奥多摩尾根歩き
滝谷上流左岸尾根、上滝尾根

(後編)


今回は滝谷上流左岸尾根を登り、滝谷上流左岸尾根東隣尾根を下る予定でしたが滝谷上流左岸尾根東隣尾根は這般の事情で上滝尾根に変更しました。
前回は滝谷上流左岸尾根を目の前にしてなんだか気力が失せて撤退。今回はビシッと滝谷上流左岸尾根とその東隣の滝谷上流左岸尾根東隣尾根を歩くべく節制に努め、修行僧のような日々をおくっていたかといえばそーでもなく、手羽先15本を一気食いしたり、1日にラーメン、ラーメン、うどんを食べたり、いつも通りの酒量だったりちょっと度を越した酒量だったりで、まっ、どちらかとゆーとそこそこ不摂生な生活から抜け出して日原に向かったのでした。

コース JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→小川谷林道→小川谷右岸下段歩道→上段歩道→四間小屋尾根→滝谷・二ノ沢出合→(4時間40分)滝谷・藤小屋窪出合(両門の滝の落ち口)→滝谷上流左岸尾根→(1時間40分)1480m標高点→上滝尾根→(50分)三又→小川谷左岸登山道→(40分)小川谷林道終点広場→小川谷林道→(2時間)[GOAL]東日原バス停→JR青梅線奥多摩駅
(9時間50分)
歩いた日 2023年7月29日(日)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ~、そ~、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

滝谷上流左岸尾根の初っ端はとんでもない傾斜で這いつくばっての登りです。標高1270m圏(以降、「標高」は省略)で傾斜はゆるみ、地形図からは読み取れない(と思う)複雑な地形をスマホGPSの位置情報を頼りに歩きました。体力的にあまり余裕がなく、細かく撮影できなかったんですが思わず吐息が出てしまう景色がたくさんありました。
上滝尾根の下りは進路がかなりわかりづらい尾根だと思います。分岐の形がはっきりしていないところが多く、迷い込むと下部ほど傾斜がキツくなるので登り返しはやっかいです。

おはようございます。左からヒゲのSさん、稲村岩、奥多摩のトップガンMさんです。JR某駅で合流。東日原バス停まであーだこーだ。本日、Sさんはオロセ尾根あたりのヘンタイ山歩きで小川谷橋を渡って左の林道日原線へ。
Mさんとはつい先ほど、滝谷と二ノ沢の出合で別れました。Mさんは滝谷左岸の中流域から下流域にかけての詳細調査らしい。
別れ際、Mさんが虫除けスプレーをかけてくれました。「目を閉じてください」。沢沿いで高齢男性2人が向き合って1人は目を閉じて、、、誤解を招きそうな状況です。顔正面の噴霧が終わり「後ろ向いてください」。。。
下ネタ、じゃなくて下ッ滝を高巻き、両門の滝が見えてきました。高巻きを続けます。
正面にめざす滝谷上流左岸尾根です。左の滝は両門の滝の滝谷で
もう少し進んで滝谷上流左岸尾根の横っ腹。
藤小屋窪を渡り、滝谷の右岸に立ちました。前回はここで気力が失せて引き返したんですが、今回は気力は十分、ではないけれどフツー。ただしクタクタです。暑さのせいか前回に比べて疲労感は半端ないです。そーとー削り取られた体力が気力を道連れにする前にとっとと行動することにしました。
踏み跡が滝谷上流左岸尾根の横っ腹を這い、とんでもない傾斜の稜線に続いています。滝谷を渡り、
あちらから踏み跡をたどってきて、滝谷上流左岸尾根に立ちました。
尾根の上方。
下方のちょっと右には両門の滝(手前が滝谷、奥が藤小屋窪)が見え、
こちらは尾根の下端。
そこそこしっかりした踏み跡は滝谷上流左岸尾根を乗越していきます。右手は激しく切れ落ちていますがココロひかれる道です。
這い上がってきて
ドンと尾根に鎮座した大岩にぶつかりました。左に見えている狭い急斜面を登ったんですが、手がかり足がかりが少なくちょっと怖い思いをしました。
大岩の上でちょっと休憩。
相変わらずのヒドい急登にあえいでいるとまた岩です。ここは正面突破。
登ってきて
1270m圏でややヤセ尾根になり、ようやく傾斜はゆるみました。
あのてっぺんで左から登ってきた尾根と合流
するのかと思ったら左から登ってきた尾根はあちらへ、登ってきた尾根はここから右にぐっと曲がります。奇妙な地形です。地形図からはちっとも読み取れません。スマホGPSで方角を確認してあちらの尾根に移ります。1350m圏です。
あちらから下ってきて登り、尾根に乗ると
すぐ左から登ってきた尾根と合流しました。こちらもいい雰囲気の尾根です。
左下から涼し気な水の流れる音が聞こえてきますが水の流れは見えませんでした。
下端部とは打って変わって広大な尾根になりました。
テキトーに登るというか歩きます。
歩いてきて
藪というか木立にぶつかり迂回します。
迂回するともっと濃い木立にぶつかりここも迂回します。
ゆるーく登ってきて
平らな尾根をしばらく歩き1480mの標高点あたりに到着。これにて滝谷上流左岸尾根はおしまいです。
もうヘロヘロです。ザックを降ろし、鳥居谷左俣でペットボトルに汲んだ水を飲みながらぶらぶらします。初めての滝谷上流左岸尾根東隣尾根を最終バスに間に合うように下れるのか。不安がむくむくと湧き上がります。何通りかのシミュレーションで計算してみたんですが間に合うかどうか微妙。安全策として何度か下ったことのある上滝尾根で下山することにしました。
上滝尾根を下ります。上部は滝谷上流左岸尾根滝谷上流左岸尾根東隣尾根も同じ尾根です。尾根筋はとてもわかりづらいです。
1420mあたりの分岐です。右が登ってきた滝谷上流左岸尾根。左へ下ります。
広い尾根を下り、
下ります。素敵な山域ですが、脚を動かすのでいっぱいいっぱいで景色を愛でる余裕がありません。
だらーんとしてとらえどころのない1320m圏の分岐。右があきらめた滝谷上流左岸尾根東隣尾根です。左に進みます。
急降下です。
もっと急降下です。
ギュイーンと下ってきて平らになって
下ります。
三又からの水の音が聞こえてくるようになりました。酉谷と滝谷が合わさって、小川谷の流れになる音がよくわかります(ちょっとウソ)。
下ってきて
古い林班界標と標石を通過します。支え合っているのかと思っていましたがお互いまだまだ自立心旺盛のようです。
林班界標と標石から下でいつも進路に迷います。で、テキトーに下って危なっかしいトラバース(山腹水平移動)道を探りあて、たどっていくと
三又に着きます。
滝谷の上流方向。あのずっと上流で滝谷を渡りました。
左手前から酉谷、右から滝谷。合流して小川谷になって奥に流れていきます。
上滝尾根の下端。これにて上滝尾根はおしまい。思ったより早く着きました。ザックを降ろして酉谷の流れで顔を洗い、口をすすぎ、腰に手を当ててグーッと体を反らすと立ちくらみがして水際でたたらを踏んでしまいました。
たたらの余勢を駆って、な訳はないんですがザックを背負い小川谷左岸の旧登山道をたどります。
三又を見下ろし、
大崩落地を越え、
小川谷林道終点広場に到着し、
蝉の抜け殻を通過し、
滝上谷橋近くの水場で水をちょっと飲み、
崩落地を越えました。想像していた規模よりはるかに大きくて驚きました。
ぼーっとバスを待ちます。かなりぼーっとします。白い月が上りながらだんだん黄色くなっていくのを眺めていました。
山の神様、地権者の皆様、きょうもありがとうございました。青息吐息でしたが無事に下山できました。また、よろしくお願いします。