奥多摩尾根歩き
喜右衛門小屋窪左岸尾根、コツ谷右岸尾根

(2/2)


1480m標高点→コツ谷右岸尾根→(40分)コツ谷下流部→(20分)酉谷コツ谷出合→(20分)三又→(2時間)[GOAL]一石山神社→JR青梅線奥多摩駅


コツ谷尾根右岸尾根もココロ優しく感じる尾根でした。分岐はほんのちょっとややこしかったんですが、ノンビリと楽しく悩みました。ただ、最下部で狙ったルートを外れ、コツ谷を見下ろしながらのっぺり道をトラバースにちょっと肝を冷やしました。そしてMさんと合流。

標高点を出発。コツ谷右岸尾根を下ります。慎重に方向を定めます。
下のほうに平らな場所が見えます。
あちらは登ってきた喜右衛門窪左岸尾根です。
下ってきて、
下ります。いつの間にか下る尾根は急降下だと身にしみこんでいましたがコツ谷右岸尾根は緩やかです。新鮮です。
1410mあたりです。尾根は3方向に分岐しています。歩きたいのは真ん中です。
ちょっぴり急降下です。
ノンビリと下ります。
山の凹みの始まりが右手に見えました。1350m圏です。中沢(なかさわ)という沢の源頭だと思います。水が山肌からしみ出ています。コツ沢右岸尾根は中沢左岸尾根でもあり、コツ沢中沢中間尾根でもある、ということです。
水のしみ出しに近づいてみました。コンクリートブロックくらいの大きさの岩の下からチョロリチョロリと湧きだしています。ペットボトルに汲もうかなと思ったんですが、なんとなく恐れ多い気がしてやめました。
尾根に復帰し、下ります。タラリーンとした地形を通過します。
下ってきて、
下ります。紅葉への助走が始まっています。
おいしそうなキノコを通過します。
左手のコツ谷を覗き込んでみました。ずーっと前から流れの音は聞こえているんですが姿は見えません。
先細っている尾根を進みます。
コツ谷が見えました。
あの先は急降下まんまんの雰囲気です。
きょうのルートでいちばんの急勾配を下ります。
谷にツンと突き出た尾根を下っていきます。
尾根を回り込む道にぶつかりました。
あちらから下ってきました。これにてコツ谷右岸尾根はおしまいです。わたくしはここで眼下に見えているのは酉谷だと勘違いしていました。地形図を確認すると予定していた尾根筋からずいぶん早めに左に下っていることが判明(ログではコツ谷の左岸に渡っていることになっていますが実際には渡っていません)。足下を流れているのはコツ谷でした。
コツ谷のかなり上の薄い踏み跡を歩き、酉谷との出合を目指します。どうやらあの稜線がコツ谷右岸尾根の本筋のようです。
コツ谷右岸尾根を回り込んで踏み跡をたどります。この道が今回のルートでいちばんデンジャラスでした。
傾斜の緩い小尾根から酉谷に下ります。
上流に酉谷とコツ谷の出合が見えました。
酉谷の右岸を下流に向かいます(ログでは酉谷の左岸に渡っていることになっていますが実際には渡っていません)。すぐに右岸からの中沢との出合です。
出合のちょっと下流でMさんと合流。約束の時刻になんとか間に合いました。酉谷に座り込んでおやつを食べながらきょうの山行を報告し合いました。流れの音にまけないよう声を張り上げるのはちょっと大変だったけれど。
30分ほどあーだこーだとしゃべって出発。
左岸の大崩落を通過します。
のっぺり道や
そこそこ荒れた道を進みます。
落ちてはいけない谷なんかも通過します。
酉谷に下ります。
酉谷から登山道へ上がるのはこの滝が目印になる、とMさん。
山歩きに正答も誤答もないとは思いますが、わたくしはあの上のほうの崩落地をヒーコラと越えて喜右衛門窪左岸尾根に向かいました。
微妙な踏み跡というか何もないところというか、そんな沢沿いを進みます。
左岸に渡ります。
三又に到着しました。このあたりの山域を歩いているSET(セット)さんと合流できるかもしれない(約束はしていません)ので岩に腰を下ろして休憩しながら待ってみます。SETさんもMさん同様に奥多摩を自由自在に歩き回る猛者です。結局、SETさんとは合流できずに三又を出発しました。SETさんは小川谷下段歩道を歩いて一足先に下山したことを後に知りました。数日前に別の知人(お会いしたことはないんですが)も小川谷下段歩道を歩いたとのメールを受けていました。んー、小川谷下段歩道、いつか歩いてみたいです。
三又から15分ほど。大崩落地です。
Mさん設置のロープとステップで対岸を登ります。
大崩落地を通過。
次の大崩落地を通過。
グイグイと歩きます。
ちょっとデンジャラスな崩落地を通過するとすぐに終点広場です。
終点広場で休憩。東日原バス停に早く着きすぎそうなのでのんびり休みました。そのせいか、というかそのせいに決まっているんですが、林道を下っている途中で太陽は長沢背稜(ながさわはいりょう)の向こう(多分)に完全に沈みました。けれども林道はほの明るく、ヘッドライトを点けなくても危なげなく歩けます。
小川谷との出合にかかるカロー谷の滝。
「奥多摩の女(ひと)、聞いてくれる? 聞いてくれなくても話すけど。
真っ暗な林道を歩き終わってね、Mさんが一石山神社前の街灯の下に座り込んで下山報告のメールを奥さんに出そうとしていたんだよ。そしたら大きな黒いワンボックスカーが林道のほうからスーッと下って来て停まったんだよね。何? と意味なく身構えたんだけど運転手さんが『乗っていきませんか? もう暗いし』と声をかけてくれたんだよね。バスに乗るから大丈夫ですとかこたえていたんだけど、結局、奥多摩駅まで乗せてもらってあっという間に君たちに会えたというわけ。
運転手さんはキノコ採りでタワ尾根あたりを歩き回ったそうなんだ。キノコ採りの話ばかりじゃなく電気柵の電流を巧みに避けて畑に侵入する賢いサルたちの話や集落に出没するようになったクマの話、奥多摩の艶っぽくてむごい伝承、移住者がポツポツ来ているけど一冬越すと過酷な自然に音を上げる若者も少なくない、なんていう話もしてくれたんだよね。という話。
いまはコンビニにビールを買いに来たとこで、Mさんは駅で着替え中。峰谷のキノコ採り名人のOさんに会ったらくれぐれもよろしく伝えてね。じゃあ、また」
山の神様、きょうは拾う神ばかりでした。ありがとうございます。地権者の皆様、ありがとうございます。
峰谷のキノコ採り名人のOさん、車に乗せていただいたうえに面白い話をありがとうございます。車内が汗臭くならなかったかちょっと心配です。キノコ大漁をお祈りします。