奥多摩尾根歩き
長尾丸山北尾根

(1/2)


今回は奥多摩側から長沢背稜(都県境尾根)の棒ノ折山(棒ノ嶺)に登り、長尾丸山から北にのびる長尾丸山北尾根を飯能市側に下りました。「長沢背稜またぎ」の第何弾めかです。
長尾丸山北尾根はテキトーな名付けです。『奥多摩 登山詳細図(東編)』(吉備人出版)に記載されているサスムカウ入という谷の左岸尾根ですが、『山と高原地図22 奥武蔵・秩父』(昭文社)にはサスムカウ入と同じ谷が大渕入と記載されています。有間川との出合あたりに龍神淵(有間大渕)という淵があるので「あー、そうなんだ」とは思いますが、サスムカウ入ってなんでしょ。焼き畑を意味するサスなのか、どこかと差し向かっているのか、謎です。『奥多摩』(宮内敏雄著 昭和刊行会刊 昭和19年)の地図にもサスムカウ入の名前が載っていますが位置の特定はできませんでした。
今回の尾根歩きは有間川にちゃんと降りられるか不安のまま出発したんですが、残念ながらその不安は現実のものになってしまいました。
コース [START]JR青梅線川井駅→都道→(1時間10分)奥茶屋キャンプ場→(1時間40分)棒ノ折山(棒ノ嶺)→長沢背稜(都県境尾根)→槇ノ尾山→(1時間)長尾丸山→長尾丸山北尾根→標高796m→運命の分岐(?)→(1時間50分)道路→「龍神淵(有間大渕 有間川)→有間渓谷観光釣場→名栗湖右岸道路→有間の湧水→有間ダム→(1時間30分)[GOAL]さわらびの湯→ノーラ名栗・さわらびの湯バス停→西武鉄道飯能駅
(7時間)
歩いた日 2022年9月25日(日)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

[START]JR青梅線川井駅→都道→(1時間10分)奥茶屋キャンプ場→(1時間40分)棒ノ折山(棒ノ嶺)→長沢背稜(都県境尾根)→槇ノ尾山→(1時間)長尾丸山→長尾丸山北尾根→標高796m


このページは、川井駅から大丹波川の上流に向かい、奥茶屋キャンプ場から棒ノ折山(棒ノ嶺)に登り、長沢背稜(都県境尾根)の長尾丸山から長尾丸山北尾根を下って標高796mまでの記録です。
雑木に囲まれた快適な尾根歩きで始まったんですが、すぐに林道の擁壁のてっぺんに出てしまい立ち往生。幸い苦労なく下降点が見つかり、すんなり尾根の続きをたどることができました。地形図を見る限り、植林の中を黙々と下るイメージだったんですが、植林と雑木に分ける快適な尾根歩きが続きます。

おはようございます。道すがらのイメージです。川井駅から大丹波川(おおたばがわ)沿いを上流に向かって
てくてくと歩き北上川橋(きたかみがわばし)の手前を左へ。
道路に落ちていたヤマグリをかじってみました。おいしいです。以前、東日原で大きなクリの実だと思ってかじると強烈なえぐみに4、5分ほど唾を吐き続けるハメに。トチの実でした。
清東橋(せいとうばし)バス停を通過します。とてもきれいなトイレと待合室があります。
清東橋(せいとうはし)を渡り、中茶屋キャンプ場、百軒茶屋キャンプ場を過ぎ、
奥茶屋キャンプ場(跡?)の登山口です。ザックから杖と軍手を引っ張り出して準備完了。
木橋で大丹波川を渡ります。昨夜、都心ではどでかい雷鳴と大雨に見舞われました。こちらでも似た状況だったんでしょうか.かなり水量が多いです。
城塞のようなワサビ田に沿って登ります。急登です。
小ぶりな滝ですが、これでもか、という感じで激しく水を落としています。
壊れた鉄階段の迂回路には一杯水の道標で土留めされた階段があったりして、
祠に到着。登山道はここで沢から離れ、
くの字くの字のそこそこの急登が始まります。丸太で土留めされた階段が木の根っこ階段になり、
「山主に 注意 マムシ」じゃなくて「マムシに 注意 山主」の看板を過ぎて、
ようやく稜線に乗ります。
こんな急登あったっけ、て前も思ったことを思い出した急登。
登ってきて
まだまだ先があります。
石が転がった、と思ったら大きなヒキガエルがノタッと動いたのでした。
棒ノ折山(棒ノ嶺)の山頂に到着。
意味なく武甲山(ぶこうざん)方向を睨んでみますがなんにも見えません。長居する理由がないので長沢背稜(都県境尾根)を西へ、雲取山方面(遠すぎ?)に向かいます。
すぐに棒ノ折山北東尾根の下降点を分け、
心地よい尾根を歩きます。ダーッと下って同じくらいグーッと登ると、
槇ノ尾山(まきのおやま)の山頂です。ここから北に仙岳尾根(せんがくおね)[平溝尾根、仙岳尾根][棒ノ折山南尾根、仙岳尾根(再)]が下っています。
右下に大名栗林道が見えると長尾丸山の山頂への急登が始まります。そういえば棒ノ折山の北面はヤマグリだらけです。
と思ったら巻道があったので少し進み、
ここから尾根上に乗り、
長尾丸山の山頂に到着です。槇ノ尾山からダーッと下り、同じくらいグーッと登ってきました。棒ノ折山の標高は969m、長尾丸山は 958.34m。標高の差はほどんどありません。長尾丸山の山頂には三等三角点(写真中央)があって基準点名は井戸地。南面に井戸地沢という谷が流れてます。その南面の大丹波ヘリポートからヘリコプターの爆音がしばらく聞こえていました。
長尾丸山は長尾ノ丸、長尾丸、名郷ノ丸、名郷丸なんかの名前があるようです。
前回の食べ残し「ENERGY BAR BA! 」でエネルギー補給します。変形はさらに進んでいました。
休憩しながら長尾丸山北尾根を確認します。三角点から北にそこそこはっきりした尾根の形が見えるんですが、地形図によると長尾丸山北尾根の下降点は長沢背稜を東に250mほど戻ったあたり。ペットボトルに詰めてきた麦茶を一口二口飲んで出発します。
ここから長尾丸山北尾根を下ります。長尾丸山北尾根のマークなのでしょうか、枝に古びた黄テープが巻かれていました。
下り始めてすぐ、ナメコみたいなキノコ発見。ちょっとちぎって食べてみました。ナメコだと思うんですがどうなんでしょう。良い子も悪い子も真似しないほうがいいです。しょっちゅう拾い食いをしているわたくはいろんな毒性に免疫ができている可能性があります。
長尾丸山北尾根は雑木に囲まれたいい雰囲気で始まります。ズザズザと下ります。
下ってきて
いきなり大名栗林道の擁壁のてっぺんに出ました。ここからは降りようがありません。右にのびる擁壁上の薄い踏み跡をたどっていくと
濃い踏み跡になって
無事、林道に降りることができました。
分断された長尾丸山北尾根はあちら。
あのてっぺんに立っていました。振り向いて
尾根の続きです。
林道から下るとすぐに「龍神斑へ」の道標がありました。方向は違ってます。もともとはもっと左にあって下を向いていたはずです。
左雑木、右植林の尾根道になりました。
下ってきて
下ります。ややザレていますがやっかいなほどではありません。
796mの標高点あたりを通過します。細い赤帽黒杭が刺さっていましたが、標高点とは無関係だと思います。赤帽黒杭はこの後もぽつりぽつりと見ました。
次ページは龍神淵をめざしての後半戦です。決死の急降下と2mほどのズリ落ち、迷った末の有間川急流渡渉、ちょっとした冒険になってしまいました。