奥多摩尾根歩き
氷川屏風岩尾根、平石妙指尾根

(2/2)


本仁田山→平石尾根→(25分)平石山→平石妙指尾根→(2時間50分)安寺沢→(25分)[GOAL]JR青梅線奥多摩駅


平石尾根はキビシい急降下を覚悟していたんですが平石山まではたいした急降下はなく、ちょっと拍子抜けでした。全行程で急降下だと記憶違いしていました。平石妙指尾根は急降下がつづき、下部では勾配のキツさにビビり、トラバースして隣の尾根に移るハメに。そのビビリがさらなる困難を呼び込んだのでした。

烏龍茶を飲み干し、知覚過敏なら気絶しそうなほど冷たい氷水をペットボトルに移し、さて、次は平石尾根です。山頂から北へ川苔山方向に進みます。
2、3分ほど歩くとこの道標で登山道は右にグーッと曲がっていきますが、平石尾根は道標の向こう、水道局の赤帽白杭に向かって直進です。
そこそこの勾配を下り、尾根をまたいでいるモノレールをまたぎます。
まあまあの急降下もありますが、
歩きやすい尾根道がつづき、
岩ゴツな場所もあって
てくてくと歩いていると
細長い平石山の山頂(1075m)に到着です。
山頂をそのまま西に進むと赤帽白杭で尾根は分岐します。直進方向は平石尾根、左が目指す平石妙指尾根です。
平石妙指尾根の下りはじめ。かなりの急降下です。
すごい急降下です。
下ってきて
「休んでください」と言わんばかりの切り株があったのでちょっと休憩。
左に間伐帯、右に雑木を眺めながら下ります。
罠っぽい何か。どうやら落ちそうな大岩を間伐材とロープで固定している仕掛けのようです。
ドシャーッと下ってきて
840mあたりの分岐です。前回に平石妙指尾根を下ったときは右へ進んだんですが、今回は左の尾根を下ってみます。『奥多摩 登山詳細図(東編)』(吉備人出版)に記載されている平石妙指尾根ではなく、安寺沢右岸尾根(あてらさわうがんおね)とでも言ったほうがいい尾根です。
こちらは右の尾根。赤テープがあります。
左はとんでもない急降下です。
下ってきて
冗談じゃないよ! みたいな急降下です。
岩ゴツ帯を越え、
ブナの大木を境に勾配はがくんと緩み、
これまでの激下りがウソのような穏やかな尾根歩きになりました。ウソじゃないと思いますが気を緩めるのは禁物。用心、用心。
左手のとてつもなく深いところから安寺沢から水の流れる音が聞こえてきます。
ほら、やっぱり。キツい急降下の再開です。
なにかに似ているようでよくわからない岩を通過します。
626mの標高点を通過します。意味ありげに木が組まれていましたが謎です。
つづいてすぐに鉄塔を通過。ここは小さなピークなんですがGoogleマップには西山という山名が掲載されています。
鉄塔からの下りです。尾根はヤセました。
謎の金具が散らばっている場所を通過すると
2mほど下に林道のような平坦地が見える場所に出ました。
降りてみると道ではなく、広場のようになっていました。
奥には鉄塔に使われる大きな碍子が残置されていました。
謎の広場から尾根のつづきを下ります。
正面から日原川の流れが大きく聞こえてくるようになりました。
下るにつれ、水の流れの音が大きくなるにつれ、急降下にもほどがあるでしょ、などと思っていたけれど、もうだめ。尾根を移ります。
日原川の上流か下流か、迷ったけれど地形図に道路がはっきり記載されている下流側を選択。そこそこの踏み跡がみつかったところでトラバースを始めました。440m圏です。
すぐに謎の遺構にぶつかりました。採石場でもなさそうなので
伐りだした材木を麓に降ろしていた施設なんじゃないでしょうか。だとすればここは材木を吊るすワイヤーがぐるんと回る場所、だと思うんだけれど謎。
謎遺構を通過します。
恐れていたことが起こりました。路肩のろの字もないのっぺり谷にぶつかりました。谷の凹みを越えたとしてもその先はさらにのっぺり。
どうしようもないので高巻きすることにしたんですが、これがとんでもない傾斜です。
嫌になるほどの急登です。と言うか嫌です。
下流側へのトラバースを激しく後悔しながら登ってきました。
もっと後悔しながら見上げます。
谷越えを断念したポイントを見おろしながら通過します。
高巻き終了、などと言ってられません。次ののっべりと言うか、ただのザレた急斜面の谷と言うか窪みです。小さいけれど手強いです。チャレンジする気にはなれません。
下巻きが安全そう。
少し下ってこの岩のすき間から窪みに降ります。
下巻き中。通過できなかったポイントを見上げます。
無事、通過。道なき道をたどる過酷なトラバースはつづいたんですが目指す尾根がようやく見えてきました。
あちらからトラバースしてきて
目指す尾根に到着。
あちらから下ってくればたいした苦労はなかつたはずですが後の祭りです。560m圏。
尾根に乗ったのを歓迎するかのようにぽつりぽつりとあ雨が降ってきました。わざわざありがとうございます。下ります。かなりの急降下ですが、これまでのトラバースに比べたら楽ちんです。
楽ちん?
人家が見えてきました。
楽ちんか?
どこが。踏み跡はなし。胸の高さまである草。ガッツリと藪こぎになってしまいました。ちっとも楽ちんじゃありません。
スマホGPSで現在位置確認。ここからトラバースしていけば道路まで約50mほど。もう少しです。ただ、安寺沢を渡ることができるのかが大きな問題です。
草木にいたぶられながら歩いていくと眼下に橋がちらりと見えました。やりました。頑丈に封鎖されていない限りあの橋から道路に上がれそうです。
橋につづきに違いない丸太の桟道を発見。ズザリズザリと下ります。
ひと安心です。安寺沢沿いの小道をちょっと上流に歩いてみました。岩壁が沢に覆いかぶさっています。圧倒される風景です。
引き返してきました。橋は難なく渡れそうです。安寺沢の水は茶色く濁っています。
橋を渡り、草ボーボーの坂道を登ると
民家の車庫横に出てきました。看板は先ほど少し歩いた沢沿いの道が行き止まりだと警告しています。だと思います。この道路を左に下っていっても行き止まりですが、ちょっと方向が違うような。
まっ、そんなことはともかく、無事に下山できました。除ケ野集落を振り返って。
あちらの道は本仁田山へ。きょうはもういいです
奥多摩工業の工場が見えてきました。
奥多摩駅に到着。駅にザックをデポして、と思ったけれど人が多くてテキトーな場所が見つからずそのままコンビニに向かい、
缶ビールを買って奥多摩の女(ひと)に久しぶりに会いました。一心に一点を見つめています。
視線の先は氷川屏風岩でした。
山の神様、地権者の皆様、きょうもありがとうございました。キツかったけれど楽しかったです。またよろしくお願いします。