退でもいいか。とも思ったんですが、
意を決して裸足になってあちらから渡ってきました。水はめちゃくちゃ冷たく、水流は速く、川底の石は滑りやすく足をのせる前に滑っているんじゃないかと思えるくらいつるつるでした。
取付は崖より溝を選びました。理由はひとつ。滑落したとき、崖のほうはかなりダメージがありそうだけれど溝は擦り傷くらいですみそうという判断です。
溝を登ってきました。ごく薄く水が流れています。手がかかりを求めてルーツファインディング(根っこ探し)する軍手は濡れ、指が冷たいです。
登ってきて左に折れました。
ようやく林道の高さです。深い谷に日はまだ届きません。
オハツ窪左岸尾根の横っ腹でちょっと休憩。
這い上がります。
左へ斜上して
ようやくオハツ窪左岸尾根に立ちました。下端を見下ろした写真ですが、切れ落ちていて尾根の様子はちっともわかりません。左上に林道が見えています。
這い上がります。
這い上がってきて
ちょっと一息です。
ヤセ尾根になりました。右に日原川側は激しくビシッと切れ落ちています。
ヤセ尾根をさらに狭めるヒノキの大木を回り込みます。オハツ窪の細い流れがちらっと見えました。
今度は大岩がヤセ尾根を塞いでいます。標高770m圏です(以降、「標高」は省略)。登れなくもなさそうですが、
左に巻きます。いったんグーッと下って
テキトーに登り返します。
登ってきました。
大岩のてっぺんに立ってみたんですが、右に巻くとひょいと登ってこられたみたい。
振り向き、尾根歩き続行です。平坦ですが
すぐに急登が始まります。
右はダストシュートみたいな谷が日原川へ。
左はオハツ窪のナメ滝。
そのまま見上げると八丁山。
タラーンとした地形を通過します。右の尾根に乗ります。
おだやかな雰囲気の尾根だったんですが、
いきなりガツガツのヤセ尾根になり、
こんなや
こんな大木が尾根にデンと腰を据えていたりもします。
910mあたり。オハツ窪左岸尾根で初めて平坦地らしい平坦地です。ですが、すぐ先にアセビに覆われた急勾配が見えています。
あのてっぺんで右から登ってくる尾根と合流しそうです。
手足フル稼働がつづきます。
ザレ気味の急登から腐葉土に落ち葉が薄く積もったキツい急登になりました。これはこれでなかなか歩きづらいものです。
登ってきて
またタラーンとした地形です。右の尾根に乗ります。
平坦なちょいヤセの尾根は
すぐ終わり、岩ゴツの急登が始まってすぐ終わり、
尾根広がりフツーの急登になりました。
写真では伝わりませんがかなりの勾配です。苔むした大きな倒木に手をかけながら登っていきます。
登ってきて
右から登ってきた尾根と合流しました。こちらの尾根もそーとーな勾配です。1110m圏です。
合流して尾根はやや左に曲がり、
そこそこの急登が続きます。
「東京市」の標石が立っていました。1140m圏です。
激しく登ってきて
そのまま視線を上げると、あれは天祖山ですよね。ちょっと休憩。
相変わらずの急登が
あのピークに向かってさらにキビシくなって
この標高差20mくらいが勾配でいえばいちばんキツかった気がします。登ってきて、
鷹ノ巣尾根の1270m圏のピークに立ちました。地形図ではわかりませんが小さいけれどはっきりとしたピークです。標石が埋まっていました(写真中央やや右上)。これにて取付までのアプローチ、取付いて初っ端の溝登り、急登に次ぐ急登、かなりハードだったオハツ窪左岸尾根はおしまいです。
晩ごはんで残ったお好み焼きを持ってきたんですが食欲はありません。最寄り駅で買った「ダブルカフェラテ」を飲んで出発します。まずは八丁山を目指します。