奥多摩尾根歩き
真名井北稜、杉ノ尾根、将門尾根

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「真名井北稜(まないほくりょう)。とてもかっこいい名前だ。しかも東西にスッと伸びやかだ。『山と高原地図』ではほぼ水平に名前が印刷されている。じっくり地図を眺めてみたけれど、尾根の名称で真名井北稜ほどの水平っぷりは見つからなかった。今回はこのかっこよく伸びやかな尾根を歩きます」と書いたのは2015年1月のこと。今回は何度目かの真名井北稜を登り、杉ノ尾根の途中から将門尾根(まさかどおね)を下りました。
真名井北稜は川苔山(かわのりやま)の北にある真名井沢ノ峰(まないさわのうら)をてっぺんにして東から南東へ下って大丹波川(おおたばがわ)と真名井沢の出合に落ち込んでいます。杉ノ尾根はコブタカ山(瘤高山 こぶたかやま)という山から南東へ、古里駅近くの多摩川と峰入川谷の出合に下っています。かつて登ったことがあります。将門尾根は杉ノ尾根の荏ノ久保山(えのくぼやま)のいう山からほぼ南に下って多摩川に没しています。
コースを思案する時間が取れず「困ったときの真名井北稜」で登りは真名井北稜に決めたんだけど下りをどうするか。うーん、と杉ノ尾根の途中から将門尾根という地味な尾根を下ってみることにしました。
コース [START]JR青梅線川井駅→(50分)真名井橋→真名井北稜→(3時間10分)真名井沢ノ峰→(15分)狼住所→(45分)大ダワ→(30分)コブタカ山→杉ノ尾根→(45分)大根山ノ神→不動山→荏ノ久保山→将門尾根→(50分)将門神社→(25分)[GOAL]JR青梅線古里駅
(7時間30分)
歩いた日 2021年5月29日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

[START]JR青梅線川井駅→(50分)真名井橋→真名井北稜→(3時間30分)真名井沢ノ峰


真名井北稜は植林の中の一本道をダーッと登り、鉄塔を背負った尾根をグングン登り、大伐採地の縁を涼しい風に吹かれながら登り、滅茶苦茶ヤセた尾根を辿ったり、キツい急登はちょっぴりで、長ーい尾根です。

おはようございます。川井駅です。
改札を出て左へ。大丹波川(おおたばがわ)の対岸に赤杭尾根(あかぐなおね)を見据えながらだと危ないので足元を見ながら階段を降ります。
大丹波川沿いの道路をどんどん上流へ。北川橋(きたがわばし)を渡ります。青空が勝つか雲が勝つか予断は許されない状況です。余談ですがビワの実は追熟しない、保存する場合は冷蔵庫ではなく風通しのいい冷暗所がいい、そうです。つまり入手したらすぐ食べるべきらしい。大好きな果物だけど知らなかった。
真名井橋に着きました。正面が真名井北稜です。
真名井橋を渡ってすぐ右手の平らな土地に踏み入って大丹波川と真名井沢の出合を覗き込みました。
真名井北稜の最下端部の表敬訪問を終え、先に進みます。
ゲートができていました。
ゲートを越えてすぐ、ここが真名井北稜への入口です。ザックから杖やら軍手を取り出して準備完了。
こんな感じの道で始まり、
くの字くの字で高度が上がっていくなんてことはなく、ほぼズーッと一本道です。
登ってきて
あの鞍部で真名井北稜に乗ります。
真名井北稜です。
550mの標高点あたりに新秩父線No.40の鉄塔が建っていました。通過します。
真名井北稜の鉄塔区間には、木が伐採されてポカリと明るい空き地が何カ所があります。
新秩父線No.41の鉄塔を通過します。
バーンと開けた尾根に出ました。
登ってきました。右手は赤杭尾根です。
右から登ってきた尾根と合流します。
合流点はかつて青木神社という神社があったらしいです。餌台みたいなものは完全に朽ちていました。
ちょっと先に進むと惣岳山(青木山)のピークです。710mの標高点です。
山名板がぶら下がっていました。これといった眺望はありません。ペットボトルに詰めてきたほうじ茶を飲んで出発します。
新秩父線No.42の鉄塔を通過します。
鉄塔の下をくぐってこんなヤブをテキトーに歩いていくと
こんな場所に出てしまいました。左の尾根上に這い上がります。
710m圏で大伐採地跡に出ます。
木がずいぶん大きくなったようです。
かつてはドバーンと見渡せたんですが
いまひとつの眺望です。
伐採地跡のへりに沿って尾根を登っていきます。
金属か樹脂の網で守られた木もありますが、クリやサクラなんかの木の勢いがいいように見えました。
このあたりの真名井北稜は赤杭尾根と併走しています。
810m圏からほぼ南方向の眺めです。高水三山(たかみずさんざん)の方角です。
伐採地跡のてっぺんから植林帯へ。
すぐに新緑の自然林になります。
登ってきて
登ります。前触れなくヤセ尾根になりました。
アセビの森から急登です。
登ってきて
登ります。真名井北稜で一二を争う急登です。
踏み跡は左へ巻きぎみですが右の尾根筋へ。
右から登ってきた新秩父線44号尾根(テキトーな名付けです)と合流します。ここで真名井北稜はやや左へ向きを変えます。
合流点からちょっと左へ進むと新蔵指ノ丸(しんぞうざすのまる)と書かれた山名板がぶら下がっていました。登山口から2時間10分ほど。ほうじ茶を飲みながら小休止です。
新秩父線44号尾根方向には通せん坊がありました。
新蔵指ノ丸からはややヤセた勾配の緩い尾根になりました。
こんな尾根や
こんな尾根を歩き、
尾根は広がりながら勾配がキツくなります。1020mあたり。
登ってきて
登ります。急登です。
『奥多摩 登山詳細図(東編)』(吉備人出版)に馬乗石と記載されている大岩を通過します。
アセビの森へ。
グーッと登ってきて
登り、
雁掛ノ峰(かりかけのうら)のピークに到着です。山名板がぶら下がっていました。
こちらは北に下る尾根。かつて登ったことのある曲り尾根です。
ほうじ茶を飲んで出発します。滅茶苦茶ヤセ尾根です。
やや広がって
もっと広がって
あのピークが真名井沢ノ峰かと思ったらそんなことはなく、
さらに小さなピークを2つほど越えてきて
真名井沢ノ峰に到着です。これにて長かった真名井北稜はおしまいです。
ツナマヨネーズのおにぎらずとおやつラーメンでお昼にします。食後の白湯を飲んで出発します。
さようなら! 真名井北稜!