奥多摩尾根歩き
入川谷をめぐる作業道を歩く[続]


今回は尾根は歩いていません。以前に歩いた入川谷の作業道歩きの続きです[前回はこちら]。入川谷の上流域にぐんぐん(個人の感想です)踏み入って入川谷(上流部はキワダクボ)を右岸から左岸に回り込みました。
コース [START]JR青梅線鳩ノ巣駅→(50分)大根ノ山ノ神→舟入戸・川苔山登山道→853m標高点→作業道→キワダクボ渡渉→クマタカ沢右岸尾根山腹作業道→エビ小屋山南西尾根南面作業道→入川谷→(5時間20分)大根ノ山ノ神→(40分)JR青梅線鳩ノ巣駅→(20分)[GOAL]JR青梅線古里駅
(7時間10分)
歩いた日 2024年10月26日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

作業道をたどり、キワダクボを右岸から左岸に渡ったときはそこそこのコーフン状態でした。左岸にも作業道があるだろうことはクマタカ沢右岸尾根エビ小屋山南西尾根を歩いたときに確認できていたんですが、実際に歩くとなればココロ踊ります。
前回の作業道歩きとあわせ、フツーに歩ける作業道は入川谷上流域のキワダクボでぐるりと輪を描いていることがわかりました。だからどうしたと言われても困るんですが、そういうことです。
※文中の丸囲み数字は下のログのカメラアイコンの数字と連動しています。カメラアイコンを押すと数字とその場所の写真と簡略な説明文が表示されます(はずです)。右上のバツ印で写真は閉じます。

おはようございます。JR青梅線鳩ノ巣駅です。
駅を出てすぐ右へ。突き当りを右へ、踏切を渡り、そこそこの勾配の坂道を登っていくと
民家にぶつかって左へ。
登山道になります。
駅から50分ほどで大根ノ山ノ神です。近くのベンチでザックを降ろし、杖を引っ張り出して伸ばしてサントリーの「ダブルカフェラテ」を一口飲みます。
林道西川線をゆるく下っていくとすぐに管理番号「17-270 舟井戸・川乗山」の道標が立つ登山口です。「乗」はこの道標だけであとは「苔」でした。ってどーでもいいか。林道をはなれ、階段をのぼります。
ビシッとした登山道がつづきます。
管理番号「17-260」の道標を通過します。道標の近辺には分岐があることが多いんですが、ここにも
西川林道に向かって下っていく薄い踏み跡が小尾根の上をのびていました。この踏み跡はパス。
なんだか魅力的な尾根です。見上げながら歩いていると
管理番号「17-250」の道標を通過し、小尾根をいくつか乗越して
①管理番号「17-240」の道標を通過したんですが、
ふと見上げると路肩らしきものが見えます。
這い上がってみるとしっかりした道がありました。
右へたどってみます。荒れてはいますが幅広の道です。
②倒木の先にも道はつづいていますがここで引き返します。作業道なのでしょうか、古い登山道でしょうか。幅広の道をゆるく下っていくと
①の管理番号「17-240」の道標に下ってきました。やはり道標は道を「持っている」ようです。
穴入沢を渡ります。緻密な石積で道が守られています。沢を渡るとすぐに
③管理番号「17-230」の道標です。右にゆるやかに下る道があります。ここで勘違い。この道はてっきり前回に向こうから歩いてきた作業道だと思ってしまいました。「あー、ここね」と通過したんですが歩いていませんでした。帰宅後に気づいても後の祭りです。
「17-230」の向こうには登っていく踏み跡もありました。これはパス。
登山道の先に進みます。
④姥岩沢とぶつかる地点に立っている管理番号「17-220」の道標です。
姥岩沢の右岸に作業道が下っています。中規模の分岐からシダロード
を歩いてくるとここで登山道と合流します。
⑤姥岩沢を越え、管理番号「17-210」の道標です。853m標高点の手前です。
前回、あちらから歩いてきました。ロープが張られていますが前回はありませんでした。「倒木注意」のポスターもなかったはず。先に進みます。
⑥853m標高点あたりです。尾根を回り込む地点に管理番号「17-200」の道標が立っています。登山道は尾根を巻いて登っていきますが、作業道が右に下っています。実はネットで沢登りの記録を読んでいて、ここに作業道が登ってきているらしいことを知っての今回の作業道歩きです。ワクワクします。
すぐに薄ーく水が流れている柳ガマ沢を渡ります。
炭焼き窯跡を通過したりもします。
⑦「5|3」の林班界標が立つ登りたくなる尾根を回り込み、
渋い風情の作業道を歩き、
渋いというか
そこそこ
デンジャラスな桟道がつづいたりします。
名前のわからない涸れ沢を越えます。
木間から立派な滝が見えます。
わざわざ渡る必要のない木橋。
⑧木間から見えていた滝まで来ました。渡れるんですが、
その先の道が見当たりません。
目を大皿にして道を探していると水平方向ではなく、対岸の上流に向かって道のような踏み跡がありました。作業道のつづきかどうかは微妙ですが贅沢をいえる立場ではありません。
尾根の横っ腹をくの字くの字で登ってきて
尾根に乗りました。尾根上に薄い踏み跡があるようなないような。
尾根上よりはっきりした踏み跡が尾根を乗越していました。これはうれしいです。たどります。
⑨入川谷が上流で名前を変えたキワダクボです。いよいよ右岸から左岸へ移ります。しっかりした作業道の復活です。微妙な踏み跡はどうやら作業道だったようです。
朽ちかけた土留めがつづきます。いい道です。
尾根を登っていくのか、と思ったら
ぐーっと尾根を回り込んでいきます。
名前のわからない深くえぐれた沢に向かって下っていきます。
⑩渡ります。上流は急峻です。
沢を渡り、次の尾根で道は分岐しました。登りとほぼ水平。赤杭尾根にかなり近い場所(標高差で160mほど)なので登りはそのまま赤杭尾根に合流するのだと思います。ほぼ水平の道をたどります。
⑪石積の堰堤の上を歩いて名前のわからない沢を渡ります。
作業道はまだつづきます。
⑫尾根に「3|2」の林班界標が立っています。この尾根はクマタカ沢右岸尾根です。乗越します。
クマタカ沢右岸尾根はあちらから登ってきて作業道にぶつかり、「3|2」の林班界標を越えてエビ小屋山まで登り詰めました。
クマタカ沢右岸尾根を乗越し、作業道を進みます。どこまでたどれるのでしょう。クマタカ沢を渡ります。
対岸のクマタカ沢右岸尾根の横っ腹に根から抜けた長い倒木がザラリと並んでいました。
危なっかしい桟道がつづいています。
山側に手をつきながら歩いてきて
まだ危うい桟道がつづきます。
もう桟道ですらありません。
エビ小屋山南西尾根です。クマタカ沢右岸尾根からエビ小屋山南西尾根まで作業道でつながりました。
尾根上には小屋の残骸があります。作業道はまるでこの小屋がゴールかのように尾根の上と下に分岐します。けれども尾根を横切る作業道があるかもしれないと思い、
トラバース(山腹水平移動)していく踏み跡らしいものをたどってみます。
草ボーボーの原っぱから入川谷の下流を眺め、あるようなないようなほぼない踏み跡をたどったんですが、
これより先はちょっと無理。引き返します。
小屋の残骸まで戻ってきました。
エビ小屋山南西尾根を下ります。
すぐに左(先ほどの草ボーボー方向)へトラバース道がのびていました。
たどります。
すぐに水平とやや下に分岐。
まず水平。早々にもう無理。引き返します。
次はやや下。早々に無理っぽい。引き返します。
エビ小屋山南西尾根を下ります。
⑮ここからぐーっと下って鞍部からポコリとしたピークへ向かうんですが左へ道がのびています。たどります。
小さなくの字くの字でどんどん下っていきます。
丁字路です。
左は登っていきます。すぐにシダに覆われ、
シダを抜けるとぐーっとエビ小屋山南西尾根に向かって登っていきます。うーん、引き返します。
丁字路に戻ってきました。下ります。
道は消えそうで消えずにつづいています。
エビ小屋山南西尾根から派生している小尾根を律儀な小さなくの字くの字で下っていきます。
水の音が大きく聞こえてくるようになると道は小尾根からはなれ、エビ小屋山南西尾根の横っ腹に向かっていき、
ねじれた桟道の横を歩き、
エビ小屋山南西尾根の下を歩いていきます。
⑯いつの間にかエビ小屋山南西尾根に合流しました。
尾根を下ります。水の音がどんどん大きくなります。
⑰入川谷にかかる木橋まで降りてきました。
木橋を渡り、山腹をゆるやかに登っていきます。
⑱作業道に合流します。
西川林道の延長工事が進んでいる現場に向かっててくてく歩き、
⑲ゲートを抜けます。この1か月ほどでもう6度目か7度目の通過になります。もちろん顔パスです。
川苔山への登山口を過ぎ、
大根ノ山ノ神に立ち寄り、登ってきた道をどんどん下ります。
棚沢の集落が見えてきました。
鳩ノ巣駅に着いたんですが、もう少し歩きたくなって古里駅に向かうことにしました。陽気なカカシたちに挨拶をして古里駅前のコンビニで缶ビールを買ってトイレを借りて着替えて跨線橋を渡り
待合室のベンチへ。
踏切の警報音が聞こえてきて電車がやってきました。駅ごとにどんどん乗客が増えて立川駅に着いたときには超満員でした。
入川谷(キワダクボ)左岸の作業道を歩けて満足です。桟道なんかの老朽ぶりを見ると踏み入る人はいなそうですが、ひっそりとした佇まいがかえってかつての山人の往来を思い起こさせます。積み重なった落ち葉を踏み、積み重なった時間を踏み、山人の仲間入りしたような心持ちになって愉快でした。
山の神様、地権者の皆様、きょうもありがとうございました。今回、作業道を歩いて気になる尾根がいくつか見つかりました。今後も入川谷に通うかもしれません。また、よろしくお願いします。