奥多摩尾根歩き
黒山西尾根、タカサス沢右岸尾根、惣岳山東尾根

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今回は黒山西尾根を登り、タカサス沢右岸尾根を下り、惣岳山東尾根(そうがくさんひがしおね)を登り、真名井北稜(まないほくりょう)を下りました。黒山西尾根タカサス沢右岸尾根惣岳山東尾根はテキトーな名付けです。
黒山西尾根タカサス沢右岸尾根前回の権次入峠南西尾根逆川左岸尾根を歩いたときに予定していた尾根ですが、「まっ、いいか」と省いてしまった尾根です。今回はその「まっ、いいか」をサルベージし、ついでに近在の惣岳山東尾根を登ろうという目論見です。「短い尾根をゴニョゴニョとシリーズ」第2弾とします(第1弾の神庭沢左岸尾根塩地ノ頭北西尾根ヨコスズ山東尾根倉沢オキ尾根」はこちら)。ってどーでもいい情報ではあります。
黒山西尾根タカサス沢右岸尾根のてっぺんは都県境尾根の黒山のちょと南にある標高830m圏(以降、「標高」は省略)のピーク。黒山西尾根の下端は権次入沢(ごんじりさわ)と名前のわからない谷の出合でスーッと溶けるようになくなっています。一方、タカサス沢右岸尾根の下端は権次入沢と大丹波川の出合あたりでナタをザンと振り下ろしたように切れ落ちています。
惣岳山東尾根のてっぺんは真名井北稜の惣岳山(青木山 標高710m 以降「標高」は省略)で下端は大丹波浄水場(古いほう)近くで大丹波川に没しています。
惣岳山東尾根を登ったあとは惣岳山から真名井北稜を真名井橋へ下り、川井駅へ向かいました。
コース JR青梅線川井駅→[START]清東橋バス停→奥茶屋キャンプ場(跡)→(20分)黒山西尾根取付→黒山西尾根→(1時間15分)黒山ちょと南の830m圏ピーク→タカサス沢右岸尾根→(1時間25分)奥茶屋キャンプ場(跡)→(5分)大丹波浄水場→惣岳山東尾根→(1時間)惣岳山(青木山 真名井北稜)→真名井北稜→(40分)真名井橋→(50分)[GOAL]JR青梅線川井駅
(5時間35分)
歩いた日 2023年1月9日(月)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線川井駅→[START]清東橋バス停→奥茶屋キャンプ場(跡)→(20分)黒山西尾根取付→黒山西尾根→(1時間15分)黒山ちょと南の830m圏ピーク→タカサス沢右岸尾根→(1時間25分)奥茶屋キャンプ場(跡)


黒山西尾根の下端は権次入沢と名前のわからない沢の出合。沢沿いの登山道から一歩踏みだせばもう黒山西尾根です。拍子抜けするぐらい楽ちんな取付でした。けれどもすぐにザラザラの地面に落ち葉がかぶさったそこそこの急登が始まり、枯れた風を装いながらじつは枯れていない背が低く白い幹と枝の細い立木をつかんだり頬を叩かれたりしながら高度を上げていきます。短いけれど岩場になったり尾根幅は広がったりヤセたり植林に囲まれたり囲まれなかったりもして、表情たっぷりの尾根でした。
タカサス沢右岸尾根の上部はかつて登った黒山南西尾根とダブります。急降下の連続で下端部は崖です。下降ルートを探して文字通り右往左往。万が一、滑落しても致命傷は負わずに登山道に転がり出られるじゃないか、と思われる溝(ガリー? 雨裂?)を下ることにしました。

おはようございます。青梅街道沿いの川井駅バス停からバスに乗り約15分、終点の清東橋(せいとうばし)バス停です。隣接するきれいなトイレや待合室でもろもろの準備を済まし、
大丹波川(おおたばがわ)の上流へ向かって10分たらず。棒ノ折山(棒ノ嶺)の登山口になっている奥茶屋キャンプ場(多分、跡)に到着。写真中央下に倒木のように見える木橋で大丹波川を渡り、
急斜面につくられたワサビ田に沿って登山道を登ります。
右手に、下ってくる予定のタカサス沢右岸尾根の下端部を見上げます。あの崖を下ることは無理。
ちょっと回り込んだここなら降りてこれられるか、などと下降点を探りはするんですがいまひとつピンときません。「まっ、見上げるのと見下ろすのでは感覚は違うしね。現場に立たないことにはわからないよね」と問題解決は後回しにして
権次入沢沿いの登山道を登っていきます。あそこの木橋を渡り、
もうひとつ木橋を渡ってすぐ、左の権次入沢(ちょっと写っているワサビ田)と右の名前のわからない沢にはさまれた正面の尾根が黒山西尾根です。登山道に溶け込むように尾根はなくなっていて、
登山道からひょいと取付けます。ツタをよけながら登っていくと、
すぐに細い立木に覆われた尾根になりました。
登ってきて
頼りない細い木をつかみながら登ります。
540mあたりで岩まじりの尾根になり、
登ります。
権次入沢側は切れ落ちています。
パサついた山肌です。
がまんの急登です。
尾根の幅が広がりました。
右手にこれから下るタカサス沢右岸尾根黒山南西尾根の上部)が見えています。
振り返ると、真正面にタカサス沢右岸尾根を下った後に登る惣岳山東尾根が見えました。真名井北稜に向かってせり上がっています。奥に赤杭尾根が見え、右端に川苔山が見えているような見えていないような。
左手には棒ノ折山。
登ってきて
620m圏の岩で尾根は右にクッと曲がります。
曲がると右植林、左雑木の尾根です。
立ち枯れたコブコブの大木を通過し、
なだらかな尾根道がしばらく続いたんですが、
ググーッと勾配がキツくなり、一段落したと思ったら
またグーッと勾配はキツくなり、てっぺんあたりに見えている岩にちょっとビビりましたが、
こんな岩でした。難なく通過でき、
アセビの枝打ち刑にあいながら登ってきて
刑はもう少し続いて、
こんな尾根から
こんな尾根になり、あそこに稜線が見えているんですが
なかなか近づかず、
黒山がすぐそこに見えるようになり、
登ってきて
もうひと登りで
細い標石の埋まった尾根に立ちました。
左手のポコリとした小山を登りつめると
関東ふれあいの道の上にある830m圏のピークです。これにて黒山南西尾根はおしまい。左へ進めばすぐ黒山、右は岩茸石山(いわたけいしやま)に続きます。
ザックを降ろし、ペットボトルに詰めてきたほうじ茶を一口二口のんで休憩。風もなく、ポカポカ陽気です。静かです。
ずり下がっていたズボンを定位置まで上げ、ザックを担ぎ、タカサス沢右岸尾根に向かいます。
先ほどの標石を通過し、
ややヤセ尾根を下っていきます。
真正面に惣岳山東尾根、横たわる真名井北稜赤杭尾根を眺めながら下ります。最奥の中央やや右寄りに川苔山が見えています。
急降下もあったりして
750m圏で直進する黒山南西尾根と右に折れるタカサス沢右岸尾根に分岐します。
直進は黒山南西尾根。下端は大丹波川と逆川(さかさがわ)の出合あたりです。
タカサス沢右岸尾根は右のこちら。
下ってきて
下ります。
700m圏で尾根は3つに分岐します。
尾根なりに直進すればいいんですが、
右や
左の尾根を下るとそーとーかなり危ないことになりそうです。
分岐からいきなり急降下になり、下ってきて
640mあたりの岩が突き出た分岐は左へ。
茫と広がった尾根を下ってきて
下ると
いきなりぎゅーーっと尾根幅は絞られました。権次入沢の音が大きく聞こえてきます。なんとなくデンジャラスな雰囲気です。
下ってくると
530mあたりのビニールひもが賑やかな立木から
尾根左の植林帯の急勾配を薄い踏み跡がくの字くの字に下っています。
踏み跡に誘われるか、ちょっと迷いましたが尾根歩きを続行。
かなりの勾配を下ってくると
またビニールひもが賑やかです。
その先は崖。勢いあまって尾根をそのまま下ってしまうと一巻どころか全十二巻ぐらい終わりです。
下れる場所を探しながら崖のへりに沿って左へ移動します。
大きな溝がありました。溝の中に獣かヒトか両方かわかりませんがくの字くの字の薄い踏み跡が見えます。かなりの急降下です。権次入沢の音がせり上がってきてちょっと怖いです。下降点の候補にしますが、できればパスしたい場所です。
さらに左へ移動。小さい谷の向こうに尾根が見えました。けれどもめちゃくちゃ急降下です。うーん。スマホGPSで調べてみます。先ほどの溝はh標高差で50mほど下れば登山道にぶつかりそう。いっぽう、あの尾根は大丹波川に沈んでいます。溝を下ることにしました。
下ります。滑り落ちても致命傷は負わないはず、というあまり根拠のない安心材料で脚をグーッとのばしての第一歩です。
つかめる立木はまばらなのでルーツファインディング(根っこ探し)は必至です。手で探り、足で探り、つかんで下って
下ります。ワサビ田が見えてきました。
下ってきて
ワサビ田と登山道も見えます。
急斜面につくられたワサビ田のてっぺんに下れそうです。
登山道に降りました。そのまま登山道を横切り、尾根の先に行ってみます。
崖のてっぺんに出ました。眼下に権次入沢が流れています。これにてタカサス沢右岸尾根はおしまいです。
振り返ってタカサス沢右岸尾根
次は惣岳山東尾根を登ります。